ベストダイエットと言われる「地中海食」は、食生活にオリーブオイル、新鮮な果物や野菜、脂肪の多い魚、それにたまの赤ワインを取り入れた「ライフスタイル」のこと。
ほんとうに健康によくなければ、長年トップダイエットの座に君臨しつづけることはできません。一時的に流行るダイエットとは違い、地中海食のメリットは、数多くの研究で証明されてきました。今回は、地中海食を取り入れるメリット・デメリットをまとめます。
地中海食の基本/食品リスト/地中海食の始め方は、こちら。
地中海食のメリットは?
心臓の健康
image via shutterstockDASHダイエット(Dietary Approaches to Stop Hypertension)と並び、地中海食もまた、高血圧を予防することで知られています。
10年間にわたり3万人以上の女性を調査した大規模な研究によると、地中海食を食べた女性は、心臓まひ、脳卒中、心不全のリスクが低いという結果が出ています。また、その他の研究では、対象者に地中海食を6か月間試してもらったところ、血圧が下がったことが報告されています。
研究者は、地中海食の食品には、抗酸化物質(新鮮な果物や野菜)に加え、食物繊維(全粒穀物)や不飽和脂肪(魚、ナッツ、オリーブオイル)といった心臓の健康によい栄養素が豊富に含まれることから、このような研究結果が出たと考えています。
がんのリスク
image via shutterstock複数の研究を総合的に分析した2017年の論文によると、地中海沿岸に住む人々は、北欧や米国に比べて、がんのリスクが低いことも分かっています。その結論は食生活の違いでした。
ある研究では、地中海食の食品を多く摂ると、腫瘍細胞の増殖に関連する炎症反応マーカーが低下することが明らかになっています。
ダイエット
image via shutterstockスペイン人の男女1万人以上を5年間追跡した調査によると、地中海食をより多く食べている人は、地中海食をあまり食べていなかった人に比べて、年間の体重増加が少なかったそう(多くの人の中で最も体重増加のリスクは低いと分かりました)。
さらに他の研究でも、地中海食は低脂肪ダイエットと比べて、減量効果が倍近くにもなると判明。研究者は、地中海食は満腹効果のある脂肪や食物繊維を多く摂り、血糖値も安定するからだと説明しています。
2型糖尿病
image via shutterstock2015年の研究分析によると、地中海食は他のどのダイエットよりも、血糖コントロールがうまくいくことが分かっています。
研究者によると、果物や野菜のほか、全粒穀物やナッツにも含まれるポリフェノール(抗酸化作用をもつ植物成分)が、インスリン感受性を改善し、それによって2型糖尿病のリスクが下がっているのではないかと言います。
脳の認知機能
image via shutterstockポリフェノールは脳の健康、特にうつ病によい効果がある可能性があると、多くの研究者が推測しています。ポリフェノールは、抗うつ効果のある脳内の神経伝達物質に影響があるのだそう。
毎日の運動、喫煙、体重管理に加えて、世界保健機関(WHO)は、認知症のリスクを抑える方法として具体的に地中海食を挙げ、「認知機能に対する食事療法として、非常によく研究されている」と推奨しています。
地中海食のデメリットは?
image via shutterstockこれだけ評判も高く、科学的に証明された健康効果があれば、地中海食には何もデメリットはないかのようです。しかし、ゴリンさんによると、他の食事プランと同様に、地中海食にもほどほどにしておきたい食品もあり、人によってはつらくなることもあるそう。
「地中海食では、アルコールや乳製品など制限されている食品もあります。そのため、それらの我慢を重く感じる人もいるかもしれません」とゴリンさんは言います。
また、加工食品に加えて、赤身肉や砂糖入りのデザートも控えた方がよいとされています。もちろん他のダイエットでも制限されるものですが、普段からよく食べていた人は、食べたい気持ちを抑えるのが大変と感じるかもしれません。
野菜をたっぷり食べよう
管理栄養士が教える、ルッコラの健康パワー。クレオパトラも食べていた?
Natalie Rizzo, MS, RD/How the Mediterranean Diet Promotes Weight Loss, Heart Health, and Longevity/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)