だから料理はいつも目分量で。そんな人も多いかと思いますが、目分量は塩分や糖分などの摂り過ぎにもつながります。
ヘルシーで、安定した味つけには、分量ではなく“比率”が重要に。石原洋子著『レシピに頼らず料理は割合でおぼえましょう。』(世界文化社) には、カンタンで脱・自己流のポイントがたくさん紹介されていますよ。
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料理は分量でなく「割合」でつくろう
石原さんは、家庭料理に加えて中国料理やフランス料理など、各分野の第一人者に学び下積みを積んだ後に独立した料理研究家。40年以上も自宅で料理教室を開催、その指導法には定評があり、テレビをはじめとした各メディアで活躍されている方です。
巷にある多くの料理本を見てみるとたしかにおいしそうですが、レシピ通りにズバリ作れるというものでもありません。
たとえば、じゃがいもを切ってみたら、少し大きくなってしまい、結果、レシピで示されている分量よりも具材が増えるのはよくある話。それに定番料理ともなれば、目分量で調味料を合わせることも多く、日によって味が違うこともありえます。
本書では通常のレシピで目にする「しょうゆ◯cc」といった分量を、「割合」で紹介しています。
具材の分量が変わっても、材料や組み合わせが変わっても、割合なら比率は変わりませんから味つけに迷うことなく便利。
『レシピに頼らず料理は割合でおぼえましょう。』5ページより引用
つまりひとつの割合をおぼえておけば、素材を変えるだけで違う料理に早変わり。多くの素材を使うことができるようになってこそ、料理そのものの幅が広がるといえるでしょう。それでは、簡単に味を決める割合の法則とは?
1:1:1が和食の基本
かぶのそぼろ煮(11ページ)まずは、定番の和食では、どんな調味料を取り揃えるべきでしょうか。
和食の味つけは酒、みりん、しょうゆ1:1:1が基本。これがベースになり、砂糖や酢を加えると味の幅が広がります。
『レシピに頼らず料理は割合でおぼえましょう。』8ページより引用
意外にも、和食で必要な調味料は、酒、みりん、しょうゆの3種類のみ。
最初は、この割合で何度か作って、自分好みの加減を知ることが大事なようです。たとえば、味見してみると、なんとなく薄いといったことがあります。そんなとき、しょうゆだけ、あるいはみりんだけだと、ますます味のバランスが崩れてしまうのだとか。
あくまで1:1:1の基本を守りながら、酒、みりん、しょうゆを入れつつ、味の調節をしていくと失敗せずにすみます。
たとえば「かぶのそぼろ煮」も、この割合で上品な味に仕上がるそう。たった3種類の調味料で大丈夫なのか心配にもなりますが、甘さを控えめにすることで、すっきりとした素材の甘みが引き立ってくると著者はいいます。
応用編として、砂糖についても触れられています。「ごぼうとにんじんのきんぴら」は、基本の1:1:1に0.3の砂糖を入れることで、少量でも甘辛さを強く感じるのだといいます。「肉じゃが」のようにしっかり味を含ませたい料理の場合は、砂糖を0.5に増やすことで、さらに甘辛味に。
洋食では、塩がポイントに
ポテトサラダ(90ページ)ふつう洋食では、料理によって調味料が違うように思えます。しかし、ここでも割合が役立ちます。
洋食の場合は、まずは肉と魚をシンプルに焼くときの塩の割合をおぼえましょう。肉は重量の1%、魚は重量の0.8%。
『レシピに頼らず料理は割合でおぼえましょう。』82ページより引用
洋食の割合は、塩がポイントに。人が美味しいと感じる塩分量は、本来1%前後であるといいます。魚はそれ自体に塩分量があるため、塩は少し控えめに。
塩をふるタイミングにもコツがあると著者。肉は焼く直前に、魚はふってからしばらく置いて身に浸透させ、魚の臭みを出すとよいようです。
塩の割合に加えて、洋食の場合はドレッシングもカギに。たとえば、マヨネーズをベースにしたマヨソース。「ポテトサラダ」などのマヨ味のサラダに使うもので、基本の比率は、マヨネーズ(大さじ4)、レモン汁(小さじ1)。酸味が立ってさっぱりといただけます。
まずは、自分がよく作る料理から、鉄板の割合を取り入れたいもの。旬の素材を活用しながら美味しく手軽に料理を楽しみましょう。
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手軽にヘルシークッキング
[ レシピに頼らず料理は割合でおぼえましょう。 ]レシピ画像提供:世界文化社、image via shutterstock