予防接種、受けていますか?
米国では毎年秋、インフルエンザの予防注射を受けるようにと公衆衛生局が促しているものの、大半の人が毎年この訴えを無視している状況にあります。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、2010年以降、インフルエンザワクチンの接種を受けた成人の割合は40%程度から動いていません。
その結果、毎年数百万人がインフルエンザにかかり、2017〜2018年のインフルエンザシーズンの患者数はおよそ4900万人でした。CDCによると、数十万人が入院し、7万9000人を超える人々が亡くなりました。毎年もっと多くの人がインフルエンザワクチンを接種すれば、この多くが予防できるだろうと考えられています。
今回は、インフルエンザの予防接種に関する疑問について、医師陣がお答えします。
Q1. 予防接種はしたほうがいいのでしょうか?
予防接種をパスする人の大部分は「個人の自由」と思っています。影響があるのは自分だけで、ほかの人には波及しないと。
でも、予想もしないことでしょうが、インフルエンザ注射を受けないという選択は、別の人が病気になったり、入院したり、果ては死亡したりする結果につながっていると医師は言います。
「インフルエンザワクチンは何よりも重要で、生後6か月以上のすべての人が受けるべきです」と、カリフォルニア大学の教授(家庭医学)ウィリアム・ノークロス医師。
他人にうつす確率が下がる
注射をすれば、重いインフルエンザにかかるリスクが低くなるだけでなく、幼い子どもや妊娠した女性、慢性疾患がある人、50歳を超える人など、とくにウイルスに弱い人たちにインフルエンザをうつす確率も下げることになります(このような高リスクの人たちはとくに、インフルエンザ注射が大切、とCDCは警告しています)。
「インフルエンザにかかると、唾液と粘液が何百万個もの感染性の高いウイルス粒子でいっぱいになります」とノークロス医師は説明します。口を手で覆って咳をしたり、鼻をこすったりすると、手にウイルスという“化学兵器”がついてしまいますが、その手がさわった手すりやショッピングカートの取っ手は、生まれたばかりの赤ちゃんがいる母親や、がんと闘っている人のお世話をしている人がつかむかもしれないのです。
インフルエンザ注射をすれば、もちろん自分自身もウイルスから守られることに。その年に流行すると思われるウイルスのタイプについて専門家が判断ミスをした場合でも、予防効果があります。
Q2. 流行るものと違うタイプのワクチンを打ったら効かないの?
image via shutterstockカナダのニューファンドランド・メモリアル大学の臨床助教授(家庭医学)、カイル・スー医師によると、私たちがかかるインフルエンザウイルスはA型とB型に大きく分けられます。
そしてそれぞれの型がさまざまなインフルエンザ「株」にさらに分けられるのだそう。毎年、インフルエンザワクチンを作る公衆衛生の専門家は、来たる冬にどの株が一番はやるのか懸命に推測しています。
もし外れても、リスクは下がる
でも、予想は当たる年もあれば、外れる年もあります。図星の場合、つまりどのインフルエンザ株が猛威を振るうか正確に推定できたときは、ワクチン接種すればインフルエンザにかかるリスクを最大60%まで下げることができます。
予想が外れた場合、インフルエンザ注射を受けても完全にはウイルスを避けられないかもしれませんが、それでも症状を軽くして、症状が続く期間を短くしてくれます。
2015年にアメリカで行われた研究によると、インフルエンザ注射を受けた人は、高熱や筋肉痛、痛みの症状が大幅に少なかったそう。注射を受けなかった人と比べて、呼吸器系の症状も軽い傾向が見られました。
CDCの調査によると、インフルエンザ注射を受けると、重い症状で入院したり集中治療室(ICU)に入ったりするリスクも下がります。「少しの効果でも、まったくないよりはマシです」(スー医師)
明晩の『Prevention』に続きます。
インフルエンザ対策はしっかりと
間違えている人多数!? 風邪予防のための正しいアルコール消毒
Markham Heid/The Most Important Thing You Can Do to Prevent the Flu This Year/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
コメント
コメントを書く(ID:19186343)
ワクチンした人と感染者が比例しているというデータがある。
大部分の医者は受けた方が良いと言うが、つまりは効かないってことだ。
(ID:21240349)
集団免疫成立のためにも難癖つけず打ってほしいところ。
(ID:1928817)
インフルエンザの予防接種は「かからない」ために受けるんじゃないと何度言ったら…