まずは、事実を受け入れましょう。お腹の脂肪をちゃっかりと落とせるエクササイズなんて存在しません

「お腹の脂肪を燃やす一番の方法は、全身の脂肪をくまなく燃やすこと。脂肪が増えてしまった、あるいは余分な体脂肪がちっとも落ちない、というのは、遺伝によることが多いです。お腹まわりに脂肪が多い人もいれば、お尻や太ももに脂肪がつく人もいます」と話すのは、ACE(American Council on Exercise)認定ヘルスコーチのマッケンジー・バンタさんです。

エクササイズも含めてライフスタイルを変えることで、お腹の脂肪をなんとかすることはできるはずと言うのは、サウスカロライナ州の認定パーソナルトレーナー、デイヴィッド・チェスワースさん。

それでもやはり、とても重要なのはウエストラインを定期的にチェックすること。胴まわりやお腹の内臓脂肪がつきすぎていると、2型糖尿病や心臓病など慢性的な健康問題のリスクが増える可能性があります。近年の研究でも、腹部に過剰な脂肪があると、脳が萎縮するかもしれないと示すものがあります。

ウエストサイズがいつまでも細くならないのは、ワークアウトのやり方に問題があるのかも。ではさっそく、正しい運動のやり方と、よい間食の摂り方をみていきましょう。

1. 早くやせたいと頑張りすぎている

ジムの時間を増やすのが、必ずしもよいとは限りません。

「テレビで見たように1週間で4.5kg落としたくて大きな犠牲を払い、数日でそれをやろうとする人がいます。でも、それを数か月間も継続しようとするのは大変です」と話すのは、アイダホ州の認定パーソナルトレーナー、アンナ・ラーセンさん。

理想の身体になるために、3〜6か月かけて少しずつやっていくのには、忍耐力がいるのです」

そこでまず、いまの状態を受け入れ、そこから取り組みをはじめていきましょう、とチェスワースさん。1週間に5〜6回は身体を動かすことを目指し、2日は休息日とします。

休息日といっても、一日中ソファーに寝転がって休む必要があるという意味ではありません。「休息日には犬の散歩でウォーキングする、15分のストレッチをするなどで身体を動かして」とバンタさん。

2. 自分が好きなことをやっていない

ランニングやローイングは本当に嫌いだけど、気に入った曲を聴きながら運動するのは好き、という人は、マシンを使うエクササイズの代わりにズンバを始めてみては?

「本当に楽しんでやっているのではなく、“やるべきだ”と感じてやっているのであれば、ワークアウトは決して長続きしません。運動が楽しくなると続けていくことができるし、結果的に健康も向上するのです」とチェスワースさん。

3. さまざまな種類のワークアウトを行っていない

バンタさんいわく、それぞれのエクササイズには違ったメリットがあるので、いろいろな種類を混ぜて行う必要があります

「有酸素運動は心臓を強くして持久力を向上させ、血圧を下げて気分も上向きになります。筋力トレーニングは除脂肪筋肉量を鍛えて維持し、代謝をアップさせます」とバンタさん。

違う種類のワークアウトを交互に行うことは、筋肉を酷使することによるケガの予防にもなります。「同じ筋肉をあまりにひんぱんに使いすぎると、ワークアウトを休まなくてはいけなくなるようなケガを負うリスクがあります」とチェスワースさん。

「毎日、毎週、さまざまなワークアウトをちりばめて、バランスのよいルーチンにしましょう」

4. 有酸素運動だけしかやっていない

スピニングやランニングのような有酸素ワークアウトは、心臓を健康な状態に維持し、カロリーを燃焼するうえで大切。でもお腹の脂肪と戦うときには、バランスこそがカギ。そして体重を減らしたいなら筋肉を鍛えることが不可欠、とラーセンさん。

「有酸素運動は簡単にやりすぎてしまうので、運動によってカロリーをほとんど燃焼してしまい、代謝がついていけないほどお腹が空いてしまうかも。脂肪を燃やして、食べたものを使って育つのは“筋肉”です。筋肉を鍛えるには、長時間トレッドミルでがんばって走る代わりに、筋肉トレーニングに集中することです」とラーセンさん。

すっきりと引き締まった身体になるには、筋トレと有酸素運動を混ぜて行うようにしましょう、とラーセンさんはすすめています。「筋肉が450g増えれば、1日に40〜50kcal近くのカロリーを燃焼するので、全身の体脂肪を減らすのによいのです」とラーセンさん。

ヨガも忘れずに。脂肪を燃焼させるヨガのポーズなら、有酸素運動と筋トレの両方を行えると考えてよさそうですね。

5. ワークアウトの前にウォームアップをしていない

エクササイズは身体に負荷をかけるので、適切なウォームアップで筋肉や関節の準備をすることが大切。さもなければケガをしてしまって、脂肪を減らすという目標に向かって進めなくなってしまうかも。

トレーナーが推奨するのは、ワークアウト前に全身をほぐすためのダイナミックなストレッチを行い、筋肉組織への血流を増やして、関節を潤滑に動くようにすること。

そんなに時間はかかりません。10分でも効果はあります。走る前のストレッチやフォームローラー・エクササイズをはじめてみては?

6. 体重計の数字にとりつかれている

体重計にとらわれないで。「お腹の脂肪を落とそうとしているときに進歩を示す最大の指針は、実際の写真であって、体重計ではありません」とラーセンさん。

「正面、後ろ、横からの写真を毎週月曜に撮影し、最近の写真と1週目の写真を比較してみましょう。鏡で見たり、写真をスクロールしてくらべても変化はわからないかもしれません。でも写真を実際に並べて比較してみれば、少なくとも6週間経つと自分の姿の変化にびっくりするはず」

変化したことを感じるために数値が必要なら、バンタさんは体脂肪量に着目するようすすめています。

「もっとやせることよりも、身体全体の組成を向上させることを目標にしたほうがいいんです。体脂肪の計測値なら、肥満度指数(BMI)のような他の数値よりも、より正確に健康状態がわかります。BMIは身長と体重を利用して健康状態を一般化しているだけなので」とバンタさん。

あるいは、体重計を使わずに成功体験に注目するという、チェスワースさんの作戦を試してみては?

たとえば「途中で休まなくても、食品の買い物袋をもって階段を登れた」とか、「ピッタリしたタンクトップを着る自信がついた気がする」といったものです。

明朝の『Prevention』記事に続きます。

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訳/Maya A. Kishida

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