心臓発作といって頭に思い浮かぶのは、胸を握りしめ意識を失うような呼吸で地面に倒れていく姿。でも、イメージとは違って、心臓発作は女性の場合、ちょっとした症状しか現れず治療されないことも多いのです。
心臓発作は男性の方がなりやすいと考えられていますが、アメリカ疾病対策センター（CDC）によると、男性と女性の1番の死因は心臓病。女性の約4分の1が心臓病で亡くなっているのです。
女性にとっても心臓発作は大きな問題となります。「女性は心臓発作に気づかないので、何か他の原因を考えてしまうことがわかっています」と、ノースウエスタン病院の心臓病学准教授で医師のマリア・メンデルソン医師。
女性は心臓発作に気づきくい。そのために知っておきたいこと
心臓発作の症状に気づくために、覚えておきたいのは心臓発作のしくみ。
「心臓の動脈から心筋に十分な血液を送り込めないときに、心臓発作が起こります。多くの場合、動脈に蓄積されたプラーク（粥腫）による動脈硬化が原因です」と説明するのは、ジョンズ・ホプキンス病院の予防心臓病学副所長のエリン・ドネリー・ミコス医師。
「時間とともにプラークは蓄積します。心臓発作が起こるのは、このプラークが突然壊れたとき。プラークが壊れて、血栓になって、心臓の動脈に流れる血液を完全にせき止めてしまうことがあるのです」とミコス医師は説明します。
動脈に遮断または閉塞が起こると心筋の死滅が始まります。「心筋がいったん死んでしまうと回復しないため、心臓発作は緊急事態。時間の経過が、心筋の死滅につながるのです」とミコス医師。
女性が経験する心臓発作のちょっとした症状に気づくことが重要。心臓発作に注意すべきいくつかの症状を紹介します。
心臓発作に注意すべき症状
1. 消化不良
心臓は胃の上にあるので、心臓発作の症状が現れているのに、消化不良と感じてしまう人もいます。残念なことに、いままでには、医療の現場でも同じ間違いがありました。
メンデルソン医師は、「1991年に、胸の痛みで緊急治療室に運ばれてきた女性と男性が、違う治療を受けることが研究で示されたことがありました。女性は制酸薬（胃酸を中和する薬）を処方されて帰宅しているのに対して、男性はカテーテル検査（心臓のどこが悪いのか調べる検査）を受けることになるというのです」と話します。
今では医学が大きく進歩して、女性の心臓病についての意識も高まっていますが、女性が胃の痛みを感じたときに、消化不良を心臓発作とはなかなか見なせないかもしれません。
「消化不良があるために制酸薬（胃酸を中和する薬）を服用しながら、家で治そうとしている女性がいます」とメンデルソン医師。もし普段とは違う消化不良や、数分を超えて続く消化不良を経験したなら、すぐに医師の診察を受けるとよいかもしれません。
2. あごと背中の痛み
痛みの感じ方と痛みの閾値は、人それぞれ。胸の痛みを、あごや背中からの痛みと感じる人もいるそうです。
「これは心臓発作だけの話ではなく、症状の気づき方の問題です」（メンデルソン医師）。
3. 胸やけ
消化不良に似ていますが、心臓の位置から、心臓発作の症状を胸やけと思う人もいます。
「胃の上にある食道の右側が心臓。なので、胸やけを心臓発作の症状と感じたり、心臓発作の症状を胸やけと感じたりするのです」と、ミコス医師。
大切なことは時間の経過。ミコス医師は「症状が5～7分続き、座ったり休んだりしても収まらず、今までに経験したことのない初めての感じる突然の症状であれば、心臓発作かもしれません」と説明します。
明晩の『Prevention』に続きます。
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Brielle Gregory/7 Subtle Heart Attack Symptoms Women Should Never Ignore/STELLA MEDIX Ltd.（翻訳）
