まずは片付けることから始めるのが一番よい方法ですが、いまこそ寝室に風水を取り入れるときかもしれません。部屋がすてきになるだけでなく、ぐっすり眠れる空間になるかも。
快眠グッズを探すよりも、風水がいい
アメリカ人の3人に1人が必要な睡眠を取れていないという報告もあるほど、世の中の人々は、心身ともに回復するために快眠を得る方法を絶えず探しています。
アイマスクや、睡眠に適した重さのある毛布、カモミールティーにマグネシウムなどの眠りをサポートするアイテムなど、熟睡するためのすばらしいライフハックを私たちは常に追い求めています。
こういった手軽な手段とは違って、風水はあまり手っ取り早い解決策とはいえませんが、実践している人たちは、その影響は「じつに大きい」と話します。
快眠できる寝室をつくるには?
では、風水とは何でしょう? 「風水は、周囲の環境を調和させて、自然界とのバランスを保つようにするためのデザインシステムです」と説明するのは、Feng Shui for Real Lifeで風水の実践指導者をしているキャロル・M・オルムステッドさん。
「周囲の環境は、あなたの人生が引き寄せるものにパワフルな影響を及ぼします。あなたのまわりのエネルギーが阻害されていると、幸運や人間関係、健康、幸せにも影響するのです。エネルギーのバランスが取れていれば、よいことが人生に自然に流れ込んでくるのです」
風水は、単に部屋の中のものを配置する方法だとよく誤解されていますが、それ以上にはるかに大きな力を秘めています(もちろん配置も重要な役割を果たすのですが)。
大切なのは、ベッドルームには、精神的にも神聖な場所としての役割があることを忘れないこと。「風水の原則によれば、主寝室は休息とロマンスのためだけのプライベートな場所であるべきなのです」とオルムステッドさんは話します。
では、風水を試してみる準備はいいですか? ベッドルームをしっかりリラックスできて、パワーが回復する空間に変えるには、どのように風水を取り入れたらよいか、専門家に聞きました。
1. ベッドルームは落ち着いて集中できる場所に
ベッドルームが休息とロマンスの場所なら、その部屋にあるアイテムはそれを反映したものであるべきだと語るのは、認定風水コンサルタントのティーシャ・モリスさん。
「各部屋はそれぞれ異なるあなたの一面を表していて、家の中のエネルギーは部屋ごとにあなたに直接的な影響を及ぼしています。ベッドルームには、睡眠、リラクゼーション、あなた自身やパートナーとの関係性にまつわるアイテムだけを置くべきです」
風水コンサルタントのマーリナ・ロスさんいわく、宗教的なものですらもベッドルームの外に置くべきだとのこと。「そうしたものにふさわしい神聖な場所は別にあります。仏像には絶対にあなたの裸の姿を見せるべきではありません」
2. ベッドルームに仕事を持ち込まない
ベッドルームを心安らかな空間にしておきたいなら、仕事は遠ざけましょう。つまり、ナイトテーブルには仕事に関連するものは置かない、ノートパソコンやスマホなどもベッドのそばから移動させる、ということ。
しかし自宅でも仕事をする今の時代に、特に狭いアパートに暮らしている場合などでは、これらは難しくなりますよね。
「部屋が狭く、ベッドルームでも仕事をする必要があるなら、仕事をする場所はできるだけベッドから遠ざけるようにして、夜間にはついたてか、植物などを使って目隠しするようにしましょう」とオルムステッドさん。
3. 中間色を選ぶ
色が気持ちや感情に強い影響を与えることはよく知られています。したがって、ベッドルームの色についても、存分に注意を払ってみたところで損はないのです。
「風水における大体のルールは、暖色は関係性にあたたかみを生み出し、寒色は関係性が冷えるというものです」とオルムステッドさんは解説。ベッドルームには明るい中間色を推奨しています。
4. ベッドルームの鏡について考え直す
ほとんどの人はベッドルームに少なくとも1枚かそれ以上の鏡があるのでは? しかし風水の専門家は逆のアドバイスをしています。
「もしできれば、ベッドルームには鏡を置くのをやめましょう。エネルギーの反射が部屋の中で過剰なエネルギーを生み、睡眠の邪魔になるのです」とモリスさん。
鏡を移動するのは絶対にイヤという場合、「夜間は鏡にカバーをかけるか、ベッドの正面に置かないようにするとよい」と、Feng Shui Manhattanの設立者でCEOの認定風水専門家ローラ・チェッラーノさんは言います。
5. テクスチャーを調和させる
ベッドルームの陰と陽のバランスをとることも大切です。
チェッラーノさんいわく、そうするための方法のひとつが、素材を混ぜることだそう。陰(女性のエネルギー)が明らかに感じられるのは、ベルベットのラグやふんわりした毛布など、やわらかいテクスチャー。「エネルギーや感情をケアし、育んでくれる空気を生じさせる」とのこと。
いっぽうで男性的な陽のエネルギーは、たとえば硬い木のフローリングなどにみられます。でも男性にも女性的なエネルギーがあるし、その逆もしかり。だからこそ、チェッラーノさんは、硬い素材とやわらかい素材をバランスよくベッドルームに使うようすすめています。
ロスさんも同意見。「最近ではあまりに多くのベッドルームが、陽の気に満ちすぎていますね」
6. 遮光カーテンをとりつける
風水師たちの意見は「より暗いほうがいい」と一致。遮光カーテンなら、夜間に部屋を真っ暗にできるし、リラックスしてより早く寝つけるようになります。
「完全に暗くないと、身体がメラトニンを生成できないことが科学でも判明しています」とロスさん。
7. 出入り口が目に入る位置に
身体をじっくり休めて眠るには、ベッドをどこに置くかがきわめて重要になります。風水師がみな口をそろえて言うには、ベッドはドアの正面に配置すること。
チェッラーノさんはこれを見晴らしのよい場所と説明しています。「まわりをすべて見回せる場所です。その空間に誰を入れてもよいのか、非常に明確になれるのです」
オルムステッドさんは、ドアが見えるようにしておきつつも「あまりに丸見えで無防備な気持ちになることのないように、ドアからダイレクトに目に入る位置はやめるべき」とも言っています。
8. 傾斜のついた天井や梁はさける
真の風水をベッドルームにもたらすなら、天井にも注目しましょう。「傾斜のついた天井の下や梁の真下で眠るのは避けるようにしています」とロスさん。
傾斜のついた天井は、部屋の中のエネルギーの分配を不均衡にして、ベッドに向かってエネルギーが押し下げられてしまうのです。「夜の間、自分の上に水滴がぽたぽた落ちてくるような感じで、重圧感を抱くようになります。それはごく些細な物事ですが、風水のほとんどがこうしたことからきています」
チェッラーノさんも同意しており、傾斜した天井や、天井のファンの下では、害のある「殺」のエネルギーのせいでよく眠れなくなると説明します。
「殺」はエネルギーを遮断したり、枯渇させたりするそう。梁の下で眠るしかない場合は、梁と梁の間にベッドがくるように配置してみて。
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訳/Maya A. Kishida
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