特筆すべきは上勝町の人口で、2000人ほどの高齢化が進む小さな町だということ。この町では、未来の子供たちに豊かな土壌や美味しい水を残すため、2002年に「ゼロ・ウエィスト宣言」を行っており、2020年までにゴミをなくすべく様々な活動を続けています。
町にはゴミ収集車が一台もなく、ゴミの収集には町人たちがそれぞれ34種類に分別したゴミを、集積所まで持って行くシステムとなっていることに驚きます。
高齢化が進む町では、集積所まで持って行くのも一苦労。そんな背景から計り売りは必須アイデアであるとして誕生したのが、この上村百貨店なんです。
センスの光るディスプレイ必要に応じて出来たのだから、 ごくごく普通のお店を想像しますが、素晴らしいのがこの店がお洒落なこと。取り扱っている商品はもちろん、ディスプレイなど細かなところまで、気が遣われています。
もちろん、店内に並ぶ商品は品質や原材料に至るまで、細かな選定基準をクリアしたもの。まるで、広尾や麻布の住宅街にありそうな雰囲気のお店で、こんなお洒落なお店なら通う人たちも自然とウキウキした気持ちになるのでは?と思わせます。
しかも、計り売りのお店ということで、必然的に売る側と買う側の間のコミュニケーションが生まれます。結果、ゴミが減るばかりでなく、人と人とのコミュニケーションの場として大きな機能を果たしているのだそう。
これからの世の中に必要なのは、きっとこんなタイプの百貨店。上勝百貨店のようなお店が、日本全国に増えていく日もそう遠い未来ではないと思います。