マンモグラフィの後に何も異常は見られなかったと伝えられていても、実際に検査結果を受け取るときには、なんだか不安な気持ちになってしまうもの。
検査結果にずらりと並ぶ、あまり聞いたこともない専門用語の数々。なぜならそれは医師間のコミュニケーションのための報告書であって、一般用には書かれていないからです。なので、意味がわからないとつい「なんだか悪いことみたいだな」「きっと何か悪いに違いない」「絶対に何か悪いんだ」とどんどん不安が膨らんで行ってしまうもの。
例えば「ネガティブ(陰性)」という用語があります。人生においてネガティブは普通悪いことです。しかし医学の分野では、「ネガティブ」は、悪いことが何も見つからなかったというよい意味(しかし陰性の検査結果を受け取った後でも、もしこれまでになかったしこりがあれば、すぐに医師の診察を)。
マンモグラフィの検査画像の判断は、完全に放射線科医に委ねられています。しかし、よく使われる専門用語を自分も知っておくと、何かと役に立つもの。これらは表現的用語であって、がんを指摘する診断ではないことを覚えておきます。乳がんの確定診断は、生体検査(生検、バイオプシー)でのみ可能だからです。
ここでは、検査結果に記載されている7つの専門用語を解説します。放射線科医は、これらの検査結果に基づき、BI-RADS(乳がん画像診断システム)を使用して、全体の印象や、もし懸念事項があればそれを医師に報告します。
乳腺濃度
image via shutterstock乳房に占める脂肪組織と比較した線維組織と腺組織の割合を示します。脂肪組織の部分が少ないと、「乳腺濃度が高い」と表現します。高濃度乳腺は多くの女性に見られ、異常な状態ではありません。しかし、乳腺が多いと腫瘤が隠れて見えにくくなる可能性があるため、乳がんのリスクが高くなる可能性も。なので、その対応として、超音波検査やMRIを追加で受ける場合があります。
局所的非対称性陰影
局所的非対称性陰影これは単に撮影時に左右の乳房のポジショニングが異なっていたり、そもそも女性の乳房の形は左右非対称なことが多いので、このような結果が出てしまいます。乳腺か腫瘤か判断がつかず、検査に再度呼びもどされたとしても、正常範囲の左右差である場合がほとんどです。
構築の乱れ
局所的非対称性陰影腫瘤とは判断されませんが、乳房組織が正常でないものを示します。放射線科医は検査画像から、乳腺構築の乱れの程度を診断します。
石灰化
局所的非対称性陰影カルシウム成分が沈着したと考えられる部分が明るく白い点状に画像で出ます。多くは良性で腫瘍を示すものではありません。
微小石灰化
image via shutterstock小さいカルシウム成分の塊はがんが疑われ生検が必要ですが(一般的に乳管石灰化は生検が必要です)、これが見られたから乳がんであるというわけではありません。
腫瘤・しこり
image via shutterstock聞こえは怖いですが、これらの用語もがんを指摘する診断ではありません。腫瘤(しゅよう)は増殖した組織、単にそれだけです (外反母趾などで足にできるバニオンもしこりの一種ですが、つま先のがんではありません) 。
例えば乳腺線維腺腫は、よくみられる良性の線維腫のひとつ。石灰化した腫瘤もそのほとんどが良性です。しかし、気がかりなしこりも当然ながらあります。
スピキュラを伴う腫瘤
image via shutterstock80%近く(ですが100%ではありません)の確率で、このタイプの腫瘤はがんです。生検が必要とされます。検査結果にこのような記載があれば、心配になって当然ですが、このタイプの腫瘤は触診では発見されにくく、マンモグラフィで発見できたことを喜ぶべきなのです。生検でがんが発見されたとしても、早期に発見し切除することが、治癒への確実な道です。
本記事は、2019年10月に『Prevention』に掲載されたものです。
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Lauren Streicher, MD/What Your Mammogram Results Actually Mean, According to a Doctor /STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
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