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熱帯夜じゃなくても熱中症に注意。睡眠の質が下がるのは何℃以上?

2019/08/13 20:30 投稿

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蒸し暑くてなかなか寝付けず、夜中に何度も目が覚めてしまった……。そんな夜の翌日は、いつもよりも熱中症に注意してください。

日本気象協会と日本睡眠科学研究所の共同研究によると、夜間の気温が高く、中途覚醒時間が長かった日の翌日は、熱中症のリスクが高まるとのこと。暑い夜でも快適に眠るための工夫を、睡眠と室内の温熱環境の関係を研究している水野一枝さん(東北福祉大学 感性福祉研究所)にうかがいました。

睡眠効率が悪化するのは何度から?

日本気象協会と日本睡眠科学研究所は、熱中症と睡眠の関係性に注目。熱中症により救急搬送される人が多かった日の前夜の睡眠データを調べたところ、夜間に目覚めてしまう「中途覚醒」の時間が長く、睡眠効率が低くなる傾向があることがわかりました。

睡眠効率とは、就床時間に対する睡眠時間の割合のことです。今回の共同研究によると、中途覚醒が2時間以上のグループにおける、夜間平均気温の平均値は約24℃。中途覚醒が10分未満のグループの平均値は約22℃と、およそ2℃の差があったといいます(※)。

いわゆる熱帯夜とは、夜間の最低気温が25℃を下回らない日を指しています。しかし気温が24℃前後と、熱帯夜にならない日においても、睡眠にとっては過酷な状況であることがわかります。

睡眠不足で肥満リスクも約2倍に

睡眠不足にはさまざまな弊害があると語るのは、睡眠環境を研究している水野一枝さん。熱中症のリスクが高まるだけではありません。

「熱中症などの疾病のほかに、注意力が低下することによる事故のリスクも高まります。睡眠不足や不眠になると、生活習慣病の危険性が高まることがわかっています」(水野さん)

疾病や事故だけでなく、肥満になるリスクが1.98倍うつなどの精神疾患にかかるリスクが4倍高くなるというデータもあるそう。不眠が長く続く場合には、睡眠クリニックなどで早めに相談するのもひとつの手です。

睡眠効率を高める5つのポイント

暑さに負けずに睡眠効率を高めるためには、日中の過ごし方がポイントになります。水野さんが教える、快眠のコツがこちらです。

昼間に日光を浴びる
日中に高照度の光を浴びておくと、夜、暗いところでメラトニンというホルモンが分泌され、その影響によって眠気を感じやすくなります。日中は無理のない範囲で日の当たるところに出ることが、夜の眠りやすさにつながります。 夕食はなるべく早い時刻にすませる
食事の直後は眠りにくいため、夕食は早めの時刻に、就寝の3~4時間前にはすませましょう。また、夕方以降はコーヒーなどカフェインを含むものの摂取をできるだけ避けましょう。 就寝の1~2時間前にぬるま湯に浸かる
寝る1時間程度前にぬるま湯での入浴で体温を上げてお くと、深い眠りに入りやすくなります。熱いお風呂が好きな方は、もう少し早めに入るのがおすすめ。 就寝時は衣類を着込まない
厚着で汗を蒸発できないと寝苦しさの原因となり、良質な睡眠を妨げてしまいます。就寝時に着用する衣類は、下着を含めても3枚程度が適切。寝ているあいだに汗をかいて寝苦しくなったときは、1度着替えてからエアコンを使用するとよいでしょう。 布団の中で「眠る」以外のことはしない
布団の中では「眠る」ことが最優先。寝る直前までスマートフォンを見たり、考えごとをすると寝付きが悪くなってしまいます。寝付けそうな気配がないときは、そのまま無理に眠ろうとせず、一度布団から出て自然に眠気がくるのを待ってみましょう。

その日の“眠りやすさ”をチェックしたいときは、水野さんとtenki.jpが共同開発した「睡眠指数」の確認を。

熱中症に負けない体をつくるためにも、ぜひ眠りの環境づくりにこだわってみてください。

睡眠効率アップのヒント!

体のプロが実践する「ぐっすり眠るための工夫」6

眠れない夜にサヨナラ。すぐに眠れる、とっておきの16の方法

水野一枝(みずの かずえ)さん
東北福祉大学 感性福祉研究所特任研究員。
東邦大学医学部生理学第一講座、獨協医科大学第一生理学教室、産業技術総合研究所 NEDOフェローを経て現在に至る。寝室の暑さや寒さ、寝具や寝衣と睡眠に関する研究に28年従事。
日本生理人類学、日本睡眠学会評議委員。NHK『サラメシ』、NHK BS『美と若さの新常識 カラダのヒミツ』、NHK『あさいち』などメディア出演、著書多数。

※西川の快眠コンサルティングサービス「ねむりの相談所」が保有する睡眠データ、対応する日の熱中症救急搬送者数(消防庁)および気象データ(気象庁)を組み合わせて統計解析を行った結果による。
<解析対象>
対象データ人数:192、性別:男性74/女性118、年齢:20代以下 31、30-39歳 72、40-49歳 53、50-59歳 27、60台以上 9
<出典元・解析対象データ>
熱中症救急搬送者数:熱中症による救急搬送人員「平成28年5~9月」「平成29年5~9月」(消防庁) 、気象データ:気象観測値(東京)平成28年5~9月、平成29年5~9月(気象庁) 、睡眠要素:2018-2019に西川”ねむりの相談所”のサービスを利用したお客様のデータ

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