このように冬至にはゆず湯がありますが、それ以外にも日本の文化として四季を楽しむ毎月のお風呂というものがありました。そこで今回は、月ごとにある季節のお風呂を一挙にご紹介します!
1月 松湯=疲労感を軽くし、神を待つ木(松)で1年の無事を祈る
(松の精油成分は神経痛やリウマチに効き、肩こりや腰痛にも効果がある)
2月 大根湯=風邪に負けず、厳しい寒さをのりきる
(大根の葉に含まれているビタミンやミネラルが保温効果を高める)
3月 蓬湯=冬に溜まった疲れを取り邪気を祓う
(肩こりや腰痛をやわらげるほか、香りにはストレス解消や安眠にも効果もある)
4月 桜湯=湿疹や腫れ物をきれいにして薄着にそなえる
(桜の樹皮エキスは湿疹や打ち身などの炎症抑える働きがある)
5月 菖蒲湯=不浄を払い、邪気を遠ざけ勝負に勝つ(5月5日端午の節句)
(血行促進の働きがあるほか、打ち身などの鎮痛作用もある)
6月 どくだみ湯=薬湯であせもや水虫を改善する
(どくだみのエキスはあせも・しっしんなどに効果的)
7月 桃湯=日焼けした肌をケアして暑気払い(夏の土用)
(タンニンによる消炎・解熱作用や、収れん作用による肌トラブル改善)
8月 ミント湯=夏冷えを解消し、お風呂あがりをさらさらにする
(薄荷には発汗を抑え、血行促進や保温効果もある)
9月 菊湯=夏の疲れをほぐし、厄を払い長寿を得る(9月9日菊の節句)
(皮膚を刺激して血行を促進し、カラダの痛みをやわらげる)
10月 生姜湯=カラダを芯から温め、早めの風邪予防
(辛味成分と精油成分には血行を促進・保温・防腐・抗菌・抗酸化作用がある)
11月 蜜柑湯=湯冷めせず、美肌もつくる
(精油成分の血行促進作用と、果皮のクエン酸やビタミンCの美肌効果もある)
12月 ゆず湯=カラダを芯から温め冷え症を改善(冬至)
(精油成分には血行を促進作用があり、新陳代謝も活発にする)
浴槽に入れるものは年間通して血行促進作用のあるものばかりです。それ以外の効果としては、冬はより保温効果の高いものであったり、夏は発汗を抑えるものであったり、季節によって生じる症状に対応した内容となっているのが興味深いです。
お風呂でも四季を楽しむという姿勢は、日本人ならではですね。
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(知恵子)