でも、怖がる必要はありません。「舌がはれる原因はいろいろありますが、ほとんどのケースは自然に治りますし、深刻ではありません」と、ウェブサイトでの医学アドバイザーも務める一般臨床医、クレア・モリソン医師。
でも、急にはれる、はれがひどい、はれと一緒にのどが締めつけられる感じがする、呼吸困難、めまい、気絶しそうな感覚がある場合は、命にかかわる状況かもしれませんから、すぐに医師の診察を受けます。
同様に、はれが長引いたり(10日以上とか)、悪化したり、気になる症状(疲れ、痛み、発熱など)が同時に出ているときも、必ず医師に診てもらう方がよさそう。
今回は、舌がはれる原因を専門家が教えます。
1.舌の傷が治りかけているから
image via shutterstock「舌は、誤って噛んでしまったり、欠けた歯の尖った先が当たったり、矯正具や義歯、詰め物などのせいで、傷つきやすい部分です」(モリソン医師)
辛い食べ物や角張った食べ物も、舌が刺激を受けてはれる原因になります。酸性の食品(酸っぱいハードキャンディなど)や、スパイシーな食品(唐辛子やカレー)は特に。
解決策は、まず舌がはれる原因を取り除くこと(歯科医の助けが必要かもしれません、とモリソン医師)、氷で冷やす、イブプロフェンなどの鎮痛薬を飲む、感染を防ぐためにマイルドなマウスウォッシュを使うといった方法ではれを和らげます。
2.マウスウォッシュが原因
image via shutterstock「歯磨きペーストやマウスウォッシュには、舌のはれにつながる成分が含まれている可能性があり、使用をやめるまで治りません」と話すのはロサンゼルスの認定皮膚科医、ツィポラ・シャインハウス医師 。
舌が「接触性皮膚炎」を起こしているわけで、よくある原因成分は、過酸化水素(歯のホワイトニング)、アルコール(マウスウォッシュ)、重曹(歯磨きペースト)、ケイ皮酸(チューインガムなどに含まれるシナモンの成分)です。
悪さをしている成分がわからない場合は、皮膚科医にアレルギーのパッチテストをしてもらって突き止めます(シャインハウス医師)。
3.アレルギー反応のサイン
image via shutterstockアレルギー反応は、体内に入ってきた何か、たとえばフルーツ、ナッツ、貝・甲殻類、ミルク、それに虫に刺されたときなどに対して、免疫系が過剰にはたらいてしまった結果で、モリソン医師によると、ヒスタミンの放出、小血管の収縮、組織内に体液がたまる、などが起こります。アレルギー反応のせいで舌、唇、顔がはれた場合は、「血管性浮腫」と呼ばれます。
アレルギー反応は、抗ヒスタミン薬か経口ステロイド薬で治療できます。しかし、アレルギー反応が激しいと、最悪の場合には呼吸困難になる可能性もあるため、何かに対して激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすとわかっている人は、「エピペン」というアドレナリン自己注射薬を携帯して、反応が起きたらすぐに注射しなければなりません。
4.薬の副作用によるアレルギー反応
image via shutterstock舌のはれを含めてアレルギー反応を起こすとよく知られている薬は、「ACE阻害薬」という血圧の薬です。
「命にかかわる舌のはれが起きるおそれがあり、薬を服用している間は常に発生の可能性があります。初めて服用したときに起こるとは限りません」と、カリフォルニア州プロビデンス・セントジョンズ医療センターの耳鼻咽喉科医(ENT)で咽頭医のオミド・メディザデ医師 。
抗炎症薬(アスピリンやイブプロフェン)と抗生物質(ペニシリン、抗ウイルス薬)も、アレルギー反応を引き起こしかねません。「副作用が出たら、その薬の服用をやめることが大切です」(モリソン医師)。
すぐに治療してもらいますが、症状の激しさに応じて抗ヒスタミン薬、ステロイド薬、アドレナリンの筋肉注射などの治療法があります。
次回の『Prevention』に続きます。
いつもと違う症状は注意
Krissy Brady/10 Weird Reasons Your Tongue Is Swollen, According to Doctors/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)