今回は管理栄養士、東京糖尿病療養指導士の酒井葉子さんが、カリフラワーの選び方、保存方法、下準備のコツを解説。簡単でおいしいレシピとあわせてご紹介します。
粘膜、代謝、腸内環境まで整うカリフラワーの栄養パワー
ブロッコリーの突然変異から生まれたというだけあって、栄養豊富なカリフラワー。ビタミンCをはじめ、ビタミンB群や葉酸などのビタミン類、カリウムやカルシウムなどのミネラル、食物繊維などをバランスよく含んでいます。
管理栄養士の酒井さんが注目するのは、これらの栄養素が持つ「体の免疫機能」を高める働きです。例えばビタミンCは、粘膜を健康に保つ作用があり、抗酸化作用も高い栄養素。カリフラワーのビタミンはゆでても損失量が少ないという特徴があるため、あたたかい料理との相性がよく、風邪予防に最適だといいます。
さらに、ビタミンB群の働きも見逃せません。
免疫力を高めるには、糖質、たんぱく質、脂質をバランスよく食べることが大切です。カリフラワーには、糖質、たんぱく質、脂質の代謝に欠かせない栄養素であるビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6が豊富に含まれています。
(「Diet Plus」より引用)
ビタミンCで粘膜を健康に保ち、ビタミンB群で代謝をアップ、食物繊維で腸内環境を整えてくれるカリフラワー。まさに冬の健康管理にぴったりの食材ですね。
カリフラワーの選び方と保存法
1年中お店で見かけるカリフラワーですが、旬を迎えるのは冬。雪のようなイメージそのままに、全体的に白く、身が引き締まったものがおすすめと酒井さん。
カリフラワーは収穫後も成長するため、日が経つにつれ、過熟が進みだんだん隙間ができて色も褐変してきます。さらに水分が抜け、花蕾が徐々に軽くなります。ずっしり重みがあり、純白なものが新鮮なカリフラワーです。
(「Diet Plus」より引用)
カリフラワーは鮮度が命。買ってきたらラップに包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。20℃以上のところでは花蕾が開き、味が落ちてしまいます。
おいしくゆでるコツは「酸味+小麦粉」
生のカリフラワーはアクが強いため、おいしく食べるためには下準備も大切です。
酢やレモン汁を加えてゆでると、純白に仕上がります。カリフラワーのアクを吸着するために小麦粉を少量加えることもおすすめです。ゆであがったら、ざるに広げて冷ますことで、水っぽくならずに美味しくいただけます。
(「Diet Plus」より引用)
小麦粉はたくさん入れるとべとっとしてしまうため、入れすぎないように注意。小麦粉のデンプンがアクを吸着してくれるだけでなく、ふっくらとした食感に仕上がるというメリットもあるようです。
カリフラワーを使ったおすすめレシピ3選
カリフラワーというと温野菜やサラダのイメージがありますが、ひと手間加えるとよりおいしくなると酒井さん。おすすめの簡単レシピを3つ紹介してくれました。
1.カリフラワーとコーンのカレーチーズ焼き<93kcal>
淡泊な味わいのカリフラワーは、カレー粉やチーズといったコクのある食材との相性が抜群。約10分で簡単に作ることのできる、食べ応えのある副菜です。
2.海老とカリフラワーのスパイス焼き<109kcal>
カリフラワーをしっかり炒めて香ばしさを出すことで、スパイシーなガラムマサラとマッチ。焦げ目がつくくらいに焼き色をつけるのがコツだそう。
3.サクサク!カリフラワーの焼きコロッケ<143kcal>
高カロリーかつ高糖質なコロッケも、みじん切りにしたカリフラワーでカサ増しすればヘルシーに。揚げずに少量の油で焼くのもカロリーダウンのポイントです。
体の免疫機能を高めるためには、栄養バランスを意識して、腸内環境を整えることが欠かせない、と酒井さん。もともと栄養バランスに優れたカリフラワーなら、ひと品加えるだけで免疫アップの働きが期待できます。ぜひ冬の食卓に加えてみてください。
酒井葉子(さかい・ようこ)さん
管理栄養士、東京糖尿病療養指導士。幼少期にアトピー性皮膚炎で悩み、体の内側から見直す必要性を感じて管理栄養士に。大学卒業後は、給食管理業務や医療機関での栄養指導に携わり、現在は保健指導やコラムの執筆に従事している。
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