米国の情報誌『USニューズ・アンド・ワールド・リポート(U.S. News&World Report)』の医学・医療の専門家からなる審査委員会は、毎年のように、地中海食を最良の健康食(ベストダイエット)のひとつに選んでいます。
また地中海食は、長期的に体重を落とすことができ、心臓の健康や脳の認知機能を向上させ、また糖尿病やがんといった慢性疾患を予防できることが、数多くの研究結果で示されています。
地中海食はカロリー制限などがありませんから、一般的な「ダイエット」には当てはまらないかも。しかしだからといって、単にパスタ、ピザ、フムス(ひよこ豆のディップ)を食べていればよいというわけでもありません。地中海食はどちらかというと、食生活にオリーブオイル、新鮮な果物や野菜、脂肪の多い魚、それにたまの赤ワインを取り入れた「ライフスタイル」と言えます。
ここでは、このベストダイエットに選ばれる食事法を、生活にうまく取り入れるポイントをご紹介します。
地中海食とは?
image via shutterstock食べられるものを制限する他のダイエットとは違い、地中海食は、よりたくさん食べるべき食品を食生活に取り入れる食事法です。
カロリー摂取量の他に、糖質や主要栄養素の摂取量にも特に決まりはありません。健康によい食品を適度な量楽しむだけです(非常にシンプル!)
地中海食の食品リスト
image via shutterstock「地中海食のお買い物リストはいたってシンプル。食品の選択肢は多くて、避けた方がよい食品は少ないのが特徴です」とニューヨークシティーでエイミー・ゴリン・ニュートリションを経営するエイミー・ゴリンさん(理学修士で管理栄養士)は言います。究極的には、野菜中心の食生活に、たまに魚のほか、鶏肉や乳製品を足す食事法だと考えるとよいでしょう。
たっぷり食べたい食品:
色とりどりの果物や野菜 魚や海鮮類を少なくとも週に2回 オリーブオイル ナッツ類 豆類 玄米、キヌア、オーツ麦などの全粒穀物 新鮮なハーブ適度に食べたい食品:
鶏肉や卵 牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品 赤ワイン(女性は1日1杯、男性は1日2杯まで)食べるのを控えたい食品:
精製された穀物や油 赤身肉や加工肉 加工食品 甘いパンやお菓子など糖分を多く含むもの地中海食の始め方
image via shutterstock地中海食の献立メニューを考えるときには、柔軟に考えてやってみることをゴリンさんはすすめます。
ワイルドブルーベリーなど、色合いのよい食材を試してみるのもひとつ。「ワイルドブルーベリーには、アントシアニンが多く含まれます。アントシアニンには抗酸化作用があり、認知機能を高めてくれる効果が。またがん細胞を抑制し、悪玉コレステロールの値を下げる作用もあります」(ゴリンさん)。
またゴリンさんは魚を少なくとも週に2回は食べるようにすすめます。「サーモン、いわし、ニシンといった脂肪の多い魚には、オメガ3系脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれ、心疾患のリスクを下げてくれます」とゴリンさん。地中海食に欠かせない食材をうまく取り入れた献立メニューをご紹介します。
朝食:スムージー(ブルーベリー1カップ、バナナ1/2本、ギリシャヨーグルト1/2カップ、ナッツバター大さじ1) 昼食:ブッダボウル(レンズ豆1/2カップ、数種類のカラフルな野菜1~2カップ、ひよこ豆1/2カップ、アボカド1/3、オリーブオイルとレモン汁をふりかける) おやつ:フムス大さじ1~2、パプリカやニンジンのスティック 夕食: サーモンのグリル約100g、玄米1/2カップ、大さじ1のオリーブオイルで炒めたケール デザート:ダークチョコレート30g、ナッツ30g次回の『Prevention』記事に続きます。
地中海食をはじめたいなら
Natalie Rizzo, MS, RD/How the Mediterranean Diet Promotes Weight Loss, Heart Health, and Longevity/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
コメント
コメントを書く