「ダイエットや自分磨きに甘いものを我慢する必要はない」という思いを同世代の女性たちを中心に広く発信する彼女は、MYLOHASが今後も注目していきたい人です。
Lilyさんのゆく年くる年、「Hello 2021, Thanks 2020」を聞きました。
スーパーフードマイスターのLilyさんすべてを一から考え直した2020年
2020年、お仕事ではどんな年でしたか?
仕事では、すべてを一から考え直し、知らない間に方向転換できた年だと思います。
ケータリングや料理イベントなど、去年まで行っていたサービスが提供できなくなり、「どうすれば届けたい人に届けることができるのか」「何であれば届けられるのか」と、手段を考え直すように。そして同時に、より効率のよい方法を生み出すきっかけにもなりました。
今までは自ら一から作り、発信することしかしてきませんでしたが、2020年はすでにあるもの(サービス・人・商品)の価値を、より多くの人に届けるような仕事も自然とするようになりました。
あとは、コロナ禍で一週間後がどうなっているかわからない状態。万が一を想定して、活動のすべてをオンラインにしました。
ないものを嘆かない。あるものを最大限に活用する
Lilyさん考案のスイーツ(2019年8月6日掲載「砂糖なしでも甘い! 超簡単&ヘルシーな『ナッツ入りチョコがけデーツ』より)プライベートではどんな年でしたか?
プライベートでは、大きく2つの変化がありました。
ひとつは、自分が関係を持ちたい人が誰なのか、これがクリアになりましたね。友達や仕事関係ではもちろんですが、特に個人的に大きかったのが家族の存在。この大切さに気がつきました。
私はこれまで、常に外で忙しくしているタイプで、とくに家族によい思いも抱いていませんでした。ですが3月以降、誰とも会わない生活が始まり、家族と24時間一緒にいなければいけない、という生活が始まりました。
家族と向き合うようになり、なぜ自分が家族に対して疎外感を感じていたかなども分析。そうしたら、これまで私が一方的に避けて、家族とは合わない、と思い込んでいたことに気がつきました。それから一気に仲が深まり、家族ってこんなに素敵なものなのかとやっと気がついたのです。実は2019年が終わるとき、2020年への抱負として、「家族に感謝できるようになる」というのを掲げていたのですが、図らずもクリアできてしまいました。
そしてもうひとつは、工夫できるようになったことです。
家から出られない、誰とも会えない期間があったおかげで、できる範囲内で楽しむ方法を生み出せるようになった気がします。
「ないもの、得られないものを嘆くのではなく、今あるものを最大限に活用して新しいことをしよう。何でもできる」
確実にそういう考え方にシフトできたと思います。これはプライベートだけでなく、仕事にも良い影響を与えてくれました。
外出自粛中の真っ只中に考案してくれたクレープ(2020年5月3日公開「罪悪感なし! グルテンフリーな『米粉』を使ったクレープレシピ」より)コロナ渦中だったから感じられた周囲の人たちの愛
そのほか、2020年にLilyさんの心を動かしたことを教えてください
本当に小さなことに対してもうれしさや感動を覚えてしまうのでたくさんありすぎます(笑)。
きれいな空、友達と会えること、おばあちゃんの顔をzoomで見られること。あと、スタバで座っていられることさえも(笑)。
でもいちばんと言われたら、私の誕生日です。今年、ハタチになりました。
コロナ禍がやってくなんて知る由もなかった1年前は、「今までお世話になった人たちをみんな呼んで、感謝と愛を伝えよう。ぶち上げるぞー!」なんて気でいましたが、そんなことはできるわけもなく……。バースデーは8月だったので落ち着いてきてはいましたが、私の誕生会を感染源にしたくはなかったので、もちろんパーティは諦めることに。そうしたら親友が、「ふたりだし、テラス席ならいいんじゃない?」と、ディナーを予約してくれたんです。
それだけでも本当にうれしかったんですが、話はここで終わりません。
当日、久々の外出にドレスアップして、メイクも気持ち濃くして、駅で待ち合わせしてレストランへ。着いたのは、ホテルの屋上にある夜景の綺麗なテラス席。景色に感動していたら、目の前にもう一人の親友が現れたんです。本当にびっくりしました。久しぶりに3人が揃って、本当にうれしかった。
二十歳の誕生日に親友たちとさらに、夜空に放たれる東京タワーの真っ赤な光を見ながら話していたら、私の元にケーキが。同時に一人の友達が iPhoneを取り出して、私に差し出しました。「今、みんなでこの場でリリーをお祝いすることはできないけど、みんなLilyのことを思っているんだよ!」という言葉とともに。
私は何のことかわからずぽかんとしていましたが、友達がiPhoneの再生ボタンを押した瞬間、目の前の画面がぼやけるほどの涙が。中学の友達、高校の友達と先生、大学の友達からのバースデーメッセージを集めて、動画を作ってくれていたんです。
わざわざビデオを撮って送ってくれたみんな、そしてこれを企画してくれた親友の愛を感じました。本当に。今こうやって思い出しながら書いているだけで、ウルウルしてきます(笑)。
コロナ渦中の誕生日だったからこそもらえた、最高の誕生日プレゼントだったと思います(自慢話ですね、ごめんなさい。笑)
2021年は「量より質」と「ほどほど」をキーワードに
2021年に心がけたいこと
一つひとつのことを丁寧に、愛を持って行っていきたいです。簡単にいうと「量より質」という感じ!
