「コート上で夢見てきたことはすべてやり遂げました。いつも自分に言い聞かせてきたのです。時がきて、テニスを離れてもっとやりたいことが出てきたら、それをやるべきなのだと」
ウォズニアッキ選手は続けて、「人生にはコートの外で成し遂げたいことがもっとたくさんあると気づいた」と投稿。とりわけ、夫との新しい家族生活をスタートさせたほか、最近自身が診断された関節リウマチについて啓発活動を支援したいそう。
この投稿をInstagramで見るCaroline Wozniacki(@carowozniacki)がシェアした投稿 - 2019年12月月6日午前5時31分PST
『People』誌のインタビューでは、関節リウマチが「妨げ」になってはいないとコメント。「難しくなったこともあるけれど、とっても調子のいい毎日。何でもできるような気分だし、この病気を抱えたままメジャータイトルを獲得してきたのだから。関節リウマチを言い訳にしたいと思ったことは一度もありません」
関節リウマチってどんな病気なの?
image via shutterstock米国リウマチ学会(ACR)によると、関節リウマチは自己免疫疾患。免疫系が間違って自身の関節を攻撃してしまい、そのために痛みと腫れが起きます。また、大人になって関節リウマチと診断されるのは決して珍しくなく、30〜50歳の間に診断されるケースが多いそうです。
関節リウマチは、一般的に年齢による磨耗や傷みのせいで関節に炎症が起きる「変形性関節症(骨関節炎)」とは別の病気です。
米国の非営利団体「関節炎財団(Arthritis Foundation)」によると、関節リウマチでは関節を取り囲んでいる「滑膜(かつまく)」という組織が影響を受けます。この影響がさらに皮膚まで及ぶ場合もあるほか、肺や眼球の白い部位に炎症が起きる、心臓に「プラーク」と呼ばれる固まりが蓄積する、血管がダメージを受けるといった事態につながる可能性もあります。
どんな症状があるの?
image via shutterstock症状の重さによっては、明らかに日常生活の負担になります。「関節がひどく痛んで腫れることがあり、一部の関節だけだったり、多くの関節だったりします。そのため関節が弱ってしまうのです」と、マーシー医療センター(メリーランド州ボルティモア)のリウマチ専門医、サディア・カーン医師。
でも、症状はひとりひとり違うよう。カリフォルニア州オレンジコースト医療センターでメモリアルケア関節置換センターのメディカルディレクターを務める整形外科医、ティモシー・ギブソン医師によると、「軽いケースもありますし、とても激しいケースもあります。一般的には腰、ひざ、手首、指に、慢性的な痛み、腫れ、こわばりが起こります」
症状がある場合、普通は1日の終わりに、たいていは激しく使った関節にこわばりを感じますとカーン医師。ですから、ジョギングなどをした後は、ひざとくるぶしの具合が悪くなって、腫れるかもしれません。
関節リウマチの治療で副作用が出ることも。「免疫系を抑制する(そして、炎症を弱める)作用のある薬を服用すると、感染症にかかりやすくなります」とギブソン医師は指摘。また、あまり取り上げられませんが、「関節リウマチは疲労にもつながります」(カーン医師)。
関節リウマチは治るの?
image via shutterstockカーン医師によると、不快な症状をできる限り減らしてくれる薬はたくさんあります。でも、難点として、症状が出ないようにしておくには一生服用し続けなければなりません。
関節炎財団によると、一般的な薬としては、痛みと炎症を弱めるためのイブプロフェンやアスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、炎症に対抗するためのコルチコステロイド薬、免疫機能を調整して関節リウマチの進行を抑えるようにする「疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)」などがあります。
「適切な薬が見つかれば、痛みやこわばりなどの症状がない寛解の状態になれますし、患者の大多数がこの状態を達成できます」(カーン医師)
ウォズニアッキ選手は、自分の体験を世界中に伝える準備中。「関節リウマチを中心とした新たな健康教育キャンペーンを立ち上げようとしています。私の立場から体験を分かち合い、関節リウマチがあっても何でもできると示すことが大切だと思っています」
変だなって思ったら
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Korin Miller/Tennis Star Caroline Wozniacki Opens Up About Her Rheumatoid Arthritis Diagnosis/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
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