日本と違って、フランスでは年末の大掃除という習慣はありませんが、今回はフランス人がよく掃除に愛用しているものをご紹介します。

それは、「サボン・ノワール」といって、もともとモロッコから伝わった黒いパテ状の石鹸です。

ゴマージュやパックとして、この名前を聞いたことがある人もいるかも知れませんが、要は砕いた黒オリーブ、オイル、塩などでマリネした、ナチュラル成分のみでできた石けんのこと。そのため、カラダにも優しく安心して使えるのがポイントです。
でも、ナチュラルだからと侮るなかれ! 汚れ落とし効果は超強力。キッチン、オーブン、コンロ、お風呂場、洗面台、シンクの内側など……大掃除でネックとなってくる油汚れのひどいところに使えるため、フランスの一般家庭ではとっても重宝されています。

もちろん食器洗い、銀器を磨く、洗濯前の服についたシミなど、いろいろなものをピカピカっと光らせてくれるどこでもアイテムなのです。

一般的には、パテ状のねっとりしたものを、フランスのオーガニックショップなどで見つけることができますが、最近では普通のスーパーで、サボンノワールをベースにしたスプレータイプのものなども売られていて、その形態は多様化しているようです。

また、自分でつくるレシピもあるようで、これができれば超エコノミック&エコロジックな掃除が実現しますね。簡単に説明すると、塩とカリ(木の灰をカリとして使うことも可)に砕いた黒オリーブを入れ、オリーブオイルに混ぜて火にかけながらゆっくりかき混ぜる、というもの。
 
天然成分を使った掃除用サボンがあると、年末の大掃除もやる気が出てきますね。

[Du vert et du durable,Le grand nettoyage bio]

photo by Thinkstock/Getty Images

text by下野真緒(Mao FRANKIEWICZ SHIMONO)
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南仏在住ジャーナリスト/エディター。東京都出身。慶応義塾大学法学部政治学科卒。女性ファッション誌編集部を経てフリーランスエディターに。パリ・南仏へ留学後、フランス南西部に移住。パリ発webmagazine・chocolatmagにて連載コラム「南仏新婚journal」、ELLE maman blog「南仏ママンのpetit palette」、GLAMサイトで「南フランスのいい予感。」ほか「シティリビング」にて海外通信コラムなど執筆中。フランス人のライフスタイルほか、社会問題、時事ネタにも関心深い。

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