みなさん、こんにちは。アストロ・コミュニケーターの景山えりかです。いよいよ明日（9月19日）は「中秋の名月」ですね。実は今年の名月は、ちょっぴり特別なんですよ！
月を眺めるのに絶好の日中秋の名月とは、旧暦8月15日の月のこと。現在のこよみでは、8月15日は夏真っ盛り。けれど、旧暦では7～9月が秋で、8月15日はその真ん中にあたるため、「中秋」といいます（ちなみに「仲秋」と書くと、旧暦8月のことを意味します）。
この時季は空気が澄んでいて、月を眺めるのにちょうどいい季節。日本では平安時代の頃に、中国から名月鑑賞の風習が伝わり、風流を好んだ平安貴族の間で、月を愛でながら和歌を詠む観月の宴が催されるようになりました。
その後、一般庶民にもお月見として風習は広まり、秋の収穫時期とも重なることから、月に、お団子や秋の果物、野菜などをお供えして、実りに感謝する行事へと変わっていきました。
中秋の名月＝満月とは限りませんさて、中秋の名月は「十五夜」ともいいます。十五夜といえば満月をイメージする人が多いと思いますが、「中秋の名月（十五夜）＝満月」とは限りません！
以前、スーパームーンの記事にも書いたように、月は公転しながら、地球に近づいたり遠ざかったりしています。そのため、月が地球の周囲をまわるスピードは一定ではありません。月が地球から遠くにいるときはスピードは遅くなり、地球から近いときは速くなります。
ですから、新月から満月に至る期間が、毎回ぴったり15日間というわけではないのです。さらに、新月の瞬間が旧暦8月1日のどの時刻におきるかによっても、日付と満月のタイミングに影響します。
満月は、その年によって中秋の名月より前のときもあれば、後になるときもあり、事実、中秋の名月は満月でないことのほうが多いくらいなんです。
9月19日を見逃したら、次はなんと2021年！では今年はというと、中秋の名月と満月がちょうど重なります！ しかも、満月の瞬間時刻は20時13分。多くの人が夜空を見上げやすい時間帯に、「満月になった中秋の名月」が目撃できるのです。
これって、ものすごくラッキー！ というのも、今後、中秋の名月と満月が重なるのは、2021年9月21日。今年を見逃したら、次は、見られるのは東京オリンピックよりも先の話になってしまいます。
昔から日本人に愛でられてきた中秋の名月と、天文学的な満月が重なる9月19日20時13分。みなさんの頭上に広がる空が晴れ渡り、美しい月が見られますように。
（景山えりか）
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