ペーパーアイテムがめっきり減ってきた現代ですが、逆に人気が出てきているのが手間と時間のかかる活版印刷(レタープレス)。立体的に紙に浮かび上がる文字は手作り感に溢れていて、大好きなものの一つです。
700年代から行われていた! 活版印刷の深い歴史
活版印刷の技術はドイツで1445年頃に発明された世界三大発明ともいわれ、最初の印刷書物は聖書でした。この発明以降一気に書物が流通し、歴史的にも重要な出来事の一つです。
実際には木版印刷、あるいは活字印刷が史上初めて行われたのは中国だそうで、しかもそれは700年代というから驚きです。中国から日本にこの技術が伝わったのは1400年代とされています。しかし、漢字文化圏ではその膨大な活字量から、あまり活版印刷は定着しなかったそうで、26文字しかないアルファベットを使うヨーロッパ圏で発展していったのです。
5世紀に渡り世の中心となった活版印刷ですが、デジタル製版が可能となった現代では廃れてしまい、本を1冊活版印刷で作る事は出来なくなってしまう程になってしまいました。
ヨーロッパではアートに! CDジャケットや美術館にも登場
しかし、最近ではこの活版印刷に注目が集まり、イギリスを始めヨーロッパではアートとして再認識されています。ヴィンテージウッドタイプとプレス機を使用した作品を発表している「A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS(ア・ツゥ・パイプ・プロブレム・レタープレス)」は、作品を発表しているレタープレススタジオの一つ。アーティストのCDジャケットを手がけたり、ロイヤルアルバート美術館やデザイン美術館でコーナーが設置される等、イーストロンドンを拠点に活動しています。
そして、この度このスタジオによる日本での初展示会「OLD LETTERS FROM LONDON(オールド・レターズ・フロム・ロンドン)」が6月15日から7月15日まで東京・神宮前のポールスミススペースギャラリーで開催されるのです!
ポールスミスのファブリックの上にレタープレスプリントをしたコラボレート作品等も展示、販売され、初日にはスタジオ主催者のステファン・ケニーによるワークショップも開催されます。
活版印刷の温もりは他では味わえない独特な雰囲気があり、自分の名刺を作る時は絶対活版印刷!と決めています。今後もずっと守り続けて欲しい技術のひとつです。
ポール・スミス スペースギャラリー
日程:2013年6月15日~7月15日
住所:東京都渋谷区神宮前5-46-14
最寄り駅:地下鉄表参道駅より徒歩5分
TEL:03-5766-1788
営業時間:12:00~20:00
定休日:水曜不定休
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[Paul Smith,A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS]
photo by Thinkstock/Getty Images
(石井真代)