Kaoruメソッドの基礎とは?
「頑張って鍛える」は、プロポーションを崩す
エアロビクス、バレエ、それにヨガやピラティス、加圧まで、幅広いボディワークに精通している“体オタク”のKaoruさん。筋肉は大切だけれど「頑張って鍛える」は間違いだと警鐘を鳴らします。
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「現代女性はストレスや緊張、間違った姿勢で筋肉が硬くなりがち。そんな状態でいきなり鍛えても歪みが定着するだけ。まずは固まった筋肉を伸ばし、しなやかさを取り戻すのが先決です。
それも“頑張って伸ばす”のではなく、すーっと気持ち良く伸ばすこと。そうすれば、自然とウエストはくびれてくるし、スッと伸びて脚も長く見えるんですよ」(Kaoruさん)
筋肉に弾力がある20代、30代ならまだいいけれど、オーバー40歳ともなると筋肉の修復機能も落ちるしコラーゲン繊維も減少。そうして筋肉が硬く縮むとそのまま固定してしまうので、まずは「ほぐす」から始める必要があるのです。
ほぐすエクササイズ
何歳でもボディが変わる、「Kaoru流ほぐし」
マッサージで体がラクになるように、現代人の硬くなりがちなパーツをほぐしてリリースするのが、Kaoruさんのほぐし術。自宅で、テニスボール1つでできるというのだから、驚くほど簡単です。
このほぐしを行い、筋肉を正しい位置に戻してから鍛えると効果てきめん。ヒップがきゅっと上がる、脚がすらりと伸びる、ウエストがくびれるといった“見た目の変化”が次々と訪れます。
しかも嬉しいのは、こういった変化は何歳でも生じるということ。年齢を重ねるほどに筋肉が硬く縮んだ状態になるけれど、最初にほぐしのプロセスを入れることでトレーニングの効果がぐんとアップ。しなやかで見た目も美しい、良質な筋肉が育つベースが整うのです。
基本ほぐし「テニスボールほぐし」
大臀筋、中臀筋といった大きな筋肉があるお尻。腰や肩と違ってコリが意識されにくいけれど、座っている時間が長い現代人のほとんどは固まってしまっているそう。
お尻の筋肉が硬くなり、骨盤の動きが悪くなるから、腰や背中で頑張り、お腹の筋肉も縮み……という悪循環をリセットするのがこのお尻ゆるめ。左右のお尻を均等にほぐすことを忘れずに。
お尻の下にテニスボールを置く。 前後左右にずらして、お尻の筋肉全体をほぐす。お尻片方で1分が目安。
日常の動きが変わる、「クセづけトレーニング」
ほぐすことでカチカチの筋肉がしなやかさを取り戻したら、「鍛える」ステップへ。とはいえKaoruメソッドはいわゆる筋トレとはまったく違う、ゆるやかなエクササイズがメインです。
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「どうしても、体の使い方にはクセがあります。たとえば猫背になりがちな方がそのまま筋トレしたら、どんどん猫背が固定しますよね。そうではなく、ほぐして整った“正しい位置”を筋肉に覚えてもらうのがトレーニングの目的なんです。そうやって体の使い方を教えれば、悪いクセがどんどん解消する。そして、日常の動きそのものもトレーニングになるんです」(Kaoruさん)
正しいバランスで鍛えることで、さぼりがちなインナーマッスルも使えるようになればしめたもの。日本人にありがちな薄べったいボディではなく、筒型でどの角度から見てもキュッと締まった美しいボディラインに整うのだそう。
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「インナーマッスルが使えると力まずしなやかに動けるから、疲れにくいというメリットも。しかも、体に余裕があるから表情も思考も柔らかになります」(Kaoruさん)
といいことづくめ。 さっそく、Kaoru流筋トレを始めなくちゃ!
次回は、ぽっこりお腹対策メソッドをご紹介します。
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Kaoruさん
パーソナルトレーナー。パーソナルトレーニングスタジオ「STUDIO Apro」主宰。フィットネス・クリエイティブディレクター。
1987年度全日本エアロビクスチャンピオンシップ初代トリオ部門優勝。
36年に及ぶフィットネス指導者生活の中で、バレエ、エアロビクス、ダンス各種、ヨガ、ピラティス、加圧など幅広いジャンルに精通。人体の動き、姿勢に関する分析をあらゆる観点からホリスティックに行う独自のメソッドが定評。『永遠の健康美』をモットーに、女優、モデル、ダンサー、音楽家などのパフォーマー、ファッション、美容業界関係者な、美の専門家のメンテナンストレーニングから、高齢者や怪我による機能障害のリハビリまで幅広い層に向けて、常に進化する独創的なウェルネスプログラムをプロデュースしている。著書に『自分で整体ストラップ』(講談社刊)。「STUDIO Apro」はこちら。Instagramはこちら。
撮影/高村瑞穂