炭水化物を摂らないと、本当にやせるの?
今、トレンドとして一躍脚光を浴びているのが、低炭水化物ダイエット。この方法をすすめる人々は、早く2~3kg落とすには炭水化物を控えるか、完全に摂らないのが一番といいます。
「炭水化物は、いつも批判の矢面にありました」というのは、管理栄養士のボニー・タブディクスさん。「ダイエットで、タンパク質は満腹感が得られるのでオッケーとされることが多いですが、本当は炭水化物だって悪いものではないのです。炭水化物と一緒に何を摂るかが問題なのです」
炭水化物は大切なエネルギー源
image via shutterstockタブディクスさんは「朝食を、全粒紛食パンにするかクロワッサンにするかで、大きな違いがある」と説明します。
「そろそろ視点をかえて、炭水化物を悪者扱いするのをやめ、プラスなものとして見るといいかもしれません。炭水化物はエネルギー源であり、また不足しがちなビタミン類や食物繊維も豊富に含んでいるのです」
タンパク質や脂肪とは異なり、炭水化物は主なエネルギー源となります。私たちの体は、脂肪を燃やすよりも先に、炭水化物を燃やして活動のエネルギー源として使います。一方で、タンパク質はエネルギー源として使われず、筋肉修復に使われます。ですから、運動量の多いライフスタイルの人は、食生活に炭水化物を欠かすことができません。
とは言え、正しい方法で炭水化物を減らせば、早くやせられるのも事実。今回は、低炭水化物ダイエットについて知っておきたいことをまとめます。
低炭水化物ダイエットとは?
低炭水化物ダイエットとは、穀物類、でんぷん質の野菜、果物などに含まれる炭水化物の摂取量を制限する食事法です。低炭水化物ダイエットには多くのやり方があり、それぞれ一日あたりの炭水化物の摂取量が異なってきます。
例えば、後述するケトジェニックダイエットでは、1日あたりの摂取カロリーのうちわずか5%を炭水化物から摂るとしています。これは、「米国人のための食生活指針」が推奨する、カロリーの45~65%を炭水化物から摂取する、というものと大きく異なる数字です。摂取カロリーが2000kcalの場合、1日の炭水化物の摂取量は約225~325gです(※)。
だからといって、摂りすぎてよいわけでもありませんと、タブディクスさんは言います。「食事量をコントロールすることは、体重を減らし、それをキープするために重要です。例えば、カップ2杯分のパスタは、食パン5枚あるいはベーグル1個に相当。全粒紛パスタは小麦のパスタよりも健康にはよいですが、小麦のパスタの方が小量でもより満足感を得られます」とタブディクスさん。
※編注:アメリカの場合。日本では、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によると、1日の摂取エネルギーのうち50〜65%のエネルギー量を炭水化物から摂ることが望ましいとされています。
低炭水化物ダイエットのいろいろ
低炭水化物ダイエットには、たくさんの選択肢があり、中には炭水化物の面倒な計算が不要なものや、食事がそこまで制約されていないものもあります。人気の低炭水化物ダイエットをいくつか紹介しましょう。
ケトダイエット
image via shutterstockケトジェニックダイエット、略してケトダイエットは、1920年代にてんかん治療の為にはじめられた食事法です。しかしそれ以来、今では最も有名な低炭水化物ダイエットのひとつになりました。
この食事法は、1日の総カロリーのうち、炭水化物の摂取を5%以下にするというものです。これにより身体は、脂肪を分解してエネルギー源にするようになるケトーシスという状態になります。このダイエットにしたがった多くの人が成功していますが、非常に制約が多いため、長続きしにくいダイエットでもあります。
アトキンス・ダイエット
image via shutterstock90年代に流行した有名な低炭水化物ダイエットです。炭水化物を制限し、肉、乳製品、脂肪をとり、タンパク質の摂取を増やすことで体重を落とすというものです。
アトキンス・ダイエットには、アトキンス20、アトキンス40、アトキンス100の3つのプランがあります。この3つのプラン全てで、炭水化物の摂取が制限されます。例を挙げると、アトキンス20の第一段階では、一日の炭水化物の摂取量はわずか20~25gです。プランが進むにつれ、炭水化物の摂取量が徐々に増えていくようにデザインされています。
パレオ・ダイエット
image via shutterstockこのダイエットは、主に脂肪の少ないタンパク質、野菜、果物、身体によい脂肪を摂る低炭水化物の食事法で、旧石器時代や狩猟採集生活を行ってきた頃の食生活を参考にしています。つまり、乳製品、豆類、穀類、イモ類、白砂糖や人工甘味料を含む加工食品を禁止しています。
Whole30(ホール30)
image via shutterstockWhole30は、パレオ・ダイエットに影響を受けた食事法で、30日間あらゆる糖質(本物の砂糖も人工甘味料も)、穀物、乳製品、豆類、ピーナッツの摂取を禁止するものです。
Whole30の目標は、体重を減らすことに限らず、甘い物への依存症と闘ったり、クリーン・イーティング(身体によい食材をきちんと選んで食べる食事法)に取り組んだり、食物に対する過敏性を明らかにすることがあります。
しかし多くの人は、長い休暇の後のデトックスや、結婚式といった大事なイベント前のダイエットの為にWhole30を試しています。ダイエット前の食生活がどうだったかにもよりますが、この食事法では、加工食品は避け、手料理を推奨するので、かなり体重を落とすことが可能です。
しかしなぜ30なのでしょうか?このダイエットの創始者は、身体をリセットさせ食生活を改善するには30日あれば十分であると考えていたからです。
明晩の『Prevention』では、低炭水化物ダイエットで本当にやせるのかを解説します。
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Tiffany Ayuda/The Truth About Low-Carb Diets and Weight Loss, According to a Dietitian/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
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