最近パリでは、ビルの屋上でハチミツを作っている、という話をよく聞きます。例えば、オペラ座、グランパレ、そしてルイ・ヴィトンの屋上など! 実際に、養蜂職人がハチミツを作っているそう。
パリ在住のハチで作るハチミツ
この背景には、フランスの田舎に生息するハチが、農薬のついた花や木のミツを定期的に食べることで死亡してしまう、という事情があります。なかには、害虫を寄せつけないように加工された種から咲いた花を摂取すると死んでしまうというケースも起きています。
これに対して、パリには農薬が使われていない花や草木がたくさん生息しており、ヴァンセンヌの森やリュクサンブール公園などではハチが元気に活動しています。つまり、意外かと思うかもしれませんが、パリの屋上はハチミツを作るのに最適な環境といえるわけです。
パリのスーバーでもハチミツが人気
フランスで350店舗にものぼるスーパーを展開している「Monoprix」では、自社オリジナルのラインとして出した、パリのハチからとれたハチミツが約2,000瓶も売れました。200gで4.9ユーロ(約625円)という値段で、そう高くはありません。
Monoprixでは、数年前から持続可能で地球環境に貢献するオーガニック商品に力を入れてきました。そして現在、パリのテルヌとポルト・ド・シャティヨンとの二店舗の屋上で18個のハチの巣を所有しています。ちなみに、このハチミツが売られているのは、パリの7店舗限定。
また、世界各国のハチを撮り続けるフランスの写真家・Eric Tourneretが、パリで活躍する養蜂家たちの活動を紹介しているサイトもあるので、興味のある方のぞいてみてください。赤茶けた煙突が並ぶ屋根を背景に蜂の巣を手にする姿は圧巻です。
パリに咲き乱れる花々の味がつまったパリッ子のハチミツ。どんな味がするのか試してみたいところです。
[Retour du miel des toits des Monoprix]
photo by Thinkstock/Getty Images
(下野真緒)