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現代女性は生理の回数が多すぎる。医師が語る女性の悩みとこれからの解決策

2019/09/04 20:30 投稿

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最近、ちょこちょこ耳にするようになったFemtech(フェムテック)、2025年までに5.5兆円規模にまで成長すると見込まれている(※)注目の市場です。

Femtechとは、Female(女性)とTechnologyをかけあわせた造語。月経管理アプリなどで、すでにFemtechを暮らしに取り入れているという人も多いでしょう。

Femtechが私たちの生活をどう変えていくのか? テクノロジーによって、女性に特有の悩みや健康課題は解決するのか? 多角的に探るイベントが開催されました。

Femtechの競合は健康保険? 医師の立場から思うこと

2部構成で行われたトークセッション。第一部は「女性ホルモンとFemtech〜ティースプーン一杯に踊らされる人生〜」と題して、産婦人科医の宋美玄先生をゲストに迎えて行われました。モデレーターを務めるのは、Femtech製品の開発にも携わる株式会社ワントゥーテンの中間じゅんさんです。

9割の女性が月経血が逆流。産婦人科医・宋美玄先生が教えるホルモンマネジメント

ひとくちにFemtechといっても、市場に出ている製品は多種多様。月経管理、妊活、不妊治療、育児、更年期障害など、女性のライフステージにそうように、さまざまなソリューションが発表されています。

「女性の健康を支えるために、テクノロジーやビジネスが盛り上がるのはうれしいこと。女性特有の不調、妊活や出産などのライフイベントについて、男性側の理解はまだまだ不足していますよね。そういった部分をテクノロジーでケアすることで、生産性を上げていけたらいいですね」と宋先生。

ただ、医師の立場からすると、サービスの方向性に首をかしげる点もあるそう。

産婦人科医の宋美玄先生

「たとえば、月経に関するFemtech製品やサービスはたくさんありますが、そもそも現代女性にとっては、生理の回数が非常に多くなっていること自体が問題だと考えています。

昔の女性は初潮年齢が遅く、子どももたくさん産んでいたから、一生に経験する生理が50回くらいだった。現代女性は、なんと約450回妊娠する気がないときにも排卵と生理が起こっていることって、体にとっては負担なんです。ピルや子宮内避妊システムなど、ムダな排卵を起こさないようにしたり、月経や経血量をコントロールできたりする医療もあります。

また、更年期障害についても、個人差がありますがホルモン補充療法を受けて不快な症状が緩和した人や肌の調子がよくなった人もいます。脳の認知機能にいい影響があった事例もあるそう。更年期障害に対するホルモン補充療法は健康保険が適用されます。こうした健康保険でできるサービスとどう戦っていくかは、Femtechの課題でしょう」

Femtechが欧米で急速な盛り上がりを見せる反面、日本でまだ認知度が低い理由のひとつに、日本では健康保険の制度が手厚く、医療サービスを安価に受けられることも関係しているのでは、と宋先生は指摘します。

ワントゥーテンの中間じゅんさん

「Femtechによって健康課題に意識がむくこと、女性自身が自分ごと化して事業を起こしやすいという点はメリット。ただ、事業を立ち上げるときには、きちんとエビデンスをとることが必要ですね」と中間さん。

集められるデータが医療の進歩を後押しする?

自身も基礎体温管理アプリの監修をしている宋先生は、先日、ユーザーのデータをもとにうつ病とPMS(月経前症候群)の関連性を論文にまとめ、発表したといいます。

テックで集められるビッグデータで、今までの医療ではわからなかったことが解明される可能性もあります。それは女性にとって福音となりうるものですね」

Femtechのこれからが、医療や女性のヘルスケアのあり方に変化をもたらす可能性も示唆された第一部でした。

※第二部の様子は後編で! 最前線で活躍するFemtechプレーヤーたちが「女性特有のウェルネス課題をどのようにテクノロジーが解決しているのか? またはしていないのか?」をテーマにトークを繰り広げます。

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【第一部スピーカー/モデレーター】

宋美玄先生(丸の内の森レディースクリニック院長)
産婦人科医、医学博士。日々、多くの女性を診察する傍ら、メディアでの情報発信も積極的に行う。産婦人科医の視点から、社会問題の解決、ヘルスリテラシーの向上をめざして活動中。

中間じゅんさん(株式会社ワントゥーテン)
新規事業担当。IoTアプリやVRなどの開発を担当。

Femtech—Time for a Digital Revolution in the Women’s Health Market (FROST & SULLIVAN)

MASHING UP

撮影/中山実華、取材・文/浦上藍子

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