アメリカではここ数年にわたり、カンナビジオール(CBD)製品は次第に広まっていましたが、2018年9月にアメリカ食品医薬品局(FDA)がカンナビス(大麻)由来のCBDから作られた抗てんかん薬「エピディオレックス」を承認してから、一挙に拡大しました。
エピディオレックスは、アメリカの薬物分類法によると「スケジュールV」の医薬品(つまり、健康上の問題を治療するために使用できるもの)ですが、通常のカンナビス(大麻草)は「スケジュールI」の物質。つまり、医学的な使用は許されていないものです。二者の間にはこの小さな(それほど小さくもありませんが)違いがありますが、実に多くの会社が、エピディオレックスにあやかってたくさんのCBD製品を市場に出したのです。
今では、アメリカでは何千種類ものCBD製品がお店にならんでいます。肌に塗る「CBDローション」から、「CBDグミ」や「CBDクッキー」のようなものまで……。
でも、日本でもよく見る「CBDチンキ(CBDオイル)」とは、一体どういうもの? 今回は、CBDチンキ(CBDオイル)について学びましょう。
まず、CBDとは何でしょう?
カンナビジオール(CBD)は、植物の「カンナビス(大麻)」に含まれる多くの化学成分(まとめて「カンナビノイド」と呼ばれます)のひとつ。大麻の茎と種子から抽出されます。
やはりカンナビスに含まれる精神興奮性の化学物質「テトラヒドロカンナビノール(THC)」の近い親類です。でもCBDはTHCとは違って、いくらたくさん摂っても、いわゆる“ハイ”にはなりません。
まだ研究はそれほど多くありませんが、CBDにはストレスを軽くする、炎症による関節痛を和らげる、夜よく眠れるようになるといった効能があると考えられています。
CBDチンキ(CBDオイル)って?
ごく簡単に言うと、チンキはハーブエキスを濃縮したもので、ハーブを何らかの液体にひたして作ります。数週間つけておくと液体の中にハーブエキスがしみ出し、ハーブをこして取り除けば、体内に摂取できる強力な「チンキ」の完成。
長い間に、チンキを作るための「液体」はいろいろと変化してきましたが、基本的な作り方は同じです。
開業医、薬剤師、医療専門家が率いるカンナビス製品の会社『Curaleaf』で製造副部長をつとめるジェシー・ケイターさんによると、「伝統的なハーブ療法では、抽出用の液体としてアルコールがいちばん多く使われますが、現在、ほとんどのカンナビノイド・チンキは食用の植物油と香味料を使って作られています」(そのため、日本では普通「CBDオイル」と呼ばれているようです)。
ほかのCBD製品よりもチンキ(オイル)がいい理由
image via shutterstockCBDチョコレートやCBDローションなどよく見かける製品に比べて、チンキは「生物学的利用能」がとても高いため(つまり、含まれているCBD成分の多くが、体内を循環する血液まで到達します)、身体に吸収されやすいのです。
アメリカ国立生物工学情報センター(NCBI)によると、グミやクッキーのような「食べる」タイプのCBD製品の場合、お菓子を作るために使われた成分とCBDの両方を身体が処理しなければならないために、生物学的利用能が低くなります(つまり、体内循環血液まで到達するCBD成分が少ない)。
純粋なチンキの形で摂ると、CBDがずっとたくさん吸収されるという研究結果があります。効果を感じるのも早いでしょう。「チンキはよく口の中に滴下して摂りますから、ほかの摂取方法に比べて吸収が速く、口の中の粘膜に垂らすとすぐに吸収が始まります」と、ケイターさんは説明。
明朝の『Prevention』では、CBDオイルの使い方を紹介します。
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