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高血圧を放っておくと、動脈硬化、脳卒中、腎障害、さらには早期の認知機能低下や認知症を引き起こす可能性もあります。しかし、ほとんどの高血圧になっている人は、自分が高血圧になっていることに気づいていないのです。

前回に引き続き、高血圧の最も一般的な原因と、それに対処して正常血圧に戻す方法について説明します。

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4.常にストレスにさらされている

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進化の観点から見ると、人はコルチゾールアドレナリンなどのストレスホルモンを血液中に放出し、危険から逃れています(戦ったり、逃げたりするのです)。「こうしたホルモンによって心拍数や血圧を上げて、血管を収縮させ、瞳孔を開き、すばやい思考や行動を可能としている」とマンハッタン循環器科心臓病専門医アムノン・ベニアミノヴィッツ医師は解説します。

過去には、ストレスの多い出来事は通常は短時間で済んでました。しかし、今日、容赦のない仕事量、こなしきれないスケジュール、複雑な対人関係、さらにはソーシャルメディアでさえも、ストレスホルモン放出の引き金となる慢性的ストレスの元に

しかし、昔とは異なり、時間的な猶予はなく、恒常的になり、血圧上昇が続くことになってしまっているのです。ある研究では、週に41時間以上、仕事にかかりきりになると、高血圧のリスクが17%上昇すると判明しています。

血圧を正常にする方法:瞑想やヨガでリラックスを

「身体活動は、ストレスホルモンのレベルを下げ、ストレスホルモンの血圧への悪影響を最小限にするために最も効果的な方法のひとつ」とベニアミノヴィッツ医師は説明します。深呼吸、瞑想、ヨガなどのマインドフルネスの実践、または本を読んだり、趣味の音楽を聞いたりすることでも、ストレスホルモンを抑制可能。

また、仕事用メールを常時チェックするなどの活動から距離を置いた方がよい場合も。「自分自身と慢性ストレスの引き金を知り、ストレスや不安を増す状況からどのようにして逃れることができるかを知る必要があります」と、ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルス助教、心臓病専門医のローレンス・フィリップス医師。

5. 孤独、または社会的に孤立していると感じている

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「孤独感や社会的な孤立を経験したからといって必ずしもストレスを感じるとは限りません。しかし、孤独感や社会的な孤立の感情が延々と続くと、血圧を急上昇させるストレスホルモンが同じように放出する危険があるのです」と、ベニアミノヴィッツ医師は言います。

言うまでもなく、長引く孤独感はうつ病と関連します。そして、うつ病、その後の体重増加は、血圧上昇との相関関係があると、研究に述べられています。

血圧を正常にする方法:友達との関係を保つ

「私たちは社会的な存在であり、生きていくために一定の社会的な相互作用を必要とするのです」とベニアミノヴィッツ医師。

しかし、外向的になるのが難しいと思えるなら、最初は小さいことから試してみましょう。友だちに、「今、どうしている?」と簡単なメッセージを送信するなど。

6. 睡眠時無呼吸がある(または、いびきをかいていると言われる)

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「一般に、睡眠不足になると、高血圧につながってきます。ストレスホルモンが増えたり、ジャンクフード(お菓子、インスタント食品、清涼飲料水などのこと)を食べたい気持ちが強まったりして、体重を増やしてしまうためです」と、ベニアミノヴィッツ医師は説明します。

しかし、睡眠に関連して起こる高血圧の最大の要因は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)。これは上気道の閉塞が起きて睡眠中の呼吸が短時間停止する病気です。

「肥満度が高くなるほど、閉塞性睡眠時無呼吸になる人は増えます。閉塞性睡眠時無呼吸になると、睡眠不足になり、体内の酸素レベルも低下。そうすると体は血圧を上げようとしてしまうのです」とフィリップス医師。

実際、高血圧のある人のおおむね半数が閉塞性睡眠時無呼吸にもかかっていると推定されています。睡眠時無呼吸の兆候は、家族の言葉からもわかります。睡眠中にいびきをかいている、普通に就寝しているにもかかわらず疲れ気味といった問題を認識しているならば、要注意。

血圧を正常にする方法:睡眠の専門医(呼吸器内科)に相談を

「閉塞性睡眠時無呼吸が疑われる場合、早々に主治医に相談を。主治医は睡眠試験を行い、酸素濃度を一晩測ることもあります」とフィリップ医師。

閉塞性睡眠時無呼吸と診断された場合、呼吸しやすくするため、夜間に口と鼻に装着する持続陽圧呼吸療法(CPAP)の装置がよく処方されます。

7. 別の病気がある、または別の薬を服用している

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血圧が上がっているとき、主治医は、ほかの病気や障害も考慮することになります。そうした病気や障害がきちんと治療されていないと、血圧が上昇することがあるのです。

例えば、甲状腺の問題、腎血管疾患、クッシング症候群など。「正しい診断によりこうした状態に適切に対応していけるのです。適切な診断が下されると、主治医と協力しながら、症状の改善、治療により、高血圧の治癒につなげられることはよくあります」とベニアミノヴィッツ医師は話します。

さらに、抗うつ薬、充血除去薬、セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)、経口避妊薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、プレドニゾンなど、多くの薬剤が血圧を上昇させる可能性があります。

血圧を正常にする方法:異常と思われる症状を記録しましょう

問診の際、主治医から血圧が高いと指摘された場合には、具合の悪い症状があるならば何でも伝えるのが大切。それが根本的な原因につながるかもしれないからです(例えば、体重増加、疲労、脱毛がある場合には甲状腺機能低下症である可能性が)。現在服用している薬とサプリメントのリストは必ず提示すること。

服用している薬が問題ならば、「理想的には中止したり、血圧に全くあるいはあまり影響を及ぼさない薬に変更されたりするでしょう。薬剤の変更が不可能な場合、主治医は生活習慣の改善、降圧薬の処方をして、使っている薬の効果に対処します」とベニアミノヴィッツ医師は説明します。

8. 高血圧になりやすい家系

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高血圧において遺伝子は重要なファクター。だから、健康に全く問題のないように見える若い人でも高血圧と診断されることがあるのです」と、フィリップス医師が説明する。しかし、多くの場合、高血圧になりやすい家系の人は、高血圧につながりやすい環境も共通していることも多いのです(類似した食事、座りがちな生活習慣など)。この点については改善させることが可能です。

「遺伝子は環境と相互作用することもあります。自分のした選択次第で、そうした関係に影響を及ぼすことは可能。病気になりやすい家系だと、生活習慣を改善させても、高血圧の発症を止められないかもしれません。ですが、生活習慣をよくしていけば、血圧の発症や早期の投薬の必要性を遅らせることができるのです。最適な食事と生活習慣にしていければ、30代~40代で高血圧が発症するところを、60代~70代後半まで遅らせることができます」と、ベニアミノヴィッツ医師は解説します。

血圧を正常にする方法:ここまで示したヒントに従うこと!

特効薬はありません。血圧が高い家系である場合、ここまで示したすべての食事と生活習慣のおすすめ(ホールフードを食べる、体を動かす、ストレスを管理する)の実行を。そして、定期的に血圧をチェックしましょう。

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Stephanie Eckelkamp/8 Common Causes of High Blood Pressure, According to Doctors/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)

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