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タンポンで足を失うって本当!? モデルを襲ったまさかの悲劇

2019/06/29 07:30 投稿

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タンポンの入れっぱなし、ダメゼッタイ。

モデルのローレン・ワッサーは、月経中にトキシックショック症候群 (TSS)を発症して人生が激変した人物。死に至るほどの深刻な病気は、「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる細菌が生産する毒素によって引き起こされるものでした。

生存率は1%

ローレンは、タンポンの使用後にTSSが原因で、臓器不全、血圧低下、心臓発作、高熱といった症状にみまわれ、脳への悪影響を避けるために薬により昏睡状態に保たれることに。

医師から生存率は1%で、死を覚悟するしかないと宣告されていたものの、ローレンはなんとか一命をとりとめました。しかし、それに伴う代償はとても残酷なものでした。彼女は両足を失ったのです

『Today』誌の最新インタビューで、ローレンは自身の経験を打ち明け、TSSに対する認識を広めるために行っている活動について語っています。「唯一覚えているのは、激しい痛みと両足が燃えているかのような感覚」と、ローレン。

「片足を半分切断された状態で、病院の小さな椅子に座りながらこう思ったのを覚えています。こんなの現実じゃない、と」

ローレンの担当医は、生命維持に必要な器官を守るため、血圧を上げる処置をとりました。しかしそのせいで手足への血液の供給が止められたため、ローレンの足に十分な酸素が送られず、壊疽と呼ばれる組織が死んでいく状態となってしまいました。

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Lauren Wasserさん(@theimpossiblemuse)がシェアした投稿 - 2018年 1月月14日午前11時16分PST

人生のすべてを失った

当初、医師らは彼女に両足の切断をすすめましたが、左足は五分五分の可能性で残せる状況。ローレンは、その可能性に賭けることに決め、右足にだけ別れを告げました。「あの頃は自分を恥じていました」と、ローレンは振り返ります。「私は人生のすべてを失ったんだ、と思っていました」

金色の義足となった片足で、ローレンは、トキシックショック症候群に対する認識を広める活動に精力的に取り組みました。より多くの女性にそのリスクを知ってもらうために。しかし、「耐えられないほどの痛み」はその後も続いたため、6年後にもう片方の足も切断することになりました。「私はまず右足を失って生きる目的をみつけ、その次に左足を失って、自由を得ました」と、ローレン。

今ではローレンは苦境から抜け出し、自分の象徴的な金色の義足を誇りに思えるようになったそう。「生きている、それだけでラッキー」 と『Today』誌で語っています。

「TSSの顔となり、声となることで、女性たちにTSSの注意を喚起するのが今の私の使命です」(ローレン)。

トキシックショック症候群とは?

image via shutterstock

トキシックショック症候群(TSS)はまれな病気です。全米希少疾患患者協議会によると、米国では月経のある女性10万人に3人発生するかしないか。

1980年代には、アメリカ疾病対策センター (CDC)が、何百というトキシックショック症候群の症例の発生と、タンポンに使用されるポリエステル・フォームなどの高吸収性材料との関連性を示しています。

タンポンに使用される高吸収性材料が、バクテリアを繁殖させやすい環境となるのです。現在市場に出回っているタンポンは全てコットン製ですが、それでも感染症予防に、頻繁に交換した方がよいものです。

「私は、患者に対し、6〜8時間使用してもタンポンの半分も血がついていないならば、より小さ目のタンポンを使うか、あるいはタンポンの使用そのものを止めることをすすめています」と、メイヨー・クリニックの婦人科医であるマーガレット・E・ロングさんは説明します。

TSSとタンポンの使用との関連性は疑いのないものですが、この感染症は月経中の女性だけではなく誰でもかかる可能性があります。例えば手術でできたきずや、出産に流産、避妊具や避妊用スポンジの使用、あるいは皮膚の局部的感染症などでもTSS発症の可能性があります。

TSSは、黄色ブドウ球菌による感染症が最もよくみられますが、レンサ球菌と呼ばれる細菌の接触によっても発症します。「ブドウ球菌が原因となる場合もありますが、それは一部であって、ほとんどがそのほかのバクテリアに接触してしまう不運から生じるものです」(ロングさん)

もし感染者の体内に、これらの感染症と戦うのに必要な抗体が無い場合、侵入したバクテリアが身体を「ショック」状態に陥れ、高熱、悪寒、嘔吐、精神錯乱、筋肉痛、血圧低下などの症状を引き起こします。

感染者の多くが、死に至る

TSSは命を脅かす感染症で、緊急の対応が必要とされます。その感染者の過半数が死に至りますが、生存の可能性はあります。医師らは、感染がタンポンの使用で起きていれば、まずそれを取り除き、感染部を洗浄。それから抗生物質を投与し、器官を守り、血圧を安定させる処置をとります。

ローレンのようなケースでは、TSSにより体の一部に壊疽が引き起こされ、その箇所の切断が余儀なくされてしまいます。ローレンにとって、彼女の義足は、自分がどれだけ強い人間になったかを示しているといいます。

「(金色の義足は)私のトロフィーであって、私の強さの象徴」と、ローレンは『Today』誌で語っています。ローレンが願うのは、もっと多くの女性たちにTSSのリスクを知ってもらいたいということ。病を乗り越えた後は、生理用品に関する活動を続けています。

ローレンは、これからもモデル業に励みつづけ、この秋にはニューヨークシティ・マラソンにも挑戦する予定です。

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