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ただの生理痛、婦人科に行くべき? 婦人科医の探し方は?

2021/06/18 18:00 投稿

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自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。今回は「婦人科を受診する目安と探し方」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

つらい生理のチェックポイントは

生理のときに起きる、腹痛、腰痛、頭痛。いつものことだから仕方がないとあきらめていませんか?

自分の生理痛は、異常なのかどうか?」と心配になったり、「どの程度なら病院に行くべき?」と迷ったりすることもあるでしょう。そこで、今回は正常な生理と、婦人科に行くべき生理痛の見極め方をまとめました。

「生理痛がつらい……」と思ったら、次の項目をチェックしてみてください。

その生理痛、婦人科に行くべき?

・生理痛で仕事や生活に支障が出る(例:鎮痛剤が手放せない、学校や会社を休んでしまう、寝こんでしまうなど)
・セックスのときに、奥のほうが痛む
・排便のときに痛みがある
・生理のとき以外で、下腹部が痛むことがある
・生理のときに飲む鎮痛剤の量が以前より増えた
・なかなか妊娠しない

ひとつでもあてはまる項目があれば、婦人科に行ったほうがよい生理痛です。これらの症状がある場合、月経困難症、子宮内膜症といった病気がある可能性が高いからです。婦人科に行く際は、これらの症状をメモして、医師に伝えましょう。

※参考:JECIE子宮内膜症情報ステーション

出血量や周期など、痛み以外の見極め方

痛み以外にも、気になる生理の症状はあると思います。

月経困難症や子宮内膜症をともなう生理痛だけではなく、「出血の量が多い」「生理不順がある」など、「生理の異常」の見極めポイントをまとめてみます。

異常な生理をチェックするポイントは、おもに「量」「痛み」「期間」「周期」の4つです。

生理の4つの見極めポイント

生理の量の見極め
・ナプキンの交換が間に合わず、服を汚す
・昼間でも「夜用」ナプキンを使う日がある
・「昼用」ナプキンだと2~3時間もたない
・タンポンとナプキンを両方使っている
・「夜用」ナプキンでも夜中にナプキンを取り替える、布団を汚すことがある
・レバーのようなかたまりが出る
・出血量が少なすぎる(ナプキンを1日1~2回しか替えなくて済んでしまう)

生理の痛み
・生理のたびに、痛み止めを飲んでいる
・痛み止めを飲んでも効かないことがある
・去年より今年は、痛みがひどくなってきている

生理期間
・生理が1−2日で終わる。もしくは8日以上続く
・生理でないのに、出血することがある

生理周期
・生理周期が25日より短い、もしくは38日より長い

これらの項目がひとつでも当てはまったら、異常な生理の可能性があります。背後に病気が隠れていないか、婦人科でチェックしてもらいましょう。もし、異常な生理痛なら、婦人科で治療すれば、改善できることが多いのです。

婦人科の診察は痛くない? 内診は絶対に受けるもの?

生理の不安があったとしても、「恥ずかしい」「検査が痛いのでは?」と婦人科に行くハードルが高い人もいると思います。でも実際は、婦人科の医師たちもさまざまな工夫をしてくれています。

婦人科にかかったことのない女性には、すぐに検査をするのではなく、まず問診でその人の悩みや不安点を聞き取ることを大事にする婦人科医も少なくありません。そのような場合、丁寧な問診をしたあと、症状によって検査の内容を組み立てます。

内診や経腟超音波、血液検査などがおもな検査ですが、セックスの経験がない人には、腟からではなく、おなかの上からの超音波検査も選べます。

症状によりますが、内診が怖いと思っている人に、最初から内診をおこなうようなことはせず、ほかの検査をして様子を見ることもできます。

「検査はしたくない。まずは相談だけしたい」という希望があれば、それも言ってみてください。可能な場合も少なくありません。「異常な生理かもしれない」と不安に思ったら、一度、婦人科で相談をしてみることです。

診察料は、初診の場合で超音波などの検査をおこなって、およそ2,000~3,000円(健康保険3割負担の場合)といわれています。

婦人科で「異常なし」だとがっかり? でも……

「せっかく婦人科を受診して検査をしても異常なしだったことがあって、がっかり…」という人のことも聞きました。

でも、婦人科を受診して、病気がなかったとしても、その時点で「異常なかった」という記録を残すことができます。これはとても大事なこと。記録があれば、次に異常があったときに、「あの時点では異常はなかった。それ以降に起きた異常だ」ということがわかり、大事なデータになるのです。

また、今は病気がなかったとしても、生理痛がある人は、将来、子宮内膜症になるリスクが高いこともわかってきています。もしものときに備える心構えや、そうならないためのアドバイスを聞いておくことは、予防にも繋がると思います。

それに、背後に隠れた病気がなくても、痛み自体が治療の対象になることも知ってください。つらい痛みは、病気の有無にかかわらず、治療で改善できることが多いのです。

生理は、わかりやすい心と体の健康の指標です。健康と美容のためにも、我慢するのはやめて快適に過ごしましょう。

婦人科のマイドクター、どうやって探す?  

生理痛や生理の異常について、丁寧に相談にのってもらえるクリニックをどう探したらいいかのご相談がよく寄せられます。

まずは、生理の異常の不安に寄り添って、味方になってくれる全国の婦人科医リストがあるサイトを紹介します。

こうしたサイトで最寄りの婦人科を見つけて、まずは受診してみてください。万が一、相性が合わないと感じたら、そこで婦人科をあきらめずに、リストのほかの婦人科で通えそうなところがあれば、もう1~2か所は行ってみてください

また、自治体の婦人科検診の機会などでも、自分のかかりつけ医になってくれそうな婦人科を探してみるといいと思います。

女性は、かかりつけの婦人科医をもっておくことは、将来に渡ってとても大事だと思います。自分の健康の相談先にもなるし、妊娠したくなったとき、産後のケア、更年期の相談にものってもらえるからです。

婦人科医は、女性の体と健康のプロフェッショナル。美容院や美容サロンと同じように、プロをパートナーに持つ意味を感じられたらいいですね。

全国の婦人科医の検索サイト

●「特定非営利活動法人 日本子宮内膜症啓発会議(Japan Enlightenment Committee In Endometriosis)」通称、JECIE (ジェシー)産婦人科医会員リスト
●厚生労働省研究班作成「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」病院検索
「生理のミカタ」婦人科検索

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増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。 新刊『もう我慢しない! おしもの悩み 40代からの女の選択』(オークラ出版)ほか、『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)など著書多数。 NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ

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