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セルフケアだけでは口臭は解決しない!? その理由は?

2020/06/19 06:00 投稿

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自分の体をきちんと知ろう! をテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「筋肉の重要性」について、お届けしました。今回は、「口臭ケア」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

40代以降の女性の4人に1人、注意すべき口臭が!

周囲の人が気になるほどの「基準値オーバー」の口臭レベルにある日本人は、およそ8人に1人という調査があります(ブレス・ハザードプロジェクト『口臭白書2019』データ)。

割合を男女で比較すると、基準値をオーバーした人の割合は、男性に比べて女性が2倍以上も多いという結果でした。年代別に見ると、女性40代以上の更年期世代では、約4人に1人が基準値を超える口臭レベルにあることがわかりました。

気になる口臭の原因は?

気になる口臭の原因は何でしょうか? 口臭は大きく分けて2種類に分類することができます。
①生理的口臭
起床時や空腹時、食事の後など一時的に口臭が強くなるもので、時間の経過とともに減少します。
②病的口臭
呼吸器系や消化器系の病気によるものもありますが、多くは歯周病など、口腔内トラブルが原因です。

更年期女性の口臭原因は、女性ホルモンの低下と歯周病菌

女性が男性に比べ、口臭レベルが高いのは、女性に歯周病リスクが高いことが関係しています。

それは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量の低下が、口腔内の血液循環やプラーク中の細菌に影響を与えるからです。女性ホルモンのバランスが崩れることで、歯周組織が変化し、歯周病が悪化する恐れがあるのです。

また、更年期にはドライマウスになりやすく、唾液の量と質が変わることで口臭の原因にもなります。更年期は、膠原病のシェーグレン症候群の発症によるドライマウスや口臭ということもあるため、注意が必要です。

歯周病のリスクをチェックしてみましょう!

歯周病リスクチェックリスト

以下に、当てはまる症状があれば、要注意です。
□ 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
□ 歯磨きをするときに出血する。
□ 歯茎がむずがゆい、痛い。
□ 歯茎が赤く腫れている。
□ 硬いものが噛みにくい。
□ 歯が長くなったような気がする。
□ 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食べ物が挟まる。
□ 口臭が気になる。

上記に3つ当てはまる ⇒ 油断禁物。歯科医院で正しい予防法を教わりましょう。
6つ当てはまる ⇒ 歯周病が進行している可能性があります。
全て当てはまる ⇒ 歯周病の症状がかなり進んでいます。

日本臨床歯周病学会より  

歯磨きによる歯茎から出血は、歯肉炎のサイン

歯磨きのたびに、歯茎から血がにじむのは、プレ歯周病である歯肉炎のサインです。

歯茎が腫れたり、歯が長くなった、という症状が出たときは、歯周病がかなり進行している場合がほとんどです。ただし、注意したいのは、痛みをともなう場合です。口内炎の可能性もありますが、口内炎なら通常1週間程度で治ります。歯茎に白斑や、赤い腫れが見られたら、歯科で口腔がん検診を受けましょう。

歯周病は、歯の汚れであるプラーク(歯垢)が最大の原因です。これは、口臭の原因にもなります。

プラーク中に生きている細菌が産生する酸や毒素によって、歯肉に炎症が起こります。プラークは、時間が経つと石灰化して歯石となり、歯面に強く付着します。歯石は歯肉を刺激して、炎症を悪化させ歯周病へと進みます。

歯周病は、生活習慣病のひとつで、加工食品や軟らかい食物などの食習慣、適合の悪い詰め物や入れ歯、歯ぎしりや噛みしめ、喫煙、ストレス、降圧剤服用の副作用などが原因です。なかでも、食習慣や喫煙との因果関係が深いです。

また、更年期世代は、女性ホルモンのエストロゲンの低下によって、骨粗鬆症などの病気リスクが高まりますが、口腔領域も例外ではありません。エストロゲンの低下は、全身の骨量とともに顎骨の骨量も減少させます。唾液分泌の量が低下し、ドライマウスになりやすく、唾液の質も変わります。

このことから、更年期世代はこれまで以上に、歯周病リスクが高まるのです。

歯磨き回数を増やしただけでは限界が!? 

歯周病には、原因菌があります。セルフケアでは、歯周病菌を除去することが大事。歯周病菌と口臭に、アプローチする歯磨き粉などを選ぶことも大切です。

しかし、セルフケアには限界が。1日2回以下の歯磨きの人と、3回以上歯磨きをする人で、口臭測定をし、口臭の基準値をオーバーした人の割合を比べてみた調査があります。

すると、歯磨き回数が多い「1日3回以上」の人のほうが口臭が強いという結果でした。歯磨き回数と口臭のレベルは、必ずしも一致しなかったのです(ブレス・ハザードプロジェクト『口臭白書2019』データ)。

「病的口臭」の根本解決には“プロのケア”が不可欠

歯周病の予防には、もちろんセルフケアも重要ですが、それだけでは磨き残しが出やすく、予防につながらないことも少なくありません。

定期的に歯科で診察を受け、歯石除去(スケーリングやルートプレーニング)を行うことが大切と言われています。目安は、3か月に1回。歯科で歯のメンテナンスやカウンセリング、ケア方法についての指導を受けることが望ましいとされています。

セルフケアとプロケアの両輪を行うことで、口腔環境は格段に良くなります。

口臭も、その原因となる歯周病も、特に更年期世代の女性はハイリスクです。歯周病になってから慌てて歯科に駆け込むのではなく、歯周病にならないよう予防のために、定期的なプロケアに通うことが重要です。

●全国の歯周病専門医リストはこちらから http://www.perio.jp/roster/

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増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ

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コメント

胃だよ胃。

No.1 52ヶ月前
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