女性に多い不調やお悩みに、食事と栄養で対策を。管理栄養士の中村美穂さんが教える、体調管理に役立つ食のヒントをお届けします。第1回は、「疲れた日の疲労回復メニュー」。

今回から連載をさせていただくことになりました、管理栄養士の中村美穂です。子どもの頃からの料理好きが高じて管理栄養士となり、現在は料理教室や各媒体を通して「おいしく食べて健康に」をモットーに情報を発信しています。女性の元気をサポートするための栄養の話や、季節のおすすめレシピをご紹介していきますのでどうぞよろしくお願いします。

疲れをとりたい日のメニューで意識したいポイント

30~50代女性はとくに、年齢による体調の変化や仕事や家事などの忙しさに追われ、疲れがたまりやすくなります。私自身も疲れを感じることはよくありますが、そんなときは、簡単にできる食べ方で、タンパク質ビタミン・ミネラルを意識して摂ることを心がけています。

タンパク質に含まれるアミノ酸はすべての生命活動を支える成分で、ビタミン・ミネラルがその働きをスムーズにするため、バランスよく摂る必要があるのです。

夜遅めの食事でもさっと作れて消化の負担も考慮した夕食の献立例も、ぜひ参考にしてみてください。

摂りたい栄養素

タンパク質……体を作る ミネラル(鉄、亜鉛、銅など)……体の調子を整える、貧血を予防する ビタミンC、ビタミンB1……他の栄養素の吸収をアップし、代謝を促す

おすすめの食材

魚介類(ブリ、サバ、サンマ、マグロ、カツオ、鮭、牡蠣、アサリ)、赤身の肉(牛、豚、鶏、羊など)、卵、大豆製品、ごま、ナッツ……タンパク質&ミネラル 緑黄色野菜(ブロッコリー、ビーツ、ほうれん草、小松菜、かぼちゃ、トマト、にんじん)……ビタミン&ミネラル 玉ねぎ、ネギ、にんにく、ニラ……ビタミンB1の吸収を助ける硫化アリルを含む野菜 芋・根菜類(じゃがいも、さつまいも、かぶ、れんこん)……ビタミンC

20分で完成! 疲れた日のささっと献立

以上をふまえた「一汁一菜レシピ」をご紹介。旬の野菜で手軽に作れ、疲れがとれて元気が出るメニューです。

この献立は、ごはんが炊けていて、2口コンロがあれば、20分ほどで完成一食分のタンパク質は20~25g野菜は120g以上が摂れます。

練りごまソースがポイントのポークソテーと、野菜たっぷり味噌汁の夕ご飯は、抗酸化力の高いポリフェノールが豊富な赤ワインにも合います食後は温かいお茶と、柿やみかんなどビタミン豊富な季節の果物をどうぞ。

撮影/中村美穂

ポークソテーごまソース

疲労回復の定番食材・豚肉に、練りごまとネギをあわせて効果をアップ。雑穀ごはんと調理のいらない生野菜を添えてワンプレートに。ごはんの量で糖質をコントロールして。根菜やキノコを加えても。

<材料(1人分)>

豚ローススライス 1枚(80g) 長ネギ 20g 塩・こしょう 各少々 オリーブオイル 適量 A(水小さじ2、練り白ごま小さじ1、しょうゆ、みりん各小さじ1/2) ベビーリーフ 15g ミニトマト 25g ごはん(雑穀・発芽玄米入り) 100g

<作り方>

豚ローススライスは脂と肉の間に包丁で数か所切れ目を入れ、塩コショウをふる。長ネギは斜め薄切りにする。 オリーブオイルを温めたフライパンで豚肉を両面色づくまで焼く。ネギも加えさっと炒める。豚肉を取り出し、Aを混ぜて火を止める。 豚肉を食べやすく切って皿に盛り、ソースをかける。ベビーリーフと半分に切ったミニトマト、ごはんを添える。

豆腐とブロッコリーのみそ汁

具だくさんスープは簡単に栄養バランスをととのえるために欠かせないアイテム。あたたかい汁物でほっとひと息。献立に汁物があると、お腹を満たして食べすぎ防止&体を温め代謝を促します。わかめを加えても。

<材料(1人分)>

ブロッコリー 50g 木綿豆腐 40g 長ネギ 20g だし汁(水に粉末だしを混ぜても) 200ml みそ 大さじ1/2程

<作り方>

鍋にだし汁を入れ、ひと口大に切ったブロッコリーと角切りにした木綿豆腐を入れて煮る。 小口切りのネギを入れ、みそを溶かし、火を止める。

おまけ:練りごまは心強い味方です

撮影/中村美穂

「ポークソテーごまソース」の仕上げは、いりごまを振るのもおいしいですが、ごまの栄養成分をより摂り入れるには、練りごまが効果的。瓶は固まると取り出しにくかったり、まわりが汚れやすいので、私はチューブタイプの練りごま(白・黒)を愛用しています。

今回紹介したポークソテーは、ごまダレ豚しゃぶ鍋にしても◎。朝ごはんには、トーストしたパン(雑穀入りの黒パンがおすすめ)に、バターの代わりに白練りごまと、はちみつをかけて食べるとおいしいです。

無添加練りごま(白ごま)120g×2個 使いやすいチューブタイプ 砂糖不使用

934円

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疲れているときのドカ食いは、さらに疲れさせることに

疲れているとつい食べすぎ・飲みすぎてしまうことがありますが、消化に負担がかかると、かえって疲れが取れないという悪循環に。まずは体の回復を優先し、胃腸を休ませてあげることも大切です。

もし、料理をする気力もないほど疲れていたり、深夜の帰宅であれば、温かいドリンクなどをとって早く寝ることをおすすめしますが、食べることは心の癒しでもあります。作ること、食べることでリラックスできて、体にもやさしい、食の時間を過ごせますように。

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中村美穂(なかむら・みほ)さん
管理栄養士・フードコーディネーター。料理好きから管理栄養士となり、おいしく楽しく身体にやさしい料理やお菓子を探求。商品開発や、保育園栄養士としての給食作り・食育活動・食事相談等の経験を活かし、料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。書籍・雑誌へのレシピ提供も多数担当している。公式サイト

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