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サプリメントを摂る必要は本当にあるの? 医師に聞きました

2019/12/12 22:00 投稿

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美容や健康維持のために手軽に活用できるサプリメント。まずは、サプリメントがどんなものか、しっかり理解したうえで付き合いたいもの。

そこで、銀座上符メディカルクリニック院長の上符正志先生に教えていただきました。

サプリメントと薬の違いを知っておこう

まず、知っておきたいのは、サプリメントの定義。ビタミンの錠剤をクリニックで処方されたり、薬局で売られていたり、と薬のような感覚で捉えている人も多いのでは?

上符先生 :

サプリメントは「食品」です。

法律で定められてるわけではありませんが、健康によい、健康の保持増進に役立つとして販売されている食品は、一般的に「健康食品」と呼ばれています。

そのなかでも、特定の成分が凝縮された錠剤、カプセル状、顆粒状になっているものが「サプリメント」と呼ばれているものです。

サプリメントとは、「補助」「補充」という意味ですから、食事だけでは不足しがちな栄養を補うための食品、というわけです。見た目は薬と似ているものでも、薬ではないので、効果・効能を表示できません。

ただし、サプリメントの商品パッケージには原材料や含有成分が明記されています。あくまでも食事を補う食品であり、病気の治療のためのものではないということを理解しておくことが重要です。

「薬」は「医薬品」として法律で厳格に定められたもの。そこがサプリメントと薬との決定的な違いです。

上符先生 :

もっと具体的にいうと、薬は医薬品医療機器等法で医薬品、医薬部外品に分類されたものを指します。

また、漢方薬は、中国の伝統医学をベースに発展した漢方医学に基づいて、天然の生薬を組み合わせて作られた薬で、これも医薬品に分類されます。

これらの医薬品は、厚生労働省から有効成分の効果・効能が認められたもので、病気の治療や予防に使用されることを目的としています。

医薬部外品も同様に、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が、一定の濃度で配合されているもので、病気の予防を目的に作られています。

薬と違って、サプリメントは特定の病気や症状の治療、予防を目的としていないということを、まずは理解しておきたいですね。

「ベースサプリメント」は健康な体の土台に

ひと言にサプリメントと言っても、サプリメントは大きくベースサプリメントとオプショナルサプリメントに分類されます。

私たちの健康維持に必要な成分でできているものは、ベースサプリメントと呼ばれています。また、もともと体の中にない成分だったり、より健康のクオリティを高めたい場合に摂取するサプリメントは、オプショナルサプリメントと呼ばれています。

上符先生 :

ベースサプリメントは、私たちの体の構成要素となる栄養素で、ビタミンやミネラルをはじめ、鉄、銅、亜鉛などの成分を含むサプリメントのことです。

また、疲れにいいというコエンザイムQ10や、目の疲れにいいといわれるアスタキサンチンなどはオプショナルサプリメントに分類できます。

これからサプリメントを取り入れていきたいという場合は、まず、健康の土台づくりを進めるためにベースサプリメントから摂っていくことをおすすめします。

基本的にベースサプリメントさえしっかり摂っていれば、健康は維持できると思います。

でも、女性だったら肌、髪、爪などをずっとキレイにキープしていきたいでしょう。

もっと美しく、もっと健康になりたい、さらにはもっとたくましくなりたい、と思う──。そんなときに役に立つのがオプショナルサプリメントなんです。

サプリメントなんていらない!? 現代人が摂るべき理由とは──

ベースサプリメントの重要性は納得! でも、日常的に栄養バランスのよい食事を心がけていれば、サプリメントを摂る必要などないのでは?

上符先生 :

これまでは、そうだったかもしれません。のんびりとした、ストレスのない世界だったら、サプリメントは必要ないのかもしれませんが、現代社会は実に多忙でストレスが多い

食事が不規則だったり、睡眠不足だったり、仕事に追われていたりもする。

そんな中で、より元気に、より高いレベルで健康的に過ごすために必要な栄養素は、普通の食品だけでは満足に摂ることができにくくなってきているんです。

健康な生活を送るために1日に摂るべき栄養素は、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」に示されていますが、忙しくて外食がちだったり、口にする食材が偏ったりすることで、その基準を満たしにくくなってきています。

たとえば、農林水産省の「食事バランスガイド」では「何を」「どれだけ」食べるべきかが具体的に示されていますが、食材の種類や量も多く、これを常に実践することは簡単ではありません。

必要なエネルギー、栄養素を食品だけで確保しようとしたら、その分、摂取するトータルカロリーがぐんと増えてしまったり、合成添加物をたくさん摂ることになってしまいます。だから、より純粋なサプリメントで必要な栄養素を補うようになったということです。

20年ほど前までは、サプリメントを摂っている人は珍しく、「病気なの?」と言われることもありました。でも、最近はサプリメントの品質がどんどん上がってきていますし、皆さんの健康に対する意識も変わってきて、サプリメントを摂ること自体が普通になってきたように思います。

より健康に、よりキレイにいられるよう、ぜひ上手に活用していきたいですね。

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上符正志(うわぶ まさし)さん
銀座上符メディカルクリニック 院長。1960年、山口県下関市生まれ。九州大学工学部在学中、医師が社会で果たすべき役割にめざめ転身、産業医科大学医学部に入学。卒業後、横浜市民病院外科、北里大学医学部救命救急センター、益子病 院内科などで治療に携わりながらも、病気の早期発見・早期治療の方法に限界を感じていた。そんななかでアンチエイジング医学と出会い、発症を未然にふせぐ患者本位の医療の可能性を見いだす。米ニューヨークのザ・サレーノ・センターで行われている最先端治療プログラムを習得し日本に導入。

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