アメリカ・ノースカロライナ大学のグループによる研究から、片頭痛がある人はドライアイである確率が高く、特に高齢の女性でその傾向が強いことが明らかになりました。
研究では、2008~2018年にノースカロライナ大学の関連病院を受診した18歳以上の患者7万2,969人を対象に、片頭痛の有無で2つの群に分けて、ドライアイの有無を調べました。全体の7.3%は片頭痛、13.2%はドライアイと診断されていました。
片頭痛があるとドライアイでもある人が明らかに多い
その結果、片頭痛のある人がドライアイであるリスクは、片頭痛のない人の1.72倍、薬剤の使用など関係のある因子を考慮しても1.42倍であることが分かりました。
また、65歳以上の人に限ると、このリスクは、男性では約2倍、女性では約2.5倍に上っていました。つまり、ドライアイのリスクは年齢が上がるにつれ高まり、特に女性でその傾向が強いということです。
今回の研究では因果関係は明らかになっていませんが、研究グループによれば、ドライアイと片頭痛の関連は以前から指摘されていたということです。
ドライアイでは、眼の表面を覆う「涙液層」がダメージを受けます。このため、眼の不快感や視覚障害をはじめとした目の障害が生じ、生活の質(QOL)の低下につながることもあります。
片頭痛とドライアイはセットで注意すべき
そもそも、ドライアイの人はどれくらいいるのでしょうか?
アメリカでは、成人の8~34%がドライアイであることが知られています。一方、片頭痛は約14%といわれています。
では、いったい、何が片頭痛とドライアイを結びつけているのでしょう?
研究グループは、どちらの疾患も、細胞レベルで似たような「潜在的な炎症プロセス」があり、これが関与していると述べています。
彼らの仮説によれば、ドライアイの炎症性の変化が神経筋組織でも同じような変化を引き起こし、片頭痛の発症や進行につながる可能性があるとのこと。また、眼の表面の異常な乾燥が、片頭痛を誘発する鍵になる神経経路を刺激する可能性も考えられるそうです。
このため、研究グループは「現在、片頭痛があるか、過去に片頭痛になったことがある人はドライアイになるリスクが高いようです。片頭痛とドライアイの関係が何であれ、どちらか一方があれば、もう一方も抱えている可能性が高いことを念頭に置く必要があります」と注意を促しています。
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HealthDay News 2019年3月8日/Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved. /(参考情報) Abstract/Full Text
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