梅雨が明けて、暑い夏がやって来ました。
そんな夏の暑い時に飲みたいお茶が「涼茶(リョンチャ)」と呼ばれる中国の漢方茶です。日本のように高温多湿中な国の広東地方で愛飲されていて、体につらい気候を快適に乗り切るための民間滋養法のひとつとして地域に根付いています。
体の熱をデトックスしてくれるお茶
中医学によると、体に熱がたまると、肩こりや頭痛、イライラ、ニキビなどの吹き出物が出るといわれています。そこで涼茶を飲むと、その名の通り、体にたまった熱を体外にデトックスして、体を涼しくしてくれるのです。夏バテ防止にも効果を発揮してくれるはず。また、目の充血や便秘、肌荒れ、口内炎、睡眠障害、のぼせ、ほてりなども体に熱がたまると出る症状といわれていて、涼茶がこれらの不快な症状を取り除いてくれるのだとか。
体にたまった熱はエアコンの冷気では取り除くことができません。アイスクリームなど冷たいものは胃腸を弱らせて、体内の代謝を悪くするので、食べたときはひんやりしますが体にとっては悪循環。涼茶なら体に負担をかけることなく、体内の熱を除去できるのが魅力的です!
緑茶をベースにブレンドしてもOK!
味は苦いものが多いのですが、最近はブームもあってか、甘いもの、ジャスミン茶のような飲みやすいものもあります。また、緑茶ベースに枸杞の実、龍眼、棗、干し葡萄などが入った「八宝茶」や、鶏骨草と棗をブレンドした「紅棗鶏骨草」、菊や桑の葉をブレンドした「夏桑菊茶」など、清熱解毒作用がある薬草がブレンドされていることも多いそう。日本では「五涼華」という名前でハーブティーとして売られています。中国ではペットボトル飲料としても売られ、コンビニなどでも気軽に購入できます。また近年、中国では涼茶の販売量が炭酸飲料を上回り、とくに女性を中心に人気が高いとか。
広東地方に負けないくらい高温多湿な日本の夏。和食から洋食になるなど食文化が変化したことで体質的な変化があったり、ストレスの多い現代の日本人は、中医学でいうところの湿熱や熱毒など、体に熱がたまりやすいそう。エアコンの冷気や冷たいもので体調を崩さないように、この夏の猛暑は涼茶を活用して乗り切るのもいいかも。
[PPW]
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(高田薫)