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タンパク質を効率的に摂取するコツとは? ポイントは、量とタイミング

2019/08/25 05:30 投稿

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厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、一日に摂取すべきタンパク質の推奨量は、成人女性で約50gとされています。しかしタンパク質は、“まとめ摂り”できないのが難点

スポーツ健康科学部教授の藤田聡先生(立命館大学)に、タンパク質を効率的に摂取する「食べ方のコツ」をうかがいました。

ルールは「3回に分けて均等摂取」

よくいわれるタンパク質の摂取量の目安は、一回の食事につき20g程度。筋肉を維持する観点から見ると、もう少し多めのタンパク質を摂取したほうがいいと藤田先生は話します。

「食事によって筋肉の合成を最大に高めるタンパク質の摂取量は、1食あたり高齢者で体重(kg)あたり0.4g、若年層では0.24g。同じアミノ酸が体に入ってきても、筋肉をつくる刺激が高齢者は弱くなるため、年齢を重ねるほど多くのタンパク質が必要になります」(藤田先生)

とはいえ、一度にタンパク質を摂りすぎるのはよくありません。タンパク質は必要な分だけが使われ、余分なものは腎臓から尿となって排泄されたり、あるいは脂質に変えられてしまいます。まとめて食べても筋肉や体組織になるどころか、脂肪になって蓄積されてしまい、肥満の原因になることもあります

一食でも足りないと健康リスクが増加する

タンパク質摂取の理想は、一日の必要量を朝、昼、晩の3回に分けて摂ること。ところが多くの人は、朝・昼は控えめで、晩は逆に摂りすぎの傾向があると藤田先生はいいます。

「私たちの研究グループでは、毎食のタンパク質摂取量と、筋肉量との相関関係を調査しました。その結果、一日分の総タンパク質量が十分に摂取できていても、3食(朝・昼・晩)のうち、たった1食でも定量のタンパク質摂取量(若年層で体重kgあたり0.24g)を確保できないと、筋肉量低下のリスクになることがわかったのです。

この研究成果は『Nutrients』誌(MDPI社)のオンライン版(2019年3月13日)に掲載されました。

さらに、タンパク質を均等に摂っている人と、不均等な人を比べると、後者の方がフレイルになる可能性が高いことも判明しています」(藤田先生)

朝はコーヒーだけなど、タンパク質をしっかり摂る習慣がない場合、長年の食習慣を変えるのは難しいものです。その場合は、高タンパクで低カロリーな食べ物を一品プラスするだけでも違うとのこと。

代表的な朝に食べる食品(一食分)のタンパク質量

食パン(6枚切り/1枚/67g)タンパク質:6.0g  エネルギー:174kcal  脂質 :2.8g ゆで卵(1個/60g)タンパク質:7.7g エネルギー:91kcal 脂質:6.0g 牛乳(1杯/200ml)タンパク質:6.6g  エネルギー :134kcal  脂質 :7.6g グリークヨーグルト(1個/100g)タンパク質:10.0g  エネルギー:59kcal  脂質 :0.0g

※「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」及び、「明治THE GREEK YOGURT」栄養成分表示より引用

こちらが代表的な朝食メニューの栄養成分値。グリークヨーグルトなど、手軽にタンパク質が補給できる乳製品はおすすめです。

摂取のゴールデンタイムは「運動直後」と「朝」

タンパク質の摂取には、もうひとつコツがあります。それは、摂取のゴールデンタイムを逃さないことです。

レジスタンス運動(筋トレ)の終了後にタンパク質を摂取すると、筋肉合成の速度が通常安静時の2倍程度に一気にはね上がります。注目したいのは、その後も約48時間(2日間)にわたり、筋肉の合成が普段より高いままに維持されることです。

つまり、2日おきに筋トレを続けて、タンパク質を3食しっかり摂取することにより、さらに筋肉の維持・増強が見込めます」(藤田先生)

また、あまり知られていませんが、じつは朝もゴールデンタイムのひとつだそう。

「筋トレをしている人もそうでない人も、朝にタンパク質を十分にとっていない人は、筋肉も少ない傾向があります」(藤田先生)

運動直後と朝の積極的なタンパク質摂取は、20代をピークに減少しはじめる筋肉を維持するためにも有効。ぜひ習慣化して、身体を支える筋肉を強化していきましょう。

タンパク質を簡単に摂るには

毎食タンパク質を摂るために。食卓への簡単な取り入れ方とは?

セブン・ローソン・ファミマ。コンビニ別、高タンパク質なランチメニュー

藤田聡(藤田・さとし)先生
立命館大学スポーツ健康科学部教授。1993年ノースカロライナ州ファイファー大学スポーツ医学・マネジメント学部卒業。1996年フロリダ州立大学大学院運動科学部運動生理学専攻修士課程修了。2002年南カリフォルニア大学大学院博士号(運動生理学)取得。同大学医学部内分泌科ポストドクター。2004年テキサス大学医 学部加齢研究所研究員。2006年テキサス大学医学部内科講師。2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻特任助教を経て、2009年から現職。

image via Shutterstock

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