これから暑くなると気をつけたいのが熱中症。熱中症というと7~8月の真夏日に起こるものという印象が強いかもしれませんが、実は梅雨の晴れ間や梅雨明けすぐの晴天で暑い日に救急搬送される人が多いことがわかっています。
熱中症には「運動」×「牛乳」がいい!
そんな熱中症対策に効果的だと言われている意外な方法があるんです。それは「ややきつい運動」の後に牛乳を飲むこと! これは、信州大学の能勢博教授(スポーツ医科学)が提唱している方法で「ややきつい運動」とは「インターバル速歩」と呼ばれるもの。
インターバル速歩とは「ややきつい」と感じるくらいの早歩きを3分続けたら、普通の速さのウォーキングに切り替えて3分歩く......この「速い」「普通」を交互に繰り返す歩き方のこと。
1日のトータル歩行時間が、12分(速歩2回、普通歩行2回以上)ぐらいから始めるのが基本とのこと。毎日歩けない人は、1週間の歩行時間が60分以上になるように回数と時間を設定すればいいそうです。
「ちょっときつい」というのは、自分の運動能力の70%くらいのことで、「5分歩くとドキドキ動悸が強くなる、10分続けると汗ばむ、20分を過ぎるとスネの筋肉が痛くなる」くらいの強度だとか。
日本気象学会が推奨する熱中症対策
そして臨床試験で、インターバル速歩後に牛乳を飲むことで血液の血漿アルブミンが増え、汗のかきやすさや皮膚血管の開きやすさがアップすることがわかり、その結果、体温の調節機能が改善して熱中症になるリスクが下がるとして、日本気象学会でも熱中症対策として推奨しています。
牛乳がいい理由は乳たんぱく質と糖質を含んでいるから。楽なペースのウォーキングと違い、速歩では下半身の大きな筋肉をしっかり動かし、エネルギーとなるグリコーゲンを消費し、一部の筋肉組織が傷みます。アミノ酸のもととなるたんぱく質を摂取すると運動で傷んだ筋肉を補修、同時に糖質によってエネルギーを効率よく補充して筋肉の細胞内へのアミノ酸輸送もサポートします。
「理想は運動後60分以内に200~600㏄飲むといいでしょう。牛乳に含まれる乳糖は分解されてブドウ糖になるまでやや時間がかかるため、ほんのり甘い程度に砂糖などを加えてもいいでしょう」と能勢教授は言っています。体を動かした後にゴクゴク飲める、すっきりとした風味の「明治スポーツミルク」という商品も発売されています。牛乳の代わりにヨーグルトなどもいいようですよ。
また、インターバル速歩を続けることで、ダイエット効果、遺伝子の若返り効果、血圧低下やメンタル面にも効果があることが実証されているのだとか。若返りも期待できるとあれば、ぜひ取り入れてみなければ!
暑さに負けない体づくりとして簡単に取りれることができるこの方法。通勤の時、ひと駅手前で電車を降りてトライしてみるといいかもしれませんね。