できる限り多くのプロジェクトを掛け持ちするのではなく、本当に共感できるプロジェクトを数個。何人と関わりを持つかではなく、どういう人と関わりを持つか。いくつ服を持つかではなく、どんな服を持つか。
小さなことでも大きな愛を持って行っていきます。
連載では栄養をしっかりとれるレシピをたくさん紹介してくれた(2019年6月4日公開「1/2日分の野菜が摂れる! 栄養満点ヘルシー簡単オムレツ」より)2021年、健康のためにやっていくことは?
とても基本的なことですが、健康のためになることを「ほどほどに」行いたいと思っています。
ヘルシーな食事、十分な睡眠、ワークアウト、良好な人間関係、心地よい環境、全部揃って健康と言えると思うのですが、それをほどほどにやっていく感じです。
普段はスーパーフードや質を意識した食事をするけれど、週1、2回くらいは夜中のアイスクリームもOK。睡眠は7時間以上とって早寝早起きを心がけるけど、たまには徹夜も。自分を追い込むワークアウトもするけど、外に出る気分じゃなければストレッチだけ、といったふうに。
完璧を目指すといつかどこかで限界がきちゃうんです。
三日坊主って、そうですよね。自分に甘いんじゃなくって、自分に厳しすぎるから3日間で終わっちゃうんだと思います。私は完璧なものを3日間で終わりにするより、80%を死ぬまで続けたいと思っています。
2021年もヘルシーでおいしいものを作っていきます
2020年に作ったものでいちばん心に残っているものは?
10月に作ったイチジクとデーツのパウンドケーキ! 秋を感じられるスイーツを届けたくて考えた、大好きなイチジクとくるみをふんだんに使ったレシピです。いつも数回試作を重ねて完成するのですが、今回はなんと1回目で最高のレシピができあがりました。
「イチジクとデーツのパウンドケーキ」インスタグラムに載せると、実際にたくさんの方が作ってくださり、「これがヘルシーだなんて信じられない!」といったメッセージを多くいただきました。ケーキの出来ばえはもちろんですが、インスタグラムでレシピを発信していてよかったな、と心から思えたという点でも印象に残っています。
Lilyさんの活動を楽しみにしている読者にメッセージを
とにかく「楽しみにしていて!!!!!」と伝えたいです。
インスタグラムでもまだ一切触れていないのですが、2年間かけて作ってきたものがようやく形になりそうです。詳細は言えないのですが、毎日コツコツ頑張っているところです。
早く多くの人に届けたいので、私自身もとっても楽しみです。そして、みなさんにも楽しみに待っていてほしいです!
(宣言したからには絶対に形にさせないと……笑)
「リリーさんからパワーをもらっています!」と言ってくれる方がいらっしゃいますが、実際はその逆です。皆さんから、私がパワーをいただいています。
Lily(りりー)さん
都内の大学に通いながら、「砂糖不使用のクリーンスイーツ」のレシピ発信やメニュー監修をする、最年少スーパーフードマイスター。「綺麗になりたいならカロリーを減らすのではなく、質を上げなさい」というオーストラリアで学んだコンセプトを元に、「ダイエットや自分磨きに甘いものを我慢する必要はない」ということを発信している。