予防接種って効くの?
2017〜2018年の米国におけるインフルエンザシーズンの患者数はおよそ4900万人。米国疾病管理予防センターCDCによると、数十万人が入院し、7万9000人を超える人々が亡くなりました。毎年もっと多くの人がインフルエンザワクチンを接種すれば、この多くが予防できるだろうと考えられています。
前回に引き続き、インフルエンザの予防接種に関する疑問について、医師陣がお答えします。
Q1. 予防接種はしたほうがいい?
Q2. タイプが違うワクチンを打ったら効果はないの? は、こちら。
Q3. インフルエンザ注射からインフルエンザになるって本当?
image via shutterstockCDCによると、それはまったくの嘘です。
「一部の人がなんと言おうと、注射に使われるインフルエンザウイルスは死んだウイルスで、インフルエンザを引き起こしません」と、カリフォルニア大学の教授(家庭医学)ウィリアム・ノークロス医師。
ワクチンが効くまで2週間かかる
この迷信が続いているのは、主に次の2つの理由からだそう。
・体がワクチンに対応してインフルエンザを防ぐ抗体を作るには、およそ2週間かかります。ですからその間にインフルエンザにかかってしまうと注射の効果がなくなります。
・インフルエンザのシーズンは風邪のシーズンでもありますが、インフルエンザ注射は普通の風邪を防ぐ効果はありません。風邪とインフルエンザがどれほど広く流行するか考えてみると、インフルエンザ注射を受けたすぐ後にどちらかにかかってしまう人がかなり多いという可能性が高いのです。これはCDCも認める事実。そんな人たちの多くが、具合が悪くなったのは注射のせいと考え、友だちや家族にそう言うかもしれませんが、インフルエンザワクチンは何の関係もありません。
Q4. 卵アレルギーの人は注射をしないほうがいいの?
image via shutterstock卵アレルギーの人は卵不使用のワクチン接種が必要、あるいはワクチン接種そのものを避ける方がよい、という噂もあります。
一部の一般的なインフルエンザワクチンは卵の中で培養されるため、卵アレルギーの人にとっては心配のタネと考えられた時期がありました。
でも、2017年に米国アレルギー・喘息・免疫学会などが共同で行った研究によると、インフルエンザワクチンは卵アレルギーの人にも安全と分かりました。この新たな結果を受けて、CDCはガイドラインを更新し、卵アレルギーの人も「特別な注意を必要としない」としています。
Q5. 注射の後に痛みや発熱があるのは大丈夫なの?
image via shutterstock「インフルエンザ注射で腕がヒリヒリと痛む(1日くらい)ことがあるのは本当です」とカナダのニューファンドランド・メモリアル大学の臨床助教授(家庭医学)、カイル・スー医師。
まれなケースですが、免疫系がワクチンに反応する可能性もあります。CDCによると、そのため、頭痛、ノドの痛み、発熱などにつながり、1〜2日続くかもしれません。でもやはり、このような副作用はまれです。
インフルエンザ注射を受ける利益は、有害反応のごくわずかなリスクをはるかに上回ります。副作用が心配であれば、主治医に相談するとよいかもしれません。
ノークロス医師いわく、インフルエンザワクチンは「明らかに命を救い、苦痛を軽減します」
こちらも参考に:
インフルエンザQ&A(厚生労働省)
風邪やインフルを寄せ付けない食事は?
風邪をひきたくない! 管理栄養士が実践しているおすすめの食べ方
Markham Heid/The Most Important Thing You Can Do to Prevent the Flu This Year/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
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