乳がんリスクが高い「高濃度乳房(デンスブレスト)」の通知、全米で義務化の方向へ
乳がんのスクリーニング検査で「高濃度乳房(デンスブレスト)」が見つかった場合、乳がんリスクが高いことを本人に通知することを義務化する――。このような新しいルールを盛り込む案を、米食品医薬品局(FDA)が公表しました。今回の変更案は、2019年3月に発表されたもの。この案ではマンモグラフィ施設の規制強化についても触れられており、施設が基準を満たしていなければ、別の認定施設で再検査が受けられることを、FDAが患者に通知できるようになるそうです。
アメリカでは、40歳以上の女性の半数以上がデンスブレスト
今回の変更の目的について、FDA長官は「乳がんスクリーニングを時代に即したものに発展させ、患者に健康管理に関わる情報をより多く提供することを目指している」と話しています。
乳腺組織の割合が高いデンスブレストは乳がんのリスク因子であると同時に、マンモグラフィで撮影すると画像が白くなるため、乳がん病変が見つかりにくいことが知られています。
FDA首席次長は、「デンスブレストの女性は、乳がんリスクや健康状態への影響について医師と話し合う必要があります。アメリカでは40歳以上の女性の半数以上にデンスブレストがあり、乳がんリスクに関わる乳腺濃度などのリスク因子について、患者に正しい情報を提供するためのサポートが重要です」とコメントしています。
マンモグラフィの施設基準も20年ぶりにルール変更
しかし、ある専門家によれば、アメリカ女性の多くは既に自分の乳腺濃度について知っているそうです。アメリカの37州およびコロンビア特別地区では、既に乳腺濃度について患者に通知することが義務付けられており、今回の変更案はそれに追随するものだということです。
この専門家は「マンモグラフィは、女性の命を救うのに役立ってきたことは明らかです」と述べ、「マンモグラフィが陰性でも、別の検査を追加することで、がんが見つかる場合もあります。そのため、追加検査を保険適用で受けられるようにすることが望ましいでしょう」と話しています。
また、別の専門家は「マンモグラフィは国が規制すべきです。今回のような新しいガイドラインや基準を求める動きは歓迎されるもので、むしろ遅すぎるくらいだと思います」と述べています。なお、FDAがマンモグラフィ施設に関する重要なルール変更を提案するのは、実に20年以上ぶりということです。
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HealthDay News 2019年3月27日/Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved. /(参考情報)Press Release/image via shutterstock