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管理栄養士が教える納豆トリビア。冷凍&解凍法や、食べるタイミングは?

2019/02/06 20:00 投稿

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日本人にはおなじみの食材である納豆。でも、冷凍してもよいのか、食べるならいつがベストタイミングなのか……などなど、意外と知らないこともあったりします。

今回は発酵料理に詳しい料理家・管理栄養士の舘野真知子先生に、毎日の食生活に役立つ、栄養効果を高める納豆のトリビアを教えていただきました。

1. 納豆パワーが注目されているワケ

納豆には五大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)がすべて含まれ、さらに第六の栄養素と言われている食物繊維も豊富です。とくにタンパク質に関しては、必須アミノ酸が比較的バランスよく含まれる食材です。

ほかにも多くの栄養素が含まれますが、最近注目されているのは、血栓ができるのを防ぐ効果が期待できるナットウキナーゼと、骨の代謝に関係して強くするビタミンK。脂質やタンパク質、炭水化物の代謝に役立つビタミンB群も豊富です。

また、食物繊維は100g中に6.7gも含まれています。畑の肉といわれるほど栄養豊富な大豆が、発酵を介することでより栄養価が高まるという魅力もあります。

2. 納豆を食べるベストタイミング

納豆の栄養素のどこに注目するかにもよりますが、ナットウキナーゼという酵素が持つ血栓溶解作用に注目すると、血栓ができやすいといわれる夜に食べるのがおすすめです。

また、米と大豆はアミノ酸のバランスがよく、元気なカラダを作ってくれる組み合わせなので、朝ごはんにも最適です。

3. 納豆は冷凍しても大丈夫? 解凍のポイントは

冷凍しても、解凍に失敗しなければそれほど栄養価は落ちません。ただし、粘りや大豆の食感が落ちることはあります。

納豆を解凍するときは水分が出すぎないように、ゆっくりと冷蔵庫で解凍しましょう。特に夏場など、常温に出しておくと温度が上がり発酵が進みすぎて風味が落ちたり、水溶性のビタミンまで一緒に溶け出してしまったりするのを防ぐことができます。

4. 納豆の賞味期限

賞味期限はある程度余裕を見て設定されているので、賞味期限が切れても食べられる場合もあります。しかし、やはり賞味期限内に食べるようにしたほうがいいでしょう。

「納豆は腐らない」と誤解している方もいますが、納豆は生鮮食品です。10℃以下で冷蔵保存する必要があり、常温保存すると発酵しすぎて腐敗が始まってしまいます。食べきれないときは冷凍しましょう。

5. 調理するときに気をつけたいこと

納豆菌の生み出す酵素の1つであるナットウキナーゼは50℃以上になると活性が弱くなり、70℃では失活してしまうので、ナットウキナーゼの働きを期待するなら加熱しない調理法がおすすめです。

6. 1日何パックまで? 摂取量の目安

1日1パックがおすすめです。納豆1パック(約50g)で100キロカロリーぐらいですから、ごはん半膳分くらいのカロリーになります。食べすぎはカロリーオーバーのもとです。

7. 藁に包まれている納豆とパック入りの納豆の違い

一番の違いは香りです。昔ながらの藁づと納豆は香りがいいといわれますが、現在では食品衛生上、直接藁に包まれた納豆は珍しくなっていて、そのほとんどが中の納豆はフィルムに包まれています。栄養価の面では違いはありません。

8. 納豆のおいしい選び方

一番わかりやすいポイントは粒の違いです。一般的な小粒納豆はまとまりがよく、ごはんにぴったり合います。

ひきわり納豆は納豆パスタのように、納豆を食材にからませたい料理によく合います。皮をむいた状態で納豆に加工するため柔らかく、消化しやすいので、おなかの調子が悪いときにも適しています。

大粒の納豆は、豆そのものの味わいや食感が楽しめます。納豆オムレツにすると、豆感がより際立ちます。

もうひとつのポイントは大豆の産地。納豆の大豆はほぼ輸入ものですが、国産の大豆を使ったものは、甘味が深くなる印象があります。

アメリカ・カナダ産の大豆を使った納豆は、粘りが強いものが多いようです。

「私の外国人の友人は、よく『納豆は究極のファーストフードだね。日本がすごいと思うのはこういうところ。こんなに簡単に、栄養バランスが整うものが身近にあるなんて』という言い方をします。

納豆のよさにもっと多くの人が気づいて、毎日の食生活に取り入れてくれたらいいですね」

と舘野先生。次回は舘野先生に、納豆の栄養効果をさらに高めてくれる「ちょい足し食材」や「ちょい足し調味料」についてお聞きします。

舘野 真知子(たてのまちこ)さん

料理家、管理栄養士。栃木で8代続く専業農家に生まれる。管理栄養士として病院に勤務後、2001年アイルランドの料理学校「Ballymaloe Cookery School」に留学。校長ダリーナ・アレンの“生産者を尊重し、素材を生かす料理をする”姿勢に共鳴し、自らもモットーとしている。帰国後はフードコーディネーターとしてメディアなどで活動した後、レストラン「六本木農園」の初代シェフを務める。現在は料理家として発酵料理をキーワードに、料理の楽しさや食べることの大切さを栄養・料理・文化を通して伝える活動をしている。

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