いわゆる「女」の嫌な部分や、「女」同士が生み出すイライラのメカニズムを知り、軽やかに生きる方法を、精神科医の水島広子先生の著書から、毎日ひとつずつご紹介します。
(すぐ感情的になる、裏表がある、群れたがる、張り合ってくる……こうした「女」の嫌な部分を、この連載ではカッコつきの「女」と書いています。これは女性そのものを意味するのではなく、一連の困った特徴のことを呼ぶと理解してください)
image via shutterstockAさんのケース
上から目線でアドバイスしてくる友人がいて苦痛です。たしかに学生のころは、その子の方が何でもできて、お姉さん的な感じでした。でも、今は私もそれなりに成長していると思うのに、昔と同じように常に上から目線でイラッとします。私は、一生あの人の子分みたいな感じなのでしょうか。
これは「お母さん病」「お姉さん病」とでも呼んでよい現象なのですが、相手のことは自分が一番よくわかっている、というような感覚を「女」が持つことは少なくありません。これは、「自分の領域」と「他人の領域」の区別がつけられない、という特徴に由来するものです。
いまの状況を、「『女』のパターン」の代表的なひとつと見れば、結論は単に「彼女は『女』度が高い」というだけのこと。自分との上下関係の話ではありませんから、苦痛に感じる必要はありません。
実際に人が何かを言えるのは、「自分の領域」においてのみ。アドバイスされたとしても、それは相手が「相手の領域」の中で勝手につぶやいていることなのです。こちらはそこに真実を感じる必要もないし、もちろん言うとおりにする必要もありません。
この状況に巻き込まれないためには、単に「ああ、彼女には『お姉さん病』が出ているな」と見るだけで十分です。
1,430円
『女子の人間関係』
なぜ、あの“女”(ひと)はあなたの感情を乱すのか? 比べたがる“女”、敵・味方を作りたがる“女”、「自分は自分、他人は他人」ができない“女”、そして自分のなかの“女”……女性同士の人間関係の悩みや、いわゆる「女」の嫌な部分から解放されて生きていくためには、自分と相手の中にある「女」についてよく知ることが大切。対人関係療法を専門とする著者ならではの視点で、女子の人間関係をスムーズにする方法をレクチャーします。
水島広子(みずしま・ひろこ)先生
精神科医。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院修了(医学博士)。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、現在、対人関係療法専門クリニック院長、慶應義塾大学医学部非常勤講師(精神神経科)、アティテューディナル・ヒーリング・ジャパン(AHJ)代表。2000年~2005年衆議院議員として児童虐待防止法の抜本的改正をはじめ、数々の法案の修正実現に尽力。『「ドロドロした嫉妬」がスーッと消える本』など著書多数。