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ほんとに二日酔いに効く? ウコンサプリメントと肝臓ダメージの関係

2018/11/20 07:30 投稿

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ウコンなどの植物系サプリメントは、医師の了解がなくても安全にとれると考える人は多いです。さらに、この鮮やかな色でエキゾチックな味のハーブ、ウコンは、専門家もまきこんで健康食品業界で誇大宣伝されてきました。抗炎症作用のおかげなどで、がん、心臓病、アルツハイマー病に効果がある、などといった触れ込みです。

しかし、ウコンは必ずしも安全ではなく、むしろ危険というショッキングな報告書が出ているのです。ある高齢の女性が肝臓に重大な損傷を受けたのが、ウコンをカプセルの形で服用したためかもしれないというのです。

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2018年9月10日に医学誌『BMJ』の症例報告として掲載されたケースによると、71歳の女性は、心臓の健康のためにサプリメント(ほかに20種類の医薬品とサプリメントも)を服用していました。結果として自己免疫性肝炎にかかったのです。自分自身の免疫のために肝細胞が攻撃されてしまい肝炎を起こしたのです。この病気は、進行すると肝硬変を起こし、最終的には肝不全に至ることも。

その女性は、血液検査までにそのサプリを8カ月とっていたのですが、肝臓の酵素レベルが上昇して、自己免疫性肝炎と診断されました。報告書によると、女性はウコンサプリメントをとっていると医師には伝えていませんでした。そのため、何が原因なのかが分からなかったのです

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ネットで調べた後、女性はウコンが肝臓に問題を起こす可能性があることを知り、摂取をやめたとのこと。医師は女性がサプリメントを服用していたことを知らずに、身体検査が3カ月も続いたのです。

さいわい、酵素レベルは低下。最終的に女性はウコンについて語ったため、原因がサプリメントだったとわかったのです。

検査によって手がかりは見つかったのです。報告の共同著者、アリゾナ大学教授のジャネット・ファンクさんによると、「ウコンのような物質が肝臓のダメージを受けている場所に見られましたが、確実にウコンであると判断できませんでした」と言います。

ズバリ、ウコンって何?

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ウコンは明るい黄金色のスパイスで、南アジアや中東の料理で何百年も使われてきました。ピリッとする味わいを食べ物に与えて、薬効もあります。化合物クルクミンがもたらすのは色あいだけでなく、有名な健康上のさまざまなメリットも。

研究によると、にきび、アルツハイマー病、関節炎、むくみ、がん、糖尿病、ライム病、疼痛や月経前症候群に効く可能性があるということ。ここで見たように落とし穴もあるのです。でも、食事に振りかけるか、小さじ1杯を足す程度なら健康に問題はないはず。

「ウコンの有効成分のひとつであるクルクミンはウコンスパイスの重さのうち約3%しかないので、クルクミンをたくさんとろうとしたら、ウコンスパイスを大量にとらなければなりません」(ファンクさん)。だから、ウコンをサプリメントで摂取する人も多いのです。

ウコンのサプリメントを摂るべき?

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サプリメントを捨ててしまう前に、いくつか考えてみましょう。

報告の著者らは、ウコンサプリメントに関係のある35の研究についても検証しています。調査対象のうち、ウコンサプリメントと関係した肝臓の問題があった人は約5%でした。お酒を飲む人や年配の人など、特定の条件を満たしている場合にこのサプリメントを服用すると、問題が発生しやすいようだといいます。今回の報告では、ウコンサプリメント自体は調べることができませんでした(女性が医師に服用を話す前に捨ててしまったためです)。ですから、サプリメントが汚染されている可能性もあります

ファンクさんは、「ウコンサプリメントはスパイス(根)がカプセルに封入されて作られるのですが、スパイス自体が鉛で汚染されている可能性もあるのです。一般的ではありませんが、可能性はあります」と説明しています。女性が服用していた別の薬剤とウコンが反応した可能性もあります。

統合診療科専門医のタスニーム・バティアさんによると、「ウコンはよく知られた抗炎症効果を持ったスパイスで、初めて発表されたもの」と指摘しており、ウコンサプリメントを悪者にするのは早すぎるのではという見方です。

ウコンやその他のハーブサプリメントをとるためのコツ

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バティアさんは、今回の研究を通して、サプリメントは薬のようなものであって、医師の監督下で服用すべきであることを再認識してほしいと求めます。

「サプリメントについて明かさずに、ほったらかしにされることがよくあるのです。サプリメントについて医療機関に伝えて、医師と患者がよく学んで相談し合うことで、孤立してしまうケースは防げるはずです」(バティアさん)

ファンクさんも同意見。「市販のサプリを含めて、医療関係者には何をとっているかを必ず知らせるようにするのです。自然のものだから安全とは限りません。植物から作られた薬も珍しくありませんし、副作用の可能性はあるのです」。

ウコンに限らず、どんなハーブ系サプリメントも慎重にとる必要があります。特に、同時に別の薬品を取っているならなおさら。同時に摂っている薬の代謝を変えてしまう可能性があるためです。

「例えば、セント・ジョーンズ・ワートは経口避妊薬の代謝を早めて、効果をなくしてしまいます」(ファンクさん)。

このほか、多くの植物由来製品は血液凝固を変化させると知られています。血液凝固をおさえる薬をとっていたり、手術を受ける予定があったりするならば注意が必要です。

もっとも、多くの料理に使われているように、スパイスとして適切な量を使う分には、ウコンは見た目も味も楽しめる健康的なスパイスです。カレーなどにお好みの料理にはこれまで通りに使うことができます。

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