炭水化物が嫌われがちなのには理由があります。

あまりにも多くの甘いお菓子、加工食品のスナック、糖分の多い飲料が、簡単に体重が増える原因となっているからです。

だからといって、炭水化物が健康的な食生活の一部にならないというわけではありません。繊維質の豊富な全粒穀類や、栄養豊富な果物、そして野菜などは空腹感を抑え、必要不可欠なビタミンやミネラルも摂取できます。

さらに炭水化物はタフなワークアウトをやり抜くのに必要なエネルギーを身体に与えてくれます。

では質の高い炭水化物は摂って、あまりよくない炭水化物を減らすにはどうしたらいいのでしょうか?

そこで登場するのが「炭水化物サイクル」。これは「低糖質」と「高糖質」の日を交互に行う食事のやり方です。でも、それって、やりすぎにならずに炭水化物を減らせるまともな方法なの? と思う人もいるはず。

そこで炭水化物サイクルがどのように作用するのか、はたしてダイエットやフィットネスの目標を達成するために効果的なのかをまとめます。

炭水化物サイクルって何?

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「炭水化物サイクルとは、炭水化物を“再供給”して、低糖質ダイエットの長所と短所をうまく組み合わせようという試みです」と説明するのは、栄養コンサルティング会社「80 Twenty Nutrition」を経営する認定栄養士のクリスティ・ブリセットさん。

この食事パターンでは、脂肪を減らして筋肉を増やし、さらに運動能力をアップさせる一環として、低糖質と高糖質の食事の日を交互に設けます。

実際にはどのように行うのでしょうか? ある日は多く炭水化物を食べ、別の日には炭水化物の量を減らすことで、ダイエット中だと意識することなくカロリー摂取を減らすことができるのです。

だからこそ、“やせたいけれども自分がやっている運動のためにエネルギーは必要だ”というフィットネス愛好者の間で、この方法が人気になっているのです。

炭水化物サイクルの仕組み

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ウェイトリフティングやランニングなど、負荷の高い運動を高糖質の日に行えば、炭水化物を燃料として使用することに身体がフォーカスします。

炭水化物は、筋肉や脳に血糖(糖分)を供給するので、運動能力に注入されるエネルギーが高まっていると体感できるでしょうと話すのは、栄養に関するサイト「Champagne Nutrition」を運営する、アメリカ栄養士会広報担当の認定栄養士ジンジャー・ハルティンさんです。

低糖質の日は、ヨガなどの負荷の低いエクササイズに当てるか、休息日とします。炭水化物の摂取量をシフトするとカロリーもそれにあわせて変化します。高糖質の日はカロリーを多く摂取し、低糖質の日はカロリーを少なくします。

炭水化物の摂取をどのように決めたらよいか

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「炭水化物サイクルは理論的なもので、それを行うための決まった方法はありません」とブリセットさん。なぜなら、自分に合った炭水化物サイクルは人それぞれ異なるために、高糖質と低糖質の日にどのくらい食べるのかという基準になる量を推奨するのは、難しいからです。

アメリカの食生活指針が推奨するのは、典型的な一日でカロリーの45〜65%を炭水化物から摂取すること。一方、炭水化物サイクルを取り入れる場合は、低糖質の日はカロリーの25〜35%を、高糖質の日はカロリーの65〜75%を炭水化物から摂取するようにします。

たとえば一日あたり1600kcalを摂取している68kgの女性であれば、低糖質の日は100〜140gの炭水化物、高糖質の日は260〜300gの炭水化物となります。

ただし、炭水化物の範囲でもっとも高いほうの数値は、高負荷の運動を定期的に行っているアスリートにとって最適な数値であることに注意してください。平均的な人は、高糖質の日であっても炭水化物を最大値にする必要はありません

個人的な目標をもとに、炭水化物、タンパク質、脂肪の中でカロリーを配分するようにしましょう。炭水化物とタンパク質はそれぞれ1gあたり4kcalで、脂肪は1gあたり9kcalです。

典型的な1週間の例:

月曜日(高糖質):筋肉トレーニング 火曜日(高糖質):有酸素運動 水曜日(低糖質):休息日 木曜日(高糖質):筋肉トレーニング 金曜日(高糖質):有酸素運動 土曜日(低糖質):休息日 日曜日(低糖質):ヨガ

「三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)を管理する場合において、すべての人に当てはまる唯一の方法というものはないので、自分のニーズを判断するには、管理栄養士に相談するのがベストです」と話すのは、オンライン栄養士・コンサルタントを務める認証管理栄養士チェルシー・エイマーさん。

あなたが摂取するカロリーや炭水化物は、あなたの現在の体重、活動レベル、フィットネスの目標に依ります

次回の『Prevention』記事に続きます。

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訳/Maya A. Kishida

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