世界には読者の趣向にあわせた雑誌が何種類も出版されていますが、フランスには、癌と戦う女性のためのフリーペーパー「Rose (ローズ)」が出版されています。
癌治療に役立つ情報から、モードの記事まで!
ローズ(=ピンク)は、癌によって変化してゆく体や生活を認知し、癌患者の周囲の人々の理解を得るのを目的として作られました。2011年の秋以来、10月の乳がん月間のピンクリボン運動に合わせて、毎年2回にわたって刊行されています。フリーペーパーなので、クリニックや癌治療施設、薬局などで無料で手に取ることができます。
内容は、アンケート調査や人物インタビュー、孤立しないためのアドバイスのほか、女性誌らしい美容やモード、美食などのページもあって、女性に嬉しい情報が充実しています。さらに、治療に効果をプラスすべく、鍼治療や自然療法、スポーツなどの治療メニューや、アラン・デュカスのスペシャルレシピによる栄養のアドバイスまで紹介されています。ローズは、つらい治療を経験している癌患者に向けて、前向きに人生を生きよう、という応援メッセージを発信しているのです。
ローズのサイトは随時更新中
ローズはフリーペーパー以外にも、ホームページでは情報を定期的に更新中です。5月は、癌治療後の体の変化をパートナーと共にどう受け止めるか、がテーマ。癌の治療で化学療法を受けたことで髪の毛がなくなった、体の外見が変化をした女性の悩み、そんな時のパートナーの男性のひとことなどが、実取材のもとリアルに書かれています。
病気と戦いつらい治療をしていても、新たな希望や目標を与えてくれるローズの存在は、きっと癌と戦う女性の心のよりどころになっているはずです。
© Rose Magazine 2011
(下野真緒)