産婦人科医の上田弥生先生は、女性のデリケートゾーンのニオイ相談をよく受けるそうで、まさにニオイのスペシャリスト。
そんな上田先生の知識が詰まった著書『オトナ女子のためのスメらない手帖』から、今すぐ実践できるカラダのニオイ消去法を紹介します。
糖質オフダイエットがニオイの原因に!?
デリケートゾーンのアンチエイジング治療とワキガ・多汗症の治療に携わってきた上田先生。セルフケアのアドバイスが人気で、雑誌や動画サイトなどメディアで活躍されています。
生活習慣の乱れやストレス、お風呂でのケア不足、体質、病気のサインなど、嫌なニオイの原因はさまざま。なかでもオトナ女子にとくに多いのが、食事制限だけの過度なダイエットです。
最近では「糖質オフダイエット」ブームで、炭水化物を極端に摂らない人が増えています。しかし、これをやり過ぎると、カラダが飢餓状態だと認識して、身を守るために脂肪酸という脂っぽいニオイがする成分とアンモニア臭を放ち始めます。
『オトナ女子のためのスメらない手帖』15ページより引用
このように、間違った食事制限をすると、ダイエット臭と呼ばれる尿のニオイに近いものが体からし始めるのだとか。
また、夏に気にしがちだけれど、実は季節を問わずケアは必要。冬は保温性の高い服を着るため、ニオイがこもりやすので注意しましょう。
ニオイの種類は3つ
体臭は、大きく分けて3つ。①体表面体臭、②体内体臭、③腸内体臭の3つです。この3つはどこがにおっているかで区別しています。
『オトナ女子のためのスメらない手帖』17ページより引用
種類によって対策を変えることが大切だと上田先生は言います。
①体表面体臭は、ワキガなど汗によって発生する肌のニオイのこと。通気性をよくしたり小まめに濡れタオルで拭き取ったりする方法が効果的です。
②体内体臭はストレスや病気などが原因のもの。体の中でニオイが発生し、汗や口臭、尿臭などで現れます。規則正しい生活への改善やきちんとした栄養成分の摂取がおすすめ。病気などセルフケアが難しい場合は、医師に相談を。
③腸内体臭はその名の通り、食べたものが腸内で分解されたときや、消化されずに腸内で腐ったときに発生します。食事内容の改善が必要です。
正しい方法でニオイチェックを
まずは、勇気を持ってニオイチェックをしましょうと上田先生。口臭はコップ、脇は脱いだ服、足は靴下、デリケートゾーンはトイレットペーパーでチェックできるそう。
口臭は手を当てて息を吐きかけても、手のニオイと混ざってしまいます。きれいなコップに息を吐きかけ、一度新鮮な空気を吸ってからコップのニオイを嗅ぐのが正解。
また、入浴前は脇と足のふたつがチェック可能に。1日身につけていた肌着の脇の部分と靴下を嗅いで、どのくらいニオイがするか確認できます。
デリケートゾーンについてはどうしたらいいかというと、トイレに入ったときがチャンス。
トイレットペーパーでポンポンと汗を移してからにおうか、パンツのニオイを確認してみよう。
『オトナ女子のためのスメらない手帖』21ページより引用
このようにアイテムをうまく使ってチェックをしたら、次は消臭法の実践です。
歯ブラシと5本指ソックスが足の救世主
足のニオイは、主に指の間の汗やお風呂でのケア不足が原因。
まずは湯船に足をつけて、爪の垢をふやかします。目安は10分。それから柔らかめの歯ブラシで爪の際を丁寧にこすり取ってください
『オトナ女子のためのスメらない手帖』65ページより引用
足は1日でコップ1杯分の汗をかくとも言われており、通気性も大切なポイントになります。
そこで足の汗対策に有効なのが5本指ソックス。通気性がいいだけでなく、足の指の間の汗をすぐ吸収できるのです。普段の靴下の方がいいという人は、汗を吸ってもすぐ乾くシルク素材の靴下がおすすめです。
湯上がりと朝のケアで脇のニオイをブロック
上田先生は「脇ケアは日中のニオイが気になったときではなく、お風呂上がりとお出かけ前の朝がベスト」と言います。
菌が減っているお風呂上がりに抗菌効果のあるデオドラント剤を使うと、ニオイの発生を抑えられるのです。朝着替えるタイミングでも予防をしておくと、よりいいそう。
また、汗をかかない冬も油断大敵。着込んで通気性が悪くなり、ニオイがこもってしまうからです。
保温下着を購入するときは素材にコットンが多いものや吸湿速乾や消臭・抗菌の機能下着を選びましょう。また、シルクは保温性も通気性、吸水速乾性もあるので、1年中おすすめの素材です。
『オトナ女子のためのスメらない手帖』61ページより引用
また、毛がニオイの拡散装置になってしまうため、ワキガの人もそうでない人も、冬の除毛は必須です。
頭のニオイはクレンジングで撃退
頭皮はTゾーンの2倍もの皮脂腺があり、においやすい部位。プーンとしたニオイは、週1回のオイルマッサージで頭皮クレンジングをすることで抑えられます。
使うものは、皮脂に近いと言われているホホバオイルや椿油がおすすめ。市販の頭皮クレンジング剤でも保湿性のある製品ならOKです。
髪を分け、頭皮全体にオイルをつけて、円を描くようにマッサージ。洗い流す際は、後頭部からおでこに向かって、お湯でしっかり流していきます。
『オトナ女子のためのスメらない手帖』51ページより引用
洗い流しに炭酸水を使うとより効果がアップするそう。
まずは自分のニオイチェックから始め、気になるニオイの消臭法を試してみたいと思います。
上田弥生(うえだ・やよい)先生
産婦人科専門医。大阪市立大学医学部医学科在学中に、アロマセラピーや漢方に触れる。関西の医療機関で研修後、産婦人科専門医資格を取得。その後、関東にて不妊治療、一般産婦人科診療に携わりつつ、デリケートゾーンのアンチエイジング治療とワキガ・多汗症の治療に携わる。セルフケアのアドバイスを始めたことをきっかけに、雑誌や動画サイトなどのメディアでも活躍中。