海や山、自然に触れることで気分がリラックスする経験は誰にでもあるはず。できることならば、大自然に身を置く機会を頻繁にもちたいところですが、なかなかそうもいきません。

そんな方に朗報です。2018年12月『Journal of Positive Psychology』にカナダのカンピオン大学が発表した研究によれば、わざわざ海や山に出かけなくても、自然の恩恵を受けることは可能なのだそうです。

身体ひとつで、今すぐ始められる

この研究ではふたつの実験が行われました。

学生123人を対象とした最初の調査で明らかになったのは、被験者のうち、都会の公園にわずか5分座って過ごした人は、窓のない実験室に座っていた人と比べ、ポジティブな感情が大幅に増加したということです。

(中略) 学生70人を対象とした2回目の調査では、5分間ではなく15分間自然のなかで過ごしても、効果が拡大するわけではないことがわかりました。(『PsyPost』から翻訳引用)

つまり、自然な環境に身を置けば、たとえ座っているだけでも、また、それがわずか5分に過ぎなくても、気分を上向きにするには十分だということ。

特別な準備や道具はまったく不要なのですから、誰でも、いつでも、今すぐにでも始められる気分アップ法といえるでしょう。

特に気を張らずとも、例えば、外を歩くときは並木道の下を選んだり、公園横を通る道を選んだりということから始めるといいかもしれません。

自然と触れ合えないときは、写真で解決

同研究の著者カンピオン大学のアーバスノット氏は、さらに一歩進んで、自然の写真を眺めるだけにも意義があるという見解を、『PsyPost』に語っています。

気持ちを上向きにしたいとき、最も早く簡単な方法は、自然のなかで数分過ごすことです。実際に外にでるのが最善ではありますが、自然の風景を撮った写真を眺めるだけでも効果があります。(『PsyPost』から翻訳引用)

ときや場所を選ばず、眺めることができる写真。天気の悪いとき、夜中に落ち込んだときなどには、こちらも積極的に試してみたい気分アップ法です。

日本人には古来より、花見、お月見、紅葉狩りなど、季節ごとに自然を愛でる風習がありました。最近は季節感が薄れたと嘆く声も耳にすることがありますが、日本にはまだまだ季節の移ろいを慈しむ精神が残っているはず。

長い目で見れば、打たれ強い柔軟な精神を育むことにもつながる自然とのふれあいタイム。ぜひ実践してみてください。

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