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冷え性って病気なの? あなたの冷え性タイプをチェック

2019/11/07 20:00 投稿

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手足の先が冷たくて寝つけない、下半身は冷えるのに上半身はのぼせる……。「冷え性」に悩む女性は増えていますが、そもそも冷えとは何なのか、なぜ冷え性になったのかを把握している人は少ないのではないでしょうか。

冷えを我慢して放っておくと深刻な病気につながることもある」と話すのは、漢方医学専門医である南雲久美子先生。西洋医学と東洋医学の両面から冷えを治療してきた南雲先生に、知らなかった冷えのメカニズムを教えていただきました。

「冷え性」って病気なの?

南雲久美子先生が院長をつとめる目黒西口クリニックは、冷え性や自律神経失調症に悩む女性の駆け込み寺として知られます。

西洋医学の見立てでは、冷えは末端の血管が収縮して、皮膚への血液が不足している状態。足腰など体の特定の場所が冷たく不快な状態が続く場合などでも「冷え性」とされますが、明確な治療法はなく、血行改善のためのビタミンE剤が処方されることが多いそう。

南雲先生 :

つまり西洋医学では、冷えは病気ではなく、血液の循環が悪い体質という捉え方なのです。

しかし東洋医学では、2000年以上前の教科書にも「冷えは万病のもと」と書かれています。冷えは体の明らかな症候であり、病的な変化。東洋医学では「冷え性」ではなく「冷え症」と表現するのはそのためです。

「冷え“症”」には2つのタイプがある

東洋医学の視点では「病は体の冷えたところから入り込む」とされています。いわば冷えは、病気の入り口。「体質だから」とあきらめてほしくないと南雲先生は語ります。

南雲先生 :

じつは冷え症には、生まれつき冷えやすい「先天性冷え症」と、長年体を冷やすことで出てくる「後天性冷え症」の2とおりがあります。自分のタイプを知らずに冷え対策をすると、逆効果になることもあるんですよ。

南雲先生によると、先天性と後天性の大まかな違いは次のとおりです。

先天性冷え症……胃腸が弱い虚弱体質。暑さ・寒さや寒暖差に弱く、冷えるとすぐ頻尿、下痢、月経不順、疲労などが出てくる。 後天性冷え症……本来は丈夫な体質で寒さに強いが、暴飲暴食や不摂生から冷えをため込むタイプ。冷えが自律神経症状として出てくる。

「冷え性タイプ」チェックリスト

自分が先天性か後天性かを見分ける方法はあるのでしょうか? まずは次のリストで、自分が当てはまるものをチェックしてみてください。

A

子どものころ「しもやけ」になりやすかった 眠るときは必ず靴下をはかないと、足先が冷えて眠れない 下痢しやすい 顔色が青白い 季節を問わず寒がり 無理がきかないタイプ

B

子どものころ「しもやけ」になった記憶がない 眠るときに靴下をはく習慣がない 便秘がち 顔色の色つやがよい 季節を問わず暑がり 無理がきくタイプ

南雲先生 :

リストのうち、Aにチェックが多かった人は先天性Bにチェックが多かった人は後天性である可能性が高いです。

両者の中間、グレーゾーンにいる方もたくさんいますが、どちらの傾向かを知っておくだけでも冷え対策がしやすくなるでしょう。

現代の冷えは「血(けつ)→水(すい)→気(き)」の順序で進む

東洋医学ではAの傾向がある人を「虚証」、Bの傾向がある人を「実証」といいます。それぞれ冷えのあらわれ方も対策も違うのですが、冷えの蓄積による症状は同じように出てくると南雲先生。

南雲先生 :

多くの場合、冷え性は東洋医学でいう「血(けつ)→水(すい)→気(き)」の順で症状が進んでいきます。

とは主に血液、血の働きのこと。冷えの影響を真っ先に受けるのが血で、血が乱れると肌あれや月経異常につながります。冷えやすい人は20代から症状が始まります。

は体の水はけの悪さと関係していて、頭痛、めまい、むくみといった症状としてあらわれ、一般的に30代に多い。

はメンタルに関わっていて、不眠やイライラ、うつ症状につながります。これは40代になると増えてきます。

ただし、年代のくくりはあくまで一般的な話とのこと。「気血水」の症状は実年齢とは別物で、蓄積された冷え具合によって進行速度が変わります。冷えは放っておいても治らないため、できるだけ早く「冷え対策」を始めることが大切です。

南雲先生 :

もともと女性の体は冷えやすいので、男性よりもさらに努力が必要です。

女性の下腹部には子宮や卵巣があり、構造的に複雑なため、いっそう血液が停滞しやすいのです。月経で一時的に貧血になることや、熱を発生する筋肉が少ないことも冷えにつながります。

イライラ、気分の浮き沈みといった不定愁訴は、更年期ではなく冷え症からきている可能性も。「気づいていないだけで、ほとんどの女性は冷えている」と南雲先生は話します。

漢方医学専門医の南雲久美子先生に聞く「冷えのメカニズムと対処法」。後編は日常生活に取り入れやすい冷え対策に焦点を当て、先天性・後天性のタイプ別注意点や、両タイプに共通の改善策をうかがっていきます。

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南雲久美子(なぐも・くみこ)先生
漢方医学専門医。目黒西口クリニック院長。1982年、杏林大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学第二内科入局、北里研究所附属東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。96年、東西医学を融合して治療を行う目黒西口クリニックを開業。著書は「冷え症・貧血・低血圧― カラー 冷え改善レシピつき (よくわかる最新医学)」(主婦の友社)など多数。

取材・文/田邉愛理、企画・構成/寺田佳織(マイロハス編集部)、image via shutterstock

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