誰もがかかり得る「がん」。そのなかでも自分の手で触れて見つけられるのが「乳がん」です。

今年も10月1日からの1か月を「ピンクリボン強化月間」として、さまざまな乳がん検診の啓発活動がおこなわれています。乳がんは早期発見、早期治療で高い生存率が見込める病。習慣化したいのが「セルフチェック」です。

今回は乳腺専門クリニック「mammaria tsukiji」院長の尹玲花(いん・れいか)先生にお話を伺いました。

大切なのは「セルフチェックの習慣化」

健康診断などで乳がんのセルフチェック方法を教わったことがあります。なぜ検診を受けるだけではダメなのでしょうか?

「通常、自治体で補助される検診は2年毎、職場の健診などで受ける場合も1年毎になることが多いと思います。乳がん発見のためにはその頻度でも十分ではありますが、やはり自分の体の変化は自分が一番気づきやすいもの。普段から乳腺の状態を知っておき、異常があるときに気づきやすくするためにも、セルフチェックを習慣化しておくことが大切です。そして、心配な症状があるときに相談しやすい医療機関を見つけておくことも、万が一のときに慌てなくて良いですよ」(尹先生)

早期がんほど治癒率が高いので、早期発見に越したことはありません。1日でも早く異常を見つけるためにも、セルフチェックを習慣化しておきましょう

見落としやすい部分もしっかりチェック

基本の乳がんセルフチェック方法

イラスト:中村佐知絵

1. 両腕を下げた状態で乳房の形を鏡でチェック。つぎに両腕を上げ、くぼみやひきつれ、乳首のへこみ、湿疹のようなただれがないかをチェック。

イラスト:中村佐知絵

2. 乳房が平均的に広がるように寝て、あおむけでチェック。指の腹で圧迫するように乳房や脇の下を触れ、固く小さなしこりがないかどうかチェック。

「立ったままのセルフチェックでは乳房の下方(厚みがある部位)のしこりを触れにくくなるため注意しましょう。乳房のふくらみがある部分だけではなく、鎖骨の下や脇の下まで広範囲に乳腺は広がっているので、くまなくチェックしてみてください。また乳頭すぐ下にできる腫瘤は表面から触れにくいこともありますので、指先で乳頭部つけ根の硬さの左右差を比べてみることも忘れずに」(尹先生)

セルフチェックを毎月欠かさないために

生理前は乳房が張ってしまう人が多いので、生理後~排卵期までの期間がセルフチェックには最適とのことです(人によっては排卵期にも乳房に張りや痛みが強い場合もあります)。

多くの人は、毎月定期的に生理が来るはず。「生理終了後3日目くらい=セルフチェックの日」などと決めておけば、毎月欠かさずセルフチェックすることができます。自分だけがわかるよう、手帳に小さなシールなどを貼って目印をつけておくのもおすすめ。毎月おこなうことで必ず習慣化することができ、自分の乳房の状態を把握することができます。

──この記事は、 2018年1月22日の記事を再編集して掲載しています。

mammaria tsukiji, ピンクリボンフェスティバルPR事務局

取材・文/ 横山かおり

Image via Shutterstock

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