脳科学と筋膜リリースで効率的に柔軟性をあげる“最新ストレッチ”のノウハウを教えていただいた前編に続き、後編ではいよいよ実践編。
首こりや肩こりの改善、姿勢の改善ができる首のストレッチ、ウエストのくびれができ、腰痛の改善が期待できる体側部のストレッチ、柔軟性がアップしたのを実感できる「背面握手」ができるようになるストレッチの3つにわけて、具体的なストレッチ方法をご紹介。
それぞれ、脳科学と筋膜、ふたつのアプローチで柔軟性を高めます。
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1. 首のストレッチ
長時間のデスクワーク、猫背、運動不足、スマホの見すぎなどの理由で、こり固まってしまうのが、胸鎖乳突筋と僧帽筋。首こりや肩こりの改善にひと役買うのが、この筋肉のストレッチです。
A 脳科学アプローチ(2の抵抗を2秒+3の脱力を2秒×3セット)
両肩を下げ、無理なく首を横に倒せるところまで倒してスタート。 2秒間息を止めて、赤の矢印と青の矢印、両側で綱引きをするイメージで力を入れます 。 息を大きく吐いて首の力を脱力すると同時に手で頭を引きます 。2と3の動きを3回繰り返します。 改めて首を横に倒してみると、1のときよりも、首が横に無理なく倒れる実感が あるはずです。B 筋膜アプローチ(各30秒ずつ)
首の横を押さえて首をゆっくり大きく動かします。 首の付け根を押さえて首、肩、背中を大きく動かします。 ボールやフォームローラーに体重をかけて、肩を大きく回します。 ボールやフォームローラーに体重をかけて、体を前後にスライドします。2. 体側部のストレッチ
腹斜筋も、運動不足や長時間のデスクワーク、さらに強い腹筋運動や、かがんだ姿勢での仕事をしすぎたりしてもこってしまうそう。腰痛の改善効果にも期待ですが、さらに猫背改善やウエストのくびれができるなど、スタイルアップにも繋がります。
A 脳科学アプローチ(2の抵抗を2秒+3の脱力を2秒×3セット)
自然に上体を横に倒し、止まったところからスタート。 ひじを持って横に体を倒す(赤の矢印)と同時に、それに抵抗して下に力をかけます(青の矢印)。 体側部を脱力させ、さらに横に引きます。 2と3を3回繰り返したら改めて上体体を横に倒し、効果を確認します。左右に倒して比べてみると、エクササイズの効果が実感できます。B 筋膜アプローチ(各30秒ずつ)
体側部にフォームローラーをあてがい、 胸側に体を倒します。背中側に体を倒し、わきから腰骨までフォームローラーの位置を変えながら行います。 わきから腰骨までフォームローラーの位置を少しずつ変えながら体を預けます。3. 「背面握手」ができるようになるストレッチ
身体の柔軟性をはかるポイントとして、身体の背後で自分の両手を上下から組み、握手ができるかというものがあります。ポイントは、胸を開くことと、下側になる腕の「肩」を下げること。肩甲骨の柔軟性が必要です。
A 脳科学アプローチ(それぞれ、抵抗を2秒+脱力を2秒×3回繰り返し)
ひじを持って横に引き寄せ、 抵抗と脱力を繰り返します。 ひじを持って後ろに引き寄 せ、抵抗と脱力を繰り返します。 壁に手をついて体をひねり、 胸の力で抵抗と脱力を繰り返します。B 筋膜アプローチ(それぞれの筋肉ごとに30秒)
A 【握手するとき上にあげる腕の三角筋】肩を掴んで腕を動かしたり(1)、肩の外側をフォームローラーでゆるめたり(2)します。
B 【握手するとき上にあげる腕の大円筋、体側部】フォームローラーで脇の下から脇腹にかけるゆるめたり(1)、脇の下を掴んで腕を動かしたり(2)します。
C 【握手するとき下から回す側の胸、僧帽筋】フォームローラーに胸を乗せて揺らしたり(1)、背中をゆるめたり(2)します。
毎日コツコツ続けることで、「一日1mm、一年36.5cm」身体がやわらかくなっていくのを実感できるはずです。ぜひ習慣化してみましょう。
ストレッチをはじめよう
腰痛・むくみ・疲れに効く1分間ストレッチ。腰痛の原因は硬いおしり?
村山巧(むらやま・たくみ)さん
柔軟美トレーナー。27歳の時に趣味で始めたアイススケートをきっかけに柔軟な体を手に入れようと決意。ヨガや解剖学を含め、国内外の様々な書物・セミナーに触れ、自分自身の体を通じて柔軟性の研究を重ね、驚異の柔らかさを手に入れる。2016年に柔軟美トレーナーとして活動を開始し、銀座や渋谷のスタジオを拠点に少人数のセミパーソナル指導による柔軟クラスを全国で開催。プロフィギュアスケーターやチアダンサーの指導経験も持つ。これまで指導してきた人の数は延べ2万人。