こんなときは、自分をいたわることを暮らしのリズムに取り入れるのが一番。『ストレスフリーになる休息のヨガ』(大和書房)から、日々のストレスを解放するヒントをご紹介します。
「ここは安全で、私の体は平和」
著者のサントーシマ香さん本書の著者は、ムーンサイクルヨガ、ヨガニードラ(眠りのヨガ)などを中心に、ヨガ講師の育成やオンラインヨガの配信をおこなうサントーシマ香さん。ヨガ初心者でもできるやさしいポーズを通して、みずみずしい呼吸をすること、不必要な筋肉の緊張をとること、意外に難しい「ただ休む」ことの大切さを教えてくれています。
いろいろ気になることもありますが、心身をチャージするヨガを練習する時間は、意識的に自分の考えをオフラインにしておやすみをあげましょう。そして、「今・ここ」で自分が体験している感覚をただ感じ取ることに資源を注力します。重低音で鳴り響く「早くやらなくちゃ、もっともっと」と焦ってしまいがちな人こそ、「ここは安全で、私の体は平和。ただ休もう」と、セルフトークを試してみてください。
(『ストレスフリーになる休息のヨガ』15ページより引用)
ヨガをやってみたいけれど、体が硬くて……という人にも本書はぴったり。ポーズを正確にとることよりも、ゆったりとした呼吸やくつろぎの感覚を味わうことに焦点が置かれているので、自分なりの気持ちよさを探すことに集中できるからです。
プロップに体を預けて緊張をほどく
本書の特徴のひとつは、クッションやタオル、壁などを「プロップ(補助具)」として使うポーズがたくさん紹介されていること。ボルスターという細長い長方形のヨガ用クッションや、体を支えるヨガブロックに加えて、ふつうのクッションや毛布、壁、アイピローなども活用されています。
道具がいるというと、ヨガ初心者には少しハードルが高いように思えます。でも実際にやってみると、プロップを使うことで体に負担をかけずに、ラクに深いポーズがとれることに驚かされました。
私自身は体が硬く、いつもはヨガをすると体の痛みや、ひじ、ひざ、かかとなどが圧迫される感じが気になってしまいます。
ところが本書のポーズだと、「当たる部分」をプロップがカバーしてくれるので、体が気持ち良く伸びてリラックスできるのです。柔らかいクッションに背中を預けたり、抱きしめたりしながらポーズをとることで、気持ちが和むというメリットもあるのかもしれません。
ただ「休む」ことにも練習がいる
はっとさせられたのは、「ただよりかかる、休む」ことにも練習が必要だと書かれていたことです。
最低限の努力でOKな自分がいることを知る練習でもあり、何かによりかかることのレッスンでもあります。いつものクセで必要のない力を入れている自分に気づいたら、ゆらゆら揺らしてみたり、吸う息をそのエリアに招待し、吐く息とともに余計な力みを抜いてみると、また新しい自分に出会うかもしれません。
(『ストレスフリーになる休息のヨガ』77ページより引用)
壁の近くに横たわり、壁に足の裏を押し当ててスクワットをしたり、開脚して左右の脚を壁に押しつけるようにしたり。
重力と壁からくる反発に身を任せながらポーズをとると、自分の体だけでトレーニングしていたときとは違う“ラクなのに効いている”感覚や、体が芯から伸びるような気持ちよさを味わうことができました。
自分の人生における最重要人物が自分自身であることを認め、まず体を大切に扱うこと、「ああ、気持ちがいいなぁ」と呼吸が深まることで心をいたわることを、コツコツ積極的に続けてみましょう。
(『ストレスフリーになる休息のヨガ』11ページより引用)
サントーシマ香さんのゆったりとした文章のリズム、写真や装丁の美しさも本書の魅力。心と体が疲れたときに、ふとページをめくりたくなる一冊です。
休息が必要と感じているあなたに
1,540円
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ならなかったんだよなあ(ストレスフリー)