科学的に考えれば、新陳代謝とは身体が食べ物を分解してエネルギーに変えるプロセス。でも、科学的ではないのかもしれませんが、体重はなるべく早く減らしたいところです。
新陳代謝を上げるには?
そんな人に耳寄りな情報を。新陳代謝は遺伝の影響もあって、年とともに落ちるのですが、特定の食べ物、行動、運動から影響を受けます。身体が燃やせるエネルギーの量は変えられるのです。
新陳代謝を上げてくれる流行りの方法には、「プチ断食」「リンゴサイダービネガー」などがあります。でもそれらに根拠はなく、むしろ健康に悪影響をおよぼすこともあります。
かわりに次のような習慣を取り入れ、新陳代謝を上げてみてはいかがでしょう。
01. ビタミンB12をたっぷり摂る
ビタミンB12は、新陳代謝を助けるのに大切。
だいたいみなさんキチンと摂れているのですが、ヴィーガンの人だったり、肉、乳製品、卵などを避けていたりする人は、ビタミンB12が不足している危険があるのです。サプリメントなら不足分を補えます。
02. 全脂肪の乳製品を選ぶ
『ジャーナル・オブ・ニュートリション』誌に掲載された研究によると、乳製品を1日に3~4回とっている女性は、とっていない人よりも消費される体脂肪が70%多かったそうです。
ほかの研究では、全脂肪をとるひとは、低脂肪や無脂肪をとっている人よりもスリムになれるともいいます。専門家は、乳製品の脂肪は満腹を感じやすくして、過食や不健康な間食に走りにくくしてくれると説明しているのです。
03. よく寝る
『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』誌の研究によると、わずか一晩よく眠れなかっただけで、翌朝の新陳代謝が低下して、消費エネルギーが最大20%減ってしまうとのこと。
さらに、目をつむって寝られない状態だと、レプチンやグレリンなどの満腹ホルモンがうまくはたらかなくなるのです。結果として、ジャンクフードに手がのびてしまうのです。
04. 寝室の温度を下げる
『ジャーナル・オブ・ダイアベーツ』誌で発表された研究によると、19度の部屋で寝ている人は、24度の部屋で寝ている人よりもカロリーの燃焼が7%も多いというのです。
研究者らによると、身体の内部を37%に高めるためにエネルギーを燃焼させたと考えられるようです。
05. セーターを脱ぐ
複数の研究によると、寒さにさらされるときに、健康的なはたらきのある「褐色脂肪」が活発になって、一日中カロリーの燃焼が進みやすくなるそう。
また、ほかの研究からは、室温を下げたり、上着を脱いだりするだけで、褐色脂肪のはたらきを活発にして、寒さにも強くなるとわかっています。
06. 朝の散歩に行く
ノースウエスタン大学の研究によると、朝に太陽の光を浴びると、目が覚める効果に加えて、体型をスリムしてくれる効果もあるというのです。
日光に当たることで、起きてから1日の新陳代謝のリズムをリセットすることができます
07. ダイエットソーダを避ける
『トレンズ・イン・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム』誌の研究によると、人工甘味料入りの飲み物を飲んでいると、糖分をうまくエネルギーに変えることができなくなるというのです。
まだ議論の最中ですが、ダイエット飲料は、むしろ体重増加やメタボリック症候群につながるとわかってきています。心臓病や糖尿病のリスクを高めてしまうことになるのです。
08. チョコレートをつまむ
オフィスのお菓子箱を全部食べてはダメですが、高カカオのダークチョコレートを1~2かけらくらいなら大丈夫。
スイスとドイツの研究者が行った研究によると、1日におよそ40グラムのダークチョコレートを2週間食べると、新陳代謝が高められることがわかったのです。
フラボノイドのようなカカオに含まれる化学物質が新陳代謝にいい影響を与えたようです。
09. よく笑う
研究によると、無表情でいるよりも、10分でも笑っていると、カロリーの消費量が10%~20%多くなるそう。
笑い声をあげていると、ストレスを低下させたり、心臓の健康につながったりすると示した研究もあるのです。
10. 瞑想する
瞑想をすると、ストレスを軽減できると示した研究は多数存在しています。
2014年の研究によると、ストレスがたまった女性は、新陳代謝が低く、食後の脂肪燃焼も少なくなるそうです。
11. 白い色をした炭水化物を避ける
食物繊維や消化の遅い食べ物を食べていると、新陳代謝が高まってきます。燃やすためにエネルギーが多く必要になるのです。
研究によると、精製された炭水化物を含んだ軽食や穀物は逆になってしまいます。白いパン、白米、ポテトチップスやクッキーのようなスナック菓子は避けるのが得策。
全粒粉などの食品全体を食べるようにするのがよいでしょう。
12. バーでは控えめに飲む
アルコールを飲むと、かわりにエネルギーとして燃えるため、脂肪の燃焼が落ちてしまうのです。研究によると、マティーニ2杯を飲むと、脂肪の燃焼が最大で73%も減ってしまいます。
13. ナッツをひと握り食べる
研究によれば、ナッツ類、特にクルミの多価不飽和脂肪酸をとると、脂肪燃焼をコントロールしている特定の遺伝子のはたらきを活発にするというのです。
『アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション』誌によると、1日を通してエネルギー消費が促されると言います。
1日の摂取量の目安は、およそ30~40グラムです。
14. 食卓塩も少しとる
海塩は昔ながらの食卓塩よりおいしいのですが、ネックはヨウ素が不足していることなのです。
新陳代謝をコントロールする甲状腺にとって、ヨウ素は重要なミネラルになるのです。ヨウ素が不足すると、甲状腺の働きが落ちて新陳代謝が正常に保てません。
といっても、ヨウ素をとるのに、多くの食卓塩をとることはなく、わずか小さじ4分の1で1日の必要量の半分はとることができるのです。
ちなみに、海藻、タラ、エビ、卵にもヨウ素は含まれています。
15. 亜鉛を十分にとる
甲状腺の活動のために必要なもうひとつの栄養素が亜鉛。これもまたヴィーガンの人で不足しがちなミネラルです。
たくさんは必要ありませんが、とれる食品は一握りなので注意が必要です。例えば、牛肉、鳥肉、貝など。それ以外なら、ゴマやスペルト小麦と呼ばれる小麦などにも含まれています。
16. スイカを食べる
『ジャーナル・オブ・ニュートリション』誌に掲載された新しい研究によると、スイカにはアミノ酸のひとつであるアルギニンが豊富。
新陳代謝を促し、体重を減らしてくれるそう。この研究によると、アルギニンは体脂肪の酸化を進めて、筋肉を増やしてくれるのです。
筋肉では多くのカロリーが燃やされることになります。
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