Twitterでは、新しいカメラのデザインを見てトライポフォビアを引き起こしたと言う人も。トライポフォビアとは小さな穴や円の集合体に対する恐怖症のことです。
My trypophobia will never allow me to own this iPhone. Skip! pic.twitter.com/Qtbnu0qEs0
— Ashley Tjipitua (@ashleytjipitua) 2019年9月11日
(トライポフォビアの私はこのiPhoneは絶対持てない。無理!)
The new iPhone is creeping me TF out with the 3 little cameras. #Trypophobia pic.twitter.com/9qirqMtz1k
— Christine Emmanuelle (@MiSsChRiS710) 2019年9月10日
(新しいiPhoneの小さい3つのカメラ、トライポフォビアとしてはすごく怖い!)
でもトライポフォビアってそんなによくあるものなのでしょうか? そしてその原因は? さっそく心理学者に聞いてみました。
トライポフォビアって何ですか?
image via shutterstockトライポフォビアとは、小さな穴や斑点などが密集している状態に、嫌悪感や強い恐怖を抱くという心理状態のことです。 トライポフォビアに関する研究はあまり多くないのですが、恐怖症としては決して珍しいものではありません。
女性の5人に1人が気にしてる!
「Psychological Science」誌に掲載された研究では、およそ300人の男女にトライポフォビアの人が恐怖を感じるというイメージ(蓮の花托の画像など)を見せたところ、大体女性の5人に1人、男性の10人に1人がそれらの写真に否定的な反応を示したことがわかりました。
「特定の恐怖症というのはかなり一般的にあるもので、トライポフォビアもそのひとつだと考えられます」と話すのは、不安症に対処する方法を紹介する『Hack Your Anxiety』の著者で認定臨床心理士のアリシア・H・クラーク医学博士です。「不安を感じやすい人はあらゆる種類の恐怖症になりやすいという傾向があります。また、自分が恐れているものについて考えたり、それらを避けようとしたりすればするほど、ますます恐怖が強まってしまうというのが、恐怖症の思わぬ落とし穴なんです」
トライポフォビアの原因は?
image via shutterstock専門家にもよくわかっていないのですが、いくつかの仮説はあります。「人間の想像力が原因だと考えている研究者もいますし、遺伝的・生理的基盤もあるのではないかと示唆する研究者もいます」(クラーク博士)
一般的に恐怖症はある種の危険と関連しているのではないかと言うのは、ニューヨークのアルバート・アインシュタイン・カレッジ・オブ・メディスン/モンテフィオーレ・メディカルセンターで心理学および認知行動療法トレーニングプログラム・ディレクターを務めるサイモン・リゴ心理学博士です。
だとするとトライポフォビアの場合は、人々にクモ(毒グモ)の持つ複数の目や攻撃的な動物が潜んでいそうな穴を連想させるのかもしれません。
トライポフォビアには治療方法があるの?
image via shutterstockトライポフォビアの度合いにも個人差があります。いくつもの穴を見るのが嫌だというだけの人もいれば、そうしたものに極度の恐怖を感じてしまう人もいます。穴を見るのが苦手というだけであれば治療の必要はないでしょう。
徐々に慣らしていくと改善される!?
しかし恐怖の度合いが大きい場合、クラーク博士は認知行動療法(CBT)が有効かもしれないと言います。CBTでは、その恐怖症が日常生活にどのくらいマイナスの影響を与えているのかを把握し、身の回りに密集した穴があっても気分的に大丈夫だと思えるようになるまで、恐怖の対象に徐々に自分を慣らしていくという行動計画を立てます。
たとえば、まずは嫌悪感を感じるものの写真を見ることから始めて、ふだんの生活で目にするものに少しずつ慣れるようにしていき、最終的には実際に触ってみるといった方法が考えられます。そうするうちに、トライポフォビアもだんだんと改善していくはずです、とクラーク博士は話しています。
つらくなったらリラックス
Korin Miller/Apple’s New iPhone 11 Design Is Disturbing People With a Specific Phobia /Maya A. Kishida(翻訳)