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老化の原因「糖化」の進行を防ぐ、5つのポイント

2019/04/02 16:30 投稿

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タンパク質と糖が結びついて、細胞を劣化させる恐ろしい現象、「糖化」。この「糖化」を減少、増加させる因子のうち、今回は5つをご紹介します。

糖化がかなり進行したタンパク質を、AGE(エー・ジー・イー/Advanced Glycation End Products/終末糖化産物)と言います。(老化の原因のひとつ、「糖化」の基礎知識はこちら

01 .AGEと食物繊維の関係

AGEを減らすのに有効な栄養素があります。そのひとつが食物繊維。人間の消化酵素では分解できない成分で、野菜やきのこ類、海藻などに豊富に含まれています。

食物繊維は胃や腸で水分を吸収し、大きく膨らむ特性から腸を刺激して便通を促し、大腸内でビフィズス菌などの働きを助ける整腸効果があります。また、糖質の体内への吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑えるので、AGEを溜め込みにくいという効果があるのです。

食物繊維には粘着性があり、胃腸の中で移動がゆっくりなので、空腹を感じにくいという効果もあります。食べ過ぎを防ぎ、血糖値をあげないためにも食物繊維は積極的に摂りましょう。

02 .AGEと血糖値の関係

食事をすると、健康な人でもいったんは血糖値が上がります。1日の血糖値は70〜130mg/dl(デシリットル)あたりを変動していて、食事前と後では差があるのが普通です。

ところが、糖質が多いものを食べる、過食、間食などは、血糖値を急激に上げ、その結果、細胞に多くの糖を強引に押し込むような形になります。この状態が続くと、次第に糖を取り込む力が弱まって、血液中に糖が余ることに。

AGEの量は、「血糖値」×「持続時間」で決まります。余った糖は、AGEを溜め続け、老化が進んでいきます。AGEを溜めない秘訣は血糖値を上げ過ぎないことと覚えておきましょう。

03. AGEと運動、筋肉量の関係

血糖値を上げない生活習慣として、すぐにできる工夫が運動です。適度に体を動かすことも、AGEを溜めない第一歩。

運動するのに最もよいタイミングは食後です。血糖値が最も上昇するのは食べ始めてから1時間なので、タンパク質のAGE化が進む前に対策するには、食後、血糖値が跳ね上がる前に20〜30分ほど、体を動かしましょう。

毎食後に行うのが理想です。運動は少し汗ばむくらいの負荷のものが望ましく、もっとも適しているのはウォーキング。全身の筋肉を使うので、血中の糖を消費できます。

「運動しなければ」と気負う必要はありません。「食後は体を動かす」という習慣を身につけることが大切です。食後はソファなどでゆっくりせず、部屋の掃除など、家事を一生懸命するのもいいですね。

04. AGEと肌、紫外線の関係

肌を構成する組織の70%はコラーゲン、つまりタンパク質です。AGEはコラーゲンを硬くして破壊します。これが肌ダメージです。

健康的なコラーゲンは弾力がありますが、AGE化した肌はこわばったようになり、ハリを失ってしまうのです。“老け顔”の人はAGEが溜まっている証。さらに、AGE自体の色が黄褐色なので、肌が黄色っぽく、くすんで見えることもあります。

また、紫外線もAGE化を加速させます。紫外線のダメージにより、肌内部の真皮層のコラーゲンやエラスチンにダメージが広がると、一気にAGE化が進むことに。ダメージを受けたタンパク質は糖化しやすくなっているのです。

加齢により新陳代謝が遅くなっていることもAGEを増やす原因になります。AGEは代謝の遅い部位にあるタンパク質に溜まって行ってしまうので、紫外線ダメージはAGE化を加速させます。

05 .AGEとストレス、睡眠不足の関係

ストレスもまた、AGEを溜め込む原因のひとつストレスを感じると交感神経が反応し、「コルチゾール」や「アドレナリン」というホルモンを分泌します。

コルチゾールは免疫力を低下させる働きがあり、抗酸化酸素の働きを弱めるため、AGEが作られやすくなるのです。アドレナリンは血圧上昇を引き起こし、肝臓に蓄えられた糖を体中にばらまくように促し、血糖値を上げます。その結果、糖化が進み、AGE化に歯止めが効かなくなることに。

ストレス解消にやけ食いしたり飲酒をすると、さらにAGEを溜めこんでしまいます。ストレスはスポーツやアロマテラピー、入浴など自分に向いている方法で解消したいものです。

加えて、睡眠不足もAGEの大敵平均睡眠時間が6時間以下の人は要注意です。睡眠不足は糖尿病を招くという研究結果があり、夜型の生活は体内時計のリズムが狂い、夜ふかしの間に飲食などして血糖値が上がることも。また、睡眠時無呼吸症候群により、呼吸が止まっている間にもAGEが増加するという報告もあります。

山岸昌一教授
医学博士。金沢大学医学部卒。久留米大学医学部教授を経て、現在、昭和大学医学部教授。循環器、糖尿病、高血圧と多岐にわたる生活習慣病領域の専門医として診療に携わる一方で、糖尿病と合併症の研究から老化の原因物質AGEに着目。AGEに関する最新データを次々と発表し、世界で最も精力的にAGE研究に取り組んでいる医師の一人。AGEに関する医学研究で、アメリカ心臓病協会最優秀賞、日本糖尿病学会賞、日本抗加齢医学会研究奨励賞など多数の医学賞を受賞している。

参照元/『exAGEハンドブック』山岸晶一(一般社団法人AGE研究協会)、『「老けないカラダ」になる50の知恵 AGEを減らして10歳若返る!』山岸昌一/寺山イク子(メディアソフト)

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