食後にひどい胸やけがしたり、喉に酸っぱいものがこみ上げてくる「逆流性食道炎」。
この病気にかかる人の割合は、1998年からの約20年間で4.8倍上がりました。増加の原因と考えられているのは、ピロリ菌の感染率の低下と食生活の変化、そして内臓脂肪の増加です。
ピロリ菌に感染していると逆流性食道炎になりにくいのは、ピロリ菌によって胃酸の量が少なくなるから。とはいえ、わざわざピロリ菌に感染させるわけにはいかないので、通常は胃酸を抑える薬を飲みます。
一方で、食生活の変化というのは、胃の壁を刺激して胃酸の分泌を高め、逆流を促すような食品の摂取が増えたことです。下の項目は、胃酸の逆流を招きやすい食品や飲料です。
胃酸の逆流を招きやすい食品と飲料
コーヒーや紅茶などのカフェインの多い飲料 唐辛子やネギなどの刺激の強いもの チョコレート、ケーキなど甘いもの ひどく酸っぱいもの 炭酸飲料 脂肪の多い肉や揚げ物 アルコールまた、食べるときには、早食いは禁物。食べ物と一緒に空気を飲み込みやすくなり、これがげっぷとして出てくるときに胃酸が上がってしまいます。
逆に有効なのは、しっかり噛むこと。唾液はややアルカリ性なので、胃酸をある程度中和します。胃酸を薄めることにもなるため、胃酸の刺激をやわらげることができると考えられています。
